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よくわかる現代魔法①new edition、雑感








「魔法使いの世界へようこそ」






スーパーダッシュ文庫刊行、桜坂洋著『よくわかる現代魔法①new edition』についての雑感を今回は綴っていきます。

espliaのあらすじ

道を歩けば3度転ぶ生まれつきのドジ。さらにお子様体系の「こよみ」は魔法使い募集の張り紙を偶然見つけたことから、現代魔法使いの1人である「姉原」に師事する。

目標は、ドジな自分を変えること
しかし魔法が飛び交う世界には、常に奇怪な事件がつきまとうもので・・・・・・。


読み終わった感想は「タイトル詐欺、とまではいかないが難解さが際立つ、いろいろと文句の言いたくなる作品」といったところでしょうか。



この作品の最も悪いところは、「よくわかる」というタイトルでありながらよくわからない。――言葉を変えれば知識のない人物に理解させる気がないように見えてしまうことが特筆してあげられます。

世界を『レイヤー』と言い換えたり、『アセンブラ』『ダンプリスト』などなど、私を含めてプログラミングの「プ」の字も知らない人では想像できない造語が多く、各章に単語の説明はあってもパソコン用語と魔術用語での意味の乖離が甚だしいことや理解したことを前提として本編がサクサク進んでしまうなど、とにかく優しさが足りません。



恐らくは内容への理解を深める一手段として、読み手の同じ知識量しか持たない「こよみ」というキャラクターを用意したであろうことは推して考えられるものの、読者と同じ魔術用語に全く精通していなかった彼女が後半になって突如覚醒し、

全てを理解しました

といきなり賢者モードになってしまうのはどう考えても誤用です。

それはA、B、C、とアルファベットから意味を理解し始めた幼子がいきなり英文法について言及を始めるのと同じレベルの異質さがある以上に、読者のおいてけぼり感、牽いては開いた本を閉じたくなる衝動を助長したことは容易に想像ができます。


合間にたゆまぬ努力やら、効率的な勉強法を見つけただとか、現時的な習得過程があるならまだしも、「コードを体感したのでわかった」という体感的側面からの理由付けがなされても、こちらとしては腑に落ちないばかり

トンデモ理論でいいんです。せめて何らかの具体例を示すなり、ライトノベルの強みである「イラスト」で視覚的な説明を挟むなり、彼らの言う「魔法」がパソコンのプログラムを超え、画面の外にどうやって影響を及ぼしているのかを細かく説明して欲しいというのが本音ですね。


恐らくは生体電気によって肉体から『魔法』を生み出し、異世界から力を行使する『魔法使い』がいる、という前提があり。
肉体から魔術を生む術が失われた現代において、肉体の変わりに低出力の魔術を安定して生み出せるパソコンを使うことを思いついた、という作中の地盤があるのだと思われますが、本編のみでこういった認識を絵面として思い起こせる人は希でしょう。

魔法という不確かなものがそもそも論理として飲み下せないのに、難解な語句(本来の用語との意味の乖離も甚だしい)を用いて魔法を生み出す過程ばかり説明するのでは、映像的な面白さも迫力もなく、退屈と評さざるを得ません。

電源の入っていない携帯電話にも魔法を掛けたり、理解もままならぬまま応用に突入するのも実にナンセンス



今作の『敵役』たる人物の描写が著しく少なく、登場シーンにインパクトがないこと。また結局世界をどういった理屈で世界を荒らそうとしたのかがわからないこと、などから、黒幕に立ち向かっていく主人公たちという王道展開としても弱く。アクション要素、推理要素の薄さ手伝った非常に平坦な作風はやはり人を選びます。


話の筋道として、過去の『クリスマスショッパー』事件から今回の事件に繋がっていく道程は面白いですし、そこに一般人代表の「こよみ」が関わってくるのもライトノベルらしい王道的な展開と言えるでしょう。

しかし「クリス」の存在から派生する第三者視点での行動、パソコン教室での事件、姉原の行動。様々な思惑と視点が入り乱れることで、主人公たる「こよみ」が中心軸にいられなくなってしまうのでは、そもそも意味がありません。



小難い理論抜きに人間ドラマや「こよみ」の成長物語で楽しもうにも、総合的に見れば話の中核にいるのは謎多き女「姉原美鎖」だた1人。「クリス」は生い立ちが奇抜故に想像し難く、直接的な心情描写、バックボーンが薄いので感情移入が難しいですし、上述のことから「こよみ」の影も薄いという悲惨な状況で、感動できるできない以前に間口の狭さが際立ちますね。


シリーズものの1巻なのですから、世界観の幅もキャラクターの数も必要最低限に絞り、全ての要素に「こよみ」を関わらせていくのがシンプルで良いの思われます。主人公は主人公らしく!

物語の導き手として「姉原」がいるならば「クリス」は不要。説明役も兼任できるでしょう。「聡史郎」というもはや何のために存在するかもわからないキャラも削除。削った分に黒幕の主張や「こよみ」の習熟過程をキッチリ挟めば、いっそうメリハリのきいた物語になったかもしれません。

魔法に関しても、既に用意されたものを事後で簡略説明するのではなく、一連の流れをしっかり説明した上で「絵」や「映像」として読者が想像できるレベルにまで噛み砕ことも必要でしょう。偉そうにいえた義理でもありませんが、様々な点に課題の見えてくる完璧とは言い難い作品でした。







気になった方は上記をしっかり留意した上で購入を検討してください。

しかしnew editionでありながらほとんど構成が変わっていないというのがなんとも・・・・・・。

















読了お疲れ様でした。

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○2012/02/26○
よくわかるC言語とかようわからんし。これ読んでないから分からないけど中二表現がマズイという事かな?

すんなり受け入れられる文章にするのは難しいねえ。

[ 編集 ]
○2012/02/27○
おお・・・これはえらく懐かしい作品だ・・・。
アニメ観て一巻だけは買ったんですがまだ続いてたんですね!なかなか評価が難しいところみたいですね、どうしようかな
[ 編集 ]
○2012/02/27○
わたしがこの作品を知ったのはアニメ化してからのことでした。
そしてアニメを視聴・・・・・・

結論を言うと、私には合いませんでした。
「よくわからなかった」です
[ 編集 ]
○2012/02/27○
> よくわかるC言語とかようわからんし。これ読んでないから分からないけど中二表現がマズイという事かな?

中二成分とはちょっと違うけど、現実に存在するパソコン用語とシナジーさせた単語が乱用され。その単語の意味を理解できなくても、理解できたこと前提で話が進んでしまう、っていう「唯我独尊」ぶりがちょっと優しくないかなぁ、と。

せっかく読んでる人と同じ「魔法ってなんぞ~?」って無知な主人公がいるのに、後半で勝手に悟りを開いちゃうから、とりあえず同時進行で内容を把握しようとすると物語を楽しめないのもアカンね。

> すんなり受け入れられる文章にするのは難しいねえ。

それは思う。誇張抜きに、あらゆる文字書きが望むのが読みやすく、受け入れられる文章なんだと思いますな。
今作に関しては、編集さんがちょっと修正を要請すれば解決する度合いなのであえて酷評しましたけど、完璧完全な意味で万人に受け入れられる小説っていうのはやっぱり無理ですよねー。

人のことばっか言ってないで自分も頑張ろうと思います・・・・・・。
[ 編集 ]
○2012/02/27○
お久しぶりです。コメント有難うございます!

> おお・・・これはえらく懐かしい作品だ・・・。

感想を書くのは基本的に全盛期を過ぎた頃、というわけでブログのタイトルが「ちょっとだけ時代遅れ」だったり・・・・・・。まぁ「ちょっと」かどうかは疑問の余地が残りますけどね(爆)。

> アニメ観て一巻だけは買ったんですがまだ続いてたんですね!なかなか評価が難しいところみたいですね、どうしようかな

私も読んだのは1巻だけですよ。ただシリーズものの1巻なのに、いろんな要素に手を出し、事件性をアピールしすぎたせいで、よくわかる筈の魔法解説、主人公の動向が薄くなってしまったのがもったいなかったですね。

アニメの場合、文章では視覚的に認識できない一連の流れを映像として明確に表現できるので、アニメから入り、小説に続くほうが無理なく世界観を味わえるのかもしれません。

メディア派生作品としては漫画もありますので、小説なんて読んでられねー!って場合はそちらもいいかもしれません。うーん、第二巻に期待です。
[ 編集 ]
○2012/02/27○
> わたしがこの作品を知ったのはアニメ化してからのことでした。

やはりアニメ化から作品に興味をもった人が多かったようですね。表紙画像を探すのにネットを巡回していたら、小説感想よりもアニメ感想の大半が上位に食い込んでいました。


> そしてアニメを視聴・・・・・・
> 結論を言うと、私には合いませんでした。
> 「よくわからなかった」です

まさに私も同じ状態になりましたね。

主人公がせっかく自分と同じ「知識0」の同類だと思っていたのに、あるときを境に一気にレベルが上がってポカーン・・・・・・。レベルアップに必要な経験値を目に見えて習得したわけでもないのに・・・・・・。

こよみが主人公として安定する前にコロコロ視点が変わってしまうことも多くて、納得する前にポンポン前に進んでしまう作風が個人的にはなんだかなぁ、というところです。

記事では書きませんでしたが、女性主人公ということもあって、血生臭さや熱血的なイメージとも無縁だったのも嫌悪感をもってしまった理由の一つになるかもしれませんね。

うーむ「よくわからない現代魔法」です。
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