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リリアとトレイズ①【そして二人は旅行に行った〈上〉】、雑感








”何か得るものがある”とか言いたいんだろ?


いいえ。もし生まれ出なかったとしても、それは私達の責任じゃありませんから。ご了承ください







電撃文庫刊行、時雨沢恵一著『リリアとトレイズ①【そして二人は旅行に言った】〈上〉』についての雑感を今回は綴っていきます。

espliaのあらすじ

軍人の母「アリソン」と今は亡き父「ヴィル」の娘、――「リリア」は今年で15歳になる。
ある日、幼馴染「トレイズ」が夏休みを期に遊びに来たことを契機に、二人は有名観光地である「ラーチカ」へ旅行することに。

常にトラブルと共に生きてきた両親の血を受け継いだ「リリア」に当然安息が齎されるわけもなく・・・・・・。


読み終わった感想は「今作だけでは判断をしようがないほど盛り上がる場面がなく、描写に見るべき点があっても、ノベルとしての面白みは薄い作品だった」といったところでしょうか。



サブタイトルに「上巻」とあることから想像するとおり、今回の旅の騒動について、この1巻のみでは事件は全く解決しないことを明言しなくてはなりません。

プロット的に見ても、今作は「純粋な前編」としての機能を忠実に確立しており、例えば「ド派手なアクション」だとか「濃厚な人間ドラマ」だとか、ライトノベルらしい”ヤマ場”は皆無。一部陰謀の臭いが漂うシーンを抜かし、終始キナ臭さばかりが強調されるので、爽快感とも無縁といえるでしょう。

もともと時雨沢さんの作品は、ことさらアクションや恋愛に主眼を置いているものではありませんでしたが、今作に関しては肝心な陰謀の中核が隠れてしまっている分、よりいっそう物足りなさが強調されているように思えてしまいます。

律儀に〈上〉とサブタイトルに銘が打たれているので、完結と思いきや未完だった、という類の不快感を覚えることはありませんでしたが、今シリーズの前身にあたる『アリソン』シリーズの3巻、4巻が非常に少ないページ数でありながら上下巻に別けられていたことを考えると、「二冊で一つの物語を用意する癖」、もしくは「編集側の悪しき思惑」を想像してしまいたくなる衝動を禁じ得ません。

今巻にしてみれば十分なページ数がありますので、妥協を挟まなかった結果としての二冊完結と好意的に見ることもできませんが、なるべく一冊で完結させたほうがメリハリがつくことを考えると、この傾向をどう評するべきかの判断はつきませんね。



優良な点としては、相変わらずキャラクターを乗せる舞台。とりわけ「街」についての描写は綿密かつ濃厚で、RPGでよくある「外観ありき」の綺麗さだけではない、立体的なイメージを抱くことができます。

今回の舞台”ラーチカ”が抱える、観光業を生業としながらも客足のもどらない現状に対する町人の苦しみ、それを如実に表した閑散とした土産物屋の描写などがそれに当たるでしょうか。シーズン外れの伊豆や寂れた温泉街が思い浮かびますね。


主人公の二人、「リリア」と「トレイズ」の”仲は良くないが気安い関係”というアンバランスさ、また列車内でのチグハグな会話など人間関係の描き方も群を抜いて達者で、「トレイズ」の思惑のハズレっぷり、普段は豪気ながらも後半には精神的なモロさを見せる「リリア」などなど、活き活きとした人物像は物語への没入感をさらに助長させます。

些細な言葉、行動を使ってのさりげないギャグも顕在で、「ああ自分は時雨沢恵一の本を読んでいるんだ」と実感できる独特の雰囲気は相変わらず。


一部、「リリア」が前作の「アリソン」と違って辛辣かつ我侭だったり、「トレイズ」のバックボーンが語られないため感情移入がしにくかったり、部分部分で「しっくりこない」感覚があることについて苦言を呈したくなる部分もありましたが、前作とは違った展開を生むための苦汁と思えば飲み込める度合いでしょう。今後二人がどういった関係に発展していくのかを予想するのも面白そうです。

それでももう少し「リリア」が温和だったらなぁ、とは思わなくもありませんけどね。


前シリーズで「アリソン」と「ヴィル」が飛行機事故の折、西側の老女に一宿一飯の恩義を受けるというシーンの対比が本作の中盤に盛り込まれていたり、二人の主人公のほかに「アリソン」を筆頭とした大人グループの思惑がもう1つの軸として機能していたり、前作の読んでいれば尚楽しめるという塩梅がシリーズ愛好者にはうれしい限り。

ただ、読んでいない人にはどう捉えてよいのか戸惑う場面も少なからず散見され、1ファンとしては甲乙つけがたい悩ましい場面もありました。



今作はあくまで「上」「下」揃って、はじめて一貫した物語となります。何度も言うように今作だけの評価は著しく困難です。
しかし”ラーチカ”で起こるきな臭い騒動、「リリア」と「トレイズ」の人間関係が今後どうなっていくのかを考える楽しみ。それら上巻で積み上げたものを下巻の顛末のいかな発射台とするかに筆者の技量が掛かっていることを思えば、今作は起爆剤としての役割は果たしているのかもしれません。

これからの発展に期待大
むしろこれで下巻が失速したらパパ問答無用で酷評しちゃうぞ~。





気になった方は上記の留意点に注意し、よろしければ上下揃っての購入を視野にいれてください。











読了お疲れ様でした。


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○2012/02/21○
アリソンが第一期でこれが第二期。前作読んでればバレバレな謎ばっかりだろうとは思う。リリアの母親の恋人とかトレイズの正体とかね。

SS前回掲載したのいつだったかねえ?レベルで左上見るまで忘れてた。体調はくずさない範囲でキリキリ書けばいいと思うよ。
[ 編集 ]
○2012/02/22○
時雨沢さんの作品は「アリソン」、「りリアとトレイズ」そして「メグとセロン」の三作品は図書館に全部あり、借りて読みました。

どれも面白かったです。

espliaさんも読んでみてほしいです~
[ 編集 ]
○2012/02/24○
返信遅れて申し訳ない。

> アリソンが第一期でこれが第二期。前作読んでればバレバレな謎ばっかりだろうとは思う。リリアの母親の恋人とかトレイズの正体とかね。

もちろん前作読んでる人だと「英雄さん」の正体なんかは簡単にわかると思うんだけど、『リリアとトレイズ』がアリソンの第二期だと知らないで読み始めてしまうと要所要所で描かれる重要なポイントに共感できなくなりそうだなぁ、と。

表紙にしてもタイトルにしても、初見だと独立した物語に見えるので、そのあたりはもう少し配慮があってもよかったかもしれませんな。もちろん間違えて購入したからといって投げ捨てるレベルでもないし、シナリオの大半が意味不明ということもないのですが・・・・・・。

> SS前回掲載したのいつだったかねえ?レベルで左上見るまで忘れてた。体調はくずさない範囲でキリキリ書けばいいと思うよ。

自分もわかんねぇっす(こら)。でもたぶん11月の後半だったような。どのみち呼んでくれていた人たちにも忘れられていることは百も承知なので、前半に簡略あらすじ入れて書き始めました。

3月の前半にでも掲載できれば御の字。遅くても3月中のいつかには仕上げたいなぁ。基本的なあらすじはかなり前から出来上がっているのに、ちょっと新しく気に入った曲ができたりすると歌詞に影響されて、幕間を入れたり、ギャグシーン入れてみたくなったり、本編と全く噛みあわない映像垂れ流したりと右往左往。

そろそろきっちり足場を固めないとどこまでも妄想で流動しそうなので、駄作といえ楔を打っておきたい次第でございます。まぁ気軽に読んでくらはい。
[ 編集 ]
○2012/02/24○
返信送れて申し訳ありませんでした。

> 時雨沢さんの作品は「アリソン」、「りリアとトレイズ」そして「メグとセロン」の三作品は図書館に全部あり、借りて読みました。
> どれも面白かったです。
> espliaさんも読んでみてほしいです~

最近の図書館すごいですね! 今までのコメントでもいくつか「図書館で読んだ」という話はありましたので、そろそろ小難しい本ばかりが並んでいるイメージを払拭しなければいけませんね。

アリソンについては感想で「1」と「2」、趣味で「3」「4」巻を読み終え、今回の『リリアとトレイズ』の第一巻に手を出しました。時雨沢さんは『キノの旅』からの大ファンです。いいですよね! 『学園キノ』に対しては結構ひどいこと書きましたけど、あれはなんというか人それぞれの好みが・・・・・・。

『メグとセロン』に関しては現在完全に無知なので、これから丹念にしゃぶり尽くす余地があるというのは幸福なことです。読み終わり次第感想を書くのでよろしけば一読を。


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