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ファンダ・メンダ・マウス、雑感

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おれはお前を許すよ。
おれは怒っちゃいない。

いろいろ傷ついて、いろいろ取り返しがつかないけど、おれはお前を許す。







このライトノベルがすごい!文庫さん刊行、大間九郎著『ファンダ・メンダ・マウス』についての雑感を今回は綴っていきます。

espliaのあらすじ

横浜の倉庫で警備システム『ヴォルグ2000』管理をしている通称『マウス』は、学生時代に貸しを作った男の嘆願を契機に一人の少女を預かることになった。

しかし父親を殺された少女が願ったのは復讐でも庇護でもなく、「嫁に貰ってほしい」という奇妙なものであった。


読み終わった感想は「特徴的な文体に目が行きがちだが、中身はさほど奇抜でなく、ある種堅実な作品」といったところでしょうか。



まず本作を語るに置いて恐らく100人が100人の目が行く特長的な文体。

これについては、読み始めた頃合に来襲する、一種「勘違いした個性」の臭いに辟易する予測が立てられます。が、一度深く中身を覗けば、物語そのものが奇抜に傾向しているわけでもなく、特段読みにくさを感じる部分もないため、採用の良し悪しはさておき「慣れるもの」であることは間違いなさそうです。


作者曰く、文章の書きかたを熟知していなかったということであり、また選考者が作品の雰囲気に併せているのでは、と勘ぐることもあって、この点を毛嫌いを理由に閲覧を拒否するのはややもったいない印象です。


主人公である「マウス」が作中で詳細を語られるよう、やや偏った宗教観をもっているため、理路整然とした口調や心情が似合わないこともあって、この奇抜な作風はなるべくしてなったように個人的には感じました。



内容については上記にあるように、奇抜さとは大分離れた堅実な運びが見られ、物語の動きで読者を翻弄しつつ主人公を持ち上げていく展開は『乃木坂春香の秘密』他ライトノベルらしい構成に近いです。

ただ、ある種の必然として「意味も無くモテる」というわけではなく、人望を集める理由が「行動」として多く描かれるため説得力があり。また(表面的には)少女にのみ助力するく、いわゆる「フェミニスト」でもないため、倦厭されがちな主人公の役柄としては嫌味の無い地位を確立しているように見えました。



一方、用意された陰謀、横浜を牛耳る二つの勢力、世界最高峰の警備システムなどなどの問題が、結果的には主人公の「株を上げるためだけの土台」としての用意された印象が拭えず、中途までの主目的たる「犯人探し」に深い意味があったのか、という疑問をさすがに禁じ得ません。


「犯人」の思惑によって、少なくとも何人もの人間が不幸(死、または強姦)な境遇になっていることに対する影響についての言及も薄く、「主人公が許したので全て解決!」、というのは作風以前にあってはならない暴挙にさえ感じられます。

因果応報の徹底、とまでは言いませんが、せめて犯した過ちに対する目に見えるリスクというものがなければ、結末の後味が悪くなるばかりなのではないでしょうか。



キャラクターに関しては、「マウス」のネジ一本分緩んだ思想や行動に、それなりの理解が得られれば、主人公としての魅力があるため、物語には問題なく入り込めるでしょう。
序盤ではどうにも「ちぐはぐ」に見える行動に、きちんとした「そうなった経緯」が語られるので、キャラクターを理解するための掘り下げも十分です。

ヒロインらに対し、「頭もお股もゆるゆる」、「ジャリ餓鬼」、「くそったれ」、などと評する、昨今なかなか見られない毒舌は必見



一方で、各ヒロインについては根本的な情報量が不足しており、メインヒロイン(?)たる「佐治まこと」「ネーネ(主人公の姉、本名不詳)」は中でも群を抜いて心情描写が薄く、前者についてはいきなり「嫁にもらってくれ」という発言もあるため、話の根底が見えてくる終盤までは、各々の内情がわからず首を傾げることが多くなります。

見ず知らずの相手に好かれる、というのはある種幸せな幻想かもしれませんが、相手が何を考えているのかわからない「薄ら寒さ」はやはり禁じ得ません。

恐らく人格理解のために、と用意されたであろう作中での「掘り下げ」も、その大半の因子が過去に因っているため、作中の「現在」におけるヒロインらの情報不足には大きな貢献を果たしておらず、やや的外れな一面も散見できました。


唯一過去も心情もたっぷり用意されたヒロインが「オカマ」というのも悲しい話で、せめてメインヒロインを限定し、役割に応じた文章量の心情が用意されればもう少し相互理解可能な人間ドラマが描けたのかもしれません。




最後に。
個人的に気になったのは「挿絵」についてで、最後まで登場人物とイラストの人物をリンクさせる文章がないため、実は表紙に描かれた二人の女性が誰であるのか不明です。

ちびで釣り目、という容姿。かつメインヒロイン扱いなので、ショートカットの方が「佐治まこと」。隣の妖艶美女の該当者が「ネーネ」しかいないので「ネーネ」。ともちろん推測はできますが、本編の口調からこのイラストをおこしたとはどうにも思えず(特に後者)、挿絵が用意される意義があるのか疑問が残ります。

せめて作中で最も面白い動きをみせてくれる「くそったれ」こと『ヴォルグ2000』の容姿は是非イラストで拝みたかったですね。





気になった方は上記に留意しつつ購入を検討していただければ幸いです。









読了お疲れ様でした。




追記:
久々の小説感想で嫌になるくらい筆が進みませんでした。誤字多め、なんか文章が変なのはご愛嬌。

調べてみると2巻が出ているようで、1巻でしっかり完結されていたわけではないようです。雑感に書いた「犯人のリスク」についても追記があるかもしれませんので、あくまで1巻のみの感想として捉えていただければありがたいです。
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