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スイーツ!、雑感








触れ合うことで伝わる思いは、間違いなくそこにあった。






スーパーダッシュ文庫さん刊行、しなな泰之著『スイーツ!』についての雑感を今回は綴っていきます。

Espliaのあらすじ

夏休み。叔父の家に泊まりに来ていた木村章輔(きむらしょうすけ)は、神社の狛犬が爆発するという珍妙な出来事を経て、思春期女子にだけ宿る超能力『スイーツ』をめぐる大事件に巻き込まれることになる。


読み終わった感想は「悪い意味での怒涛の展開を見せ、読者の納得を二の次に置いているような印象を受ける作品」といったところでしょうか。



やはり今作で気になったのは、この作品の前に本当の「第1巻」があるのではないかと思われるほどに連続する状況が非常に突拍子の無いものである、ということにつきます。


それは、突如狛犬から出現した、全く面識のない少女に請われて未曾有の死地に主人公が身を躍らせる理由が「必要とされたから」という、動機を無視したよくわからない思惑であったり、数十ページ前に登場したキャラクターのためになぜか血みどろになって闘ってみたりと、「演出上そうせざるを得ない」行為を自然な成り行きで読ませることを放棄したかのような場面を、あちらこちらに見ることが出来ます。


悲運を背負った少女たちが血反吐を吐きながら繰り広げる死闘、のはずがいきなり「いやらしい妄想、全開――!」と場違いにふざけたセリフを入れることでシリアスとギャグの調律を放棄すること然り、絶対に危険はない、と言った舌の根も乾かない内に敵対組織が命を狙ってきたりと、派手さだけを重視した読み手を辟易とさせる仕掛けに満ちた本編はお世辞にも、一貫性のある作品とは呼べません



また今作において、作中の時間は凡そで2日も立っていないにも関わらず(事件そのものは1日)、初見の相手(ヒロイン他)との恋愛劇、異能力者のバトル、ヒロインらの壮絶な過去、主人公を中心としたギャグなどなど、所狭しと見所を詰め込んだ結果、どれも筆者の思いつき程度の深さにしか思えない非常に薄っぺらな芸風に見えてしまったのは、重大な失点の1つであることは明確です。


個人的には主人公の妄想ギャグが好きだったわけですが、恋愛劇、バトル、悲劇、という三要素と繋げるには「最も必要のない要素」で、転じれば結局のところ「導入部分しか面白くなかった」という評価を逆算できてしまったことに、驚きながらもどこか納得をしてしまいました。




キャラクターに関しては、主人公を筆頭にとかく行動理由が感情論に因るが多く、共に行動した期間は作中では十数時間ということもあって、言葉の掛け合いに含まれた年月の重みや、過去の経験と現在の行動を対比しての思想の深みが感じられず

ヒロインらにしても各々の内情が序盤ではほとんど語られないことで、主人公を好いていく過程に綿密な描写が用意されることがなく、外見と内面の良さが理解できても、それがどうしてたった一人の男に向かうのかが説明し辛いため、良く言えば「直感的恋愛」、悪く言えば「つり橋効果による行き当たりばったり」にしか思えないことは、恋愛に比重を置いたストーリーにとって大きな痛手であることは言うまでもありません。




ストーリーに関しては、整合性の問題を無視しても世界観、また状況説明が不足し、


1、思春期女子ならば当り前に発祥する『スイーツ』の存在を、その世界で十数年を生きてるはずの主人公が知らないという不可解さ。

2、『恋愛守護局』と『防衛省特務7課』が対立し、互いの職員を殺し合うほどの動機が明かされていないこと。


の二つが明示されていないことで、全体的な動機の不足による浮き足立ちの感が否めず、上記した、主人公らの掘り下げ不足と合わせ、「狛犬が爆発する」「血みどろバトルで主人公がおちゃらける」「ヒロインの身体的特徴は過去の悲劇からくる」という筆者の思いついた単発のイベントを、「とりあえず違和感がないよう繋げたようにしか思えません


重大なイベントを用意してそこから物語の全体を作り上げていく手法そのものには問題はありませんし、やり易さという意味では共感もしますが、せめてその「ツギハギを見せまいとする努力が欲しいところでした。



ちなみにタイトルは、ネットスラングとしての「スイーツ(笑)」とは全く関係ありません

あえて恋愛の甘やかさを謳ったものとして捉えれば、整合性は薄くとも、恋愛物語として後味が悪くないことには好感が持てますかね。

砂糖たっぷりな分突付くと崩れる諸さが気になりますが、そこも「甘い」ということで。



部分部分のクオリティが高かっただけに、全体的な突拍子のなさが残念でした。







気になった方は上記に留意しつつ、購入を検討していただければ幸いです。














読了お疲れ様でした。

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○2011/11/25○
ガッシボカなスイーツ(笑)じゃないだと?

あらすじから漂う地雷臭でスルーした一冊だけどあっちのスイーツだと思ってた。

わずかな設定の矛盾なら無視出来るけど、いったん設定の矛盾が気になりだすと話自体が楽しめなくなるよね。
[ 編集 ]
○2011/11/27○
> ガッシボカなスイーツ(笑)じゃないだと?
> あらすじから漂う地雷臭でスルーした一冊だけどあっちのスイーツだと思ってた。

実はわたしもスイーツ(笑)だとばっかり思ってたんで、物語とは別のところで何故か感動。
筆者はあんまりネットに詳しくないのか、惜しみなくスイーツスイーツ言ってるんで、逆に連発されると不安になりますん。恋愛守護局は恥ずかしくて「ガーディアン」がおkなのも理解に苦しむ。

あらすじは言うまでもなく「意外性」ばかりが目に付いて、内容の整合性やら必要性やらには接触してませんね。狛犬から少女出てくるのは普通、とか言ってますけど、もちろんそんなことはなかった。


> わずかな設定の矛盾なら無視出来るけど、いったん設定の矛盾が気になりだすと話自体が楽しめなくなるよね。

まったくその通り。
憶測やら好意的解釈でカバーできるならまだしも、それが出来ないほど突飛な状況を物語の下地にされると感情移入は出来ませんなぁ。今作は全体的に説明不足で、キャラクターのほとんどが主人公と親しい関係にない、理解を深める作中の期間もない、というのであまりにも解釈の幅がありませんしね。

この人のギャグセンスは好きなんですけど、それとシリアスを合一させられるセンスにはあまり期待できなさそうです。
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