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電波的な彼女~愚か者の選択~、雑感

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正義の味方か、君は?

そんなものはいない。いないから、俺が怒ってるんだ!(ジュウ)


今回も、前作の『電波的な彼女』に続き、続編である『電波的な彼女~愚か者の選択~』について雑感を書いていきます。


Espliaの簡単なあらすじ


誘拐した幼児の目玉だけを抉って解放する、「えぐり魔」が世間を騒がせていたある日、「前世からの絆」の名の元、騎士や奴隷を名乗る「堕花雨」と共に買い物に来ていた「柔沢ジュウ」は、そこで迷子の少女に出会う。
幼少期の体験から子供を嫌いになれないジュウは、一緒に親を探すよう提案するが、子供らしいプライドから断わられてしまう。
最低限の勤めとして交番の位置や立ち居振舞いに気を付けるように言い含め、二人は別れることになったのだが・・・。

それから数日、ジュウは「えぐり魔」事件の新たな被害者に、あの日出会った少女の名前が載せられているのを発見してしまう。



今作でも相変わらずステキすぎる主人公振りを発揮するジュウ、相変わらず電波な「雨」に加え、今作では『紅』にて苗字のみ登場する「斬島雪姫(きりしまゆきひめ)」「円堂円(えんどうまどか)」の二人にも着目すべき今作。相変わらずキャラクターを生むことと、生かすのが上手な印象を受けました。原画の山本ヤマト氏の二次元でありながらリアルな可愛らしさのある描き方がいい塩梅です。
特に、前者の雪姫は、第二のヒロインと言ってもいいぐらいに活躍する所謂「ライバルキャラ」的な扱いなので、『電波的な彼女』では側面に追いやられがちな惚れた腫れたの和やかな部分での「ハリ」が出来たのは読み手としてうれしいですね。若干登場シーン付近で主人公にグネグネ絡んでいるのがマイナスポイントですが。
(裏十三家、「堕花」「斬島」「円堂」が友達で登場、という時点で、『紅』から読み始めた私としては戦々恐々としてそれどころではなかったんですが)


物語に関しては、そこは売れるだけあるプロの作家、片山憲太郎。
今作のキモである。「犯人逮捕は不可能」というテーマや文章構造は、この作品を読み手がどう解釈しているかによって見え方を変えますが、概ね的を射ていて、読者の八割は事件の真相に驚くのではないかと思います。30人にも及ぶ被害者がいながら目撃証言が一切無い、まさに尻尾の毛一本さえ見せない「犯人」とは誰なのか。
明かされる事件の真相は素直に凄いと思います。脱帽の発想力でした。今作は「読み物」としては非常に面白かったです。少なくとも私が今まで読んだ本の中では稀有な部類の結末だと思いました。


ただ、やはりそこは「またまた」片山憲太郎。
世界に渦巻く悪しき輩は今日も血を血であがなう残虐非道(意味不明)。
前作が、まだ納得できる結末だと思えてしまうほど、今回の物語はエグいです。「えぐり魔」だけに読者の心まで深く抉られます。
誰が犯人なのか、どういう風に犯行に及んだのか、そんなことを考えていられる前、中半が天国とさえ思える後半の展開には、あらゆる意味で涙が零れそうになりました。残虐な描写や、精神的に重荷を背負わせられる文章が苦手な人は読まないほうが身のためでしょう。さすがに『隣の家の少女』ほどではありませんが。(終盤の「えぐってやるよ」の一言には鳥肌立ちましたが)
特に子供が悲惨な目に合わせられるという、万人が受け入れ難い軸が今作にはあるので、それを指して「面白い本だった」という感想を持っていいものか、ということで、あくまで感情とは別に「読み物」として面白い、という感想に終始させてもらいたいと思います。


【総評】


全体的なギャグと会話センスは前作同様高次元に纏まっていて好印象。読み手を驚かせてやるぞ、という意気込みが感じられる野心的な話の構成も実に素晴らしいと思います。
しかし、『電波的な彼女』というか、片山憲太郎の作品特有というか、とにかく全体的にどこか末世的な負の世界観が相変わらず蔓延っていて、そこは読み手を選ぶように感じた欠点は前作と変わっていません。
特に今回は、幼児の目玉を抉って解放するという通称「えぐり魔」が本題ということもあって、最後の最後までスッキリ爽快!という気分からは、前作以上か同等程度にかけ離れた構成になっていて、読後感はかなり悪いです。


ただ悪いと言っても、ひたすら不愉快な「悪い」ではなく、最低限の救いはあるけれども絶対に幸せではない「苦味」と言い換えられるもので、その「苦味」や「エグみ」をあえてじっくり味わうことが出来る人ならば、本書の魅力というものを垣間見ることが出来るかもしれません。



「暗いの、やだな」

この台詞を読んで、私は久々に涙が出そうになりました。



読了お疲れ様でした。

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