espliaのちょっとだけ時代遅れ。

生むは雑感、生きるは過去、ちょっと遅れた感想中心ブログ。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
*
スポンサー広告 ○ Trackback:- ● Comment:-○

境界線上のホライゾンⅢ(上・中統合)感想



 アンヌかわいいよアンヌ。

 というわけで、更新明け一発目に川上稔著『境界線上のホライゾンⅢ』についての感想を書いていきたいと思います。


 構成は既読者向けのストーリー感想のみです。
 なぜならご存知の人はご存知の通り、この小説は膨大な情報や伏線、キャラクターによって描かれた作品で、例え感想であろうとも、「少なくとも一読程度はした」という人にしかわからない構造になってしまい、以前書いた感想『境界線上のホライゾンⅠ』(上下)感想同様、既読者にしか理解出来ないだろう、という前提にどうしてもなってしまうためです。
 その点の注意を宜しくお願いします。当然ネタバレもすさまじい具合。



 以下、感想。



 分厚い分厚い上巻、中巻(両者とも700P越え)と来て、下巻の分厚さに期待のかかる、今回の『六護式仏蘭西編』、『境界線上のホライゾンⅢ』、読破いたしました。
 長く連載を続けていても、毎度食わせ物の川上節は健在ですね。


 上手に練り上げたプロットの上を、時にねっちり、カオス級のギャグと濃いメンツを使って上手に物語を作り上げていく手腕はまさにプロ。そんじょそこらのハードカバー小説相手になら真正面から喧嘩を売れる情報量とエンターテイメント性は筆舌に尽くし難い出来ではないでしょうか。


 当然、ネット検索を掛ければどこの感想ブログでも良い評価をほしいままにするであろう本作。
 しかし当ブログでは前回同様、良い出来であるということを前提に『気に食わなかった』部分を主として以下部分部分で感想を書いていきたいと思います。


 まず気になったのはキャラクターで、主に武蔵の総長連合ですね。
 『境界線上のホライゾン』本編でも「鬼畜」だの「悪魔」だの「身内に厳しい」だの言われている面々ですが、今回はその行動や言動が目に余りました
 
 特に、葵の姉弟はそのキャラクター性がぶれているだけでなく、自ら読者に対する評価を下げに言っているようにさえ見えるのが現状です。


 馬鹿キャラ、能天気エロゲーマニアとしての属性を持っているご存知主人公の「トーリ」。
 一巻の教皇との相対などから場を和ませる役割などを持つ、難解な交渉などを綴る本文での清涼剤としての側面が強かった彼が、清武田の総長兼生徒会長である「源・九郎・義経」に説教かますところなどはその最たるものでしょう。
 
 仮にも女性の頭にイチモツ乗っけて怒らせ、よくわからない独自の論をベラベラ捲くし立て、揚げ足を取った挙句、過去の可哀相な自分と「俺はガキで馬鹿だから、論拠なんかねぇぜ」という無能を逃げとした準備で相手の反論を封殺する。
 正直、こういった手法(話法)は少し卑怯で小賢しいすぎやしませんかね

 年長者を無条件で敬えとは流石に言いませんけど、敵対していた教皇総長と全く同じ態度でタメ口、挙句オメエ呼ばわり、ガキ扱いというのは今後助力してくれる相手に対して、あまりに不義理なのではないでしょうか。

 前作『終わりのクロニクル』シリーズの主人公である佐山が、少なくとも協力者に対しては敬意を持って接していた(出雲なんかの友人は別ですけれど)所と比較してしまうと、どうにも見劣りします。
 一巻で見せた愛すべき馬鹿から、見ていて不快な「小賢しい馬鹿」への退化したと言えるでしょう。(同様にホライゾンも、「人間未満の自分」という逃げ手を使って傍若無人にやっているのも問題ですが)

 姉である喜美も又、所謂「イイオンナ論理」に辟易します。
 
 どんな女性も自分以下で、自分が最上級のイイオンナ。
 これが至上命題として言論の端々に見え隠れしている彼女の言動はまさに「傲慢」の一言でしょう。(具体的にはⅢ本編での「人狼女王」や「マルガ・ナルゼ」、「毛利輝元」などに対しての言動を参照)

 正直、男性主体のライトノベルにおいて、どのヒロインにも愛着が持たれることが前提であるにも関わらず、他人に対して、どこかどうこう美しくないのか、気高くないのか、理論なのか屁理屈なのかよくわからない持論を展開して、貶している所はかなり不快でしたね。(人狼女王の気高さや母性や気品なんかの持論も読んでいて苦痛でしたが、まだ客観的な観測が入っているので許せる範囲内でしょう)

 上記に綴ったトーリへの不満のように、ただ一方的に傲慢だったなら、まだ「そういうキャラクターなのか」と納得も出来ますが、地の分やセリフで論理的に説明しようとしている所(二巻の英国での祭りなど)が逆に近寄り難さを与えてしまっているように思います。
 原作の喜美がこの文章を見たなら

 「フフフ・・・! こんなイイオンナの魅力に気付かないなんて、激情けない男・・・!」

 とか言われそうで失笑モノですが


 まとめて断じれば、何よりこの葵姉弟の振る舞いが不自然なまでに容認されすぎている点が大きな問題で、「あのトーリ(喜美)だし」という諦めというよりは、むしろ「葵姉弟絶対主義体制」でもとっているかのような盲目的なものに見え、武蔵の総長連合そのものの指向性に疑問が出て来てしまうように感じました。

 加えて、武蔵同士は仲悪くじゃれ合っているつもりなのかもしれませんが、チャットでかならず暴言吐いたり、貶したりする(主に点蔵の「名前が思い出せないネタ」)のも、他の教導院(例えば三征西班牙や英国、六護式仏蘭西)がなまじ友好的に過ごし、結束力も堅いぶん、こんな奴らに天下取られたくないな、というあるまじき感想を読者自身が抱いてしまうことに繋がりかねないのではないでしょうか。



 武蔵の総長連合に関しては、恐らくプロット上の進行度に応じて結束を高める部分が過去話と共に明らかにされていく(Ⅲでのミトツダイラ、マルゴットとマルガの過去など)形式で展開していくため、後半になるにつれて、結束というものを強く感ぜられる表現法に筆者はしたいのだと思われます。

 しかし、あくまで今見ている読者に対しての配慮というものが少しばかり掛けているように思えてなりません。せめて、会計、会計補佐の言動と、点蔵のみを精神的に嬲る風潮は早急にどうにかするべきだと思います。(書き忘れましたが、三科大の義康相手の言動も揚げ足取りを是としている部分が垣間見えて不快でしたね)

 良くも悪くも、「独善」といった風潮や気風を本編から除いてしまうと川上稔氏が書く小説としての意味や意義がなくなってしまうという点はあるのでしょうが。



 次に、描写の問題。主に戦闘時における、ネッチリとした状況描写が非常に読みづらい点について。

 左手、右手、左側面、右側面、何足で踏み込む、バックハンド、身を折る、身をぶち込む、行く、云々。

 とにかく頭でいちいち描写をしないといけないような錯覚を生み出す、几帳面すぎる描写が正直面倒くさい
 やれ、「だから行った」「突っ走る」、「身をぶち込む」だの、爽快を思って使っている単語が多くありながら、足先に小石を置かれ、躓かせられるかのような違和感が随所に見られました。

 一方で挙動を詳しく説明していながら、時間経過の描写はおざなりなのも特徴的で、かなり行数を読み進めたあとに「あの時弾いた短剣を掴んで攻撃した」というようなネタで勝利するのは正直どうかと思いました。相手が一刀を振りかざす間に、その攻撃の意味と後の行動理由云々について一々考察が入るのも戦闘をつまらなくしています

 又、描かれる戦闘行為に、「しかしそこに相手はいなかった」、「だがその考えは間違っていた」など、否定を繰り返す描写が目につき、意外性を出そうとしていることが意外でもなんでもなくなってしまっている点も着目すべきでしょうか。

 「これで確実に勝てる→しかし相手が一枚上だった→しかしこちらも実はそれを読んでいた→しかし敵もそれを見越していて・・・」

 この展開は正直もう飽きました

 一概に、勝負というのは、「勝つ」か「負ける」か「引き分ける」の結果しかないので、否定表現を用いて意外性を出そうとするのは良い判断だとは思います。
 しかしそれを必要のないところ(例えばⅢのゲーリケとシロジロの土下座対決など)で乱用し、効用と価値を貶めている点は改善されるべきではないでしょうか。



 むしろ今回の人狼女王の昔話(三日三晩×5セット試合)などを見ていると、ギャグを散りばめた恋愛話について書いている方が川上氏には合っているのではないかと思います
 
 特に過去話は良い意味で当り障りの無い文章だったので、むしろ面白おかしく、安心して読めたように思います。

 今後は出来ればこのような素直で中高生にもわかりやすい文章でわかりやすくも奥深い心理面での葛藤を描き、キャラクターを魅せていっていただければ良いのではないでしょうか。


 ※中高生で思い出しましたが、ライトノベルという小学生でも買える(買い易い)小説で乳首モロ出し+官能小説もどきの描写は正直「倫理」の面ではいただけないかなぁ、と。昨今小学生なんかは動じもしない可能性のほうが高いでしょうが(苦)。


 以上、読了お疲れ様でした。(毎度毎度長く、暑苦しい文章で申し訳ない)



 以下、少々追記+雑感。

 Ⅱまでの、espliaお気に入りのキャラクターは、「本多・正純」「マルガ・ナルゼ」「メアリ」「エリザベス」で、Ⅲで新しく「里見・義康」と「アンヌ・ドートリッシュ」がランクイン。


 ・・・金髪巨乳が二人いるが、他は絶壁ばかりじゃないか・・・?

 いやいや、某ロリコンではござらんぞー。
 普通に「鈴」嫌いですしね。「アデーレ」はⅢで株下がりましたし。一応「毛利・輝元」「人狼女王」もキャラ的には好きですが、人妻系はないです。あと「武蔵さん」は好き。やっぱり川上文学なら、侍女服は欠かせません。前作「SF」の熱狂信者ですしねぇ・・・。

 ちなみに男キャラでは、「教皇」と「ガリレオ」、「立花・宗重」、「フェリぺ・セグンド」が好きな一方「トーリ」「ネシンバラ」「シロジロ」のメイン格が死ぬほど受け付けないのはどうしようもなさそうです。

スポンサーサイト
*
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
この記事のトラックバックURL


twitter
ブログに対する掲示板の役割を兼ねておりますので、出来うる限りこちらにも目を通していただけるとありがたいです。

フォローしてくださるお方は「esplia」と検索して頂くと簡単に見つけられると思います。


espliaの生態


esplia

Author:esplia


【読書中小説】
神様のいない日曜日
幕末魔法士
KAGUYA~月の兎の銀の箱舟~
文学少女と死にたがりの道化
中の下!
曲矢さんのエア彼氏


【プレイ中(&予定)ゲーム】
黄昏のシンセミア
elona
グリザイアの果実
はつゆきさくら【済】
穢翼のユースティア【済】


【鑑賞中音楽】
嘆きの音
Dead End
borderland
少年よ我にかえれ
ノルエル
灰色の水曜日


【オススメゲーム】
FLYABLE HEART
永遠のアセリア(なるかな含)
遥かに仰ぎ、麗しの
装甲悪鬼村正
Fate stay night(hollow含)
てのひらを、たいように
月光のカルネヴァーレ
君の名残は静かに揺れて
BALDRシリーズ(戯画)
ひぐらしのなく頃にシリーズ
うみねこのなく頃にシリーズ
東方シリーズ(SLG、文、WS含)
夜明け前より瑠璃色な
CROSS†CHANNEL
リトルバスターズ!
CLANNAD
STEINS;GATE


恒久的に不定期更新ですが、
よろしくお願いします。

週一更新005


当ブログはリンクフリーです。
こちらから打診した場合は了承があるまでリンクには追加いたしません。

ブログ内検索
ブロとも申請フォーム
メールフォーム
相互リンクの申請は、
「ブロとも申請フォーム」
または、
ここにお願いします。

名前:
メール:
件名:
本文:



上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。