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狂乱家族日記【弐冊目】、雑感








巡りあわせに感謝するが良いぞ、父君。






ファミ通文庫さん刊行、日日日著『狂乱家族日記【弐冊目】』についての雑感を今回は綴っていきます。

Espliaのあらすじ

破壊神の因子を持つ子供達を集めた乱崎一家は、新たに「千花」(ちか)を迎え、平穏な日々を享受していた。
しかしそんな退屈な日常に妻「凶華」が満足するわけもなく、「新婚旅行」という名の波乱が再び吹き付けることに。


読み終わった感想は「筆者の描きたい感動の形が、うまく読者に伝わっていない作品」といったところでしょうか。



様々な事情を持つ家族を纏め上げる、という前作の根幹と違い、今回のテーマは「新婚旅行」という比較的軽いもので、序々盤から中盤に差し掛かるまでの流れはひたすら「能天気」さ「破天荒」さに比重が傾けられています。

しかし後半は二人の人間の「人生観」というとてつもなく重い要素が封入されたことで物語が徐々に暗澹とながらも、転換点となる家族の誘拐が突発的なものであることを含め、序盤の明るさと後半の暗さがうまく融和されておらず、一見すると道化として用意された滑稽なキャラクターを悲劇の人物として前触れ無く落とし込むなど、どこか個別に「浮いた」印象を受けました。


虐げられた人生の果て、絶望しながら絶命するという「死」をもって読者に感銘を与えようとする試みは、やはり読者との共感性や、その死生観を想像するに足る情報を伴って初めて機能するものであって、今作のように「道化の印象」が抜けきらいないうちに用いてしまったことは、時期尚早というほかないでしょう。

悲劇の死という彩りのあるテーマなだけに、既に用意された文量はある程度度外視してでも、彼の苦悩を更に緻密に描いてもらいたかった、というのが本音ですね。




話の流れそのものは、前作同様、浮上した問題に対して「凶華」が突飛な案で解決するというものに終始します。

が、今回は仕掛けられる側の知性が弄るしく低く、また敵の根城が天空の城というどちらも常識の埒外に存在する不可解なもので、どうしてそんな場所に居を構えているのか、どうしてそんな微妙な生物兵器を作るのかに、などに明確な答えが無く。
全体を通して、「まず思いついた計画」を主軸に、それに見合う舞台を都合よく建設したような作為を感じさせてしまう歯切れの悪いものでしかないのは、痛快をウリとした本作としては大きな痛手と言えるでしょう。



終盤の締め方にしても、家族に牙を剥いた「敵」への理不尽ならまだしも、事件の尻拭いを、「じゃあ片付けはお前がやっておけ」とばかり一人の凡人に押し付けて「ハッピーエンド!」というのは、当人が言わされているセリフとは別に、いささか度し難いものがあります。

破天荒が目に付くのは作風としても、理不尽に他人を巻き込み不快感を与えることの説明にはなり得ません。



キャラクターに関しては、新規参入した「千花」が別段活躍らしい活躍をしないことに落胆を覚える以外は特段に変化はなく、良くも悪くも前作同様、といったところでしょうか。代わり映えの無さは安定感にも直結しますが、辛辣な言い回しに独特の口調(キャラクターの差別化)をもった面々は、既に前巻で嫌悪を覚えた人には厳しいものであります。




全体の印象をちぐはぐにさせている温床は、やはり登場人物への掘り下げの少なさと情報不足にあり、例えば「月香」にしたように合間に情報を挟むなり、後半になってようやく理解できる不可解な一節を導入に持ってくるなり、在り来たりながらもセオリーに倣った工夫があれば、もう少し読みやすい作品になったかもしれません。




気になった方は上記の点に留意しつつ、購入を視野に入れていただければ幸いです。















読了お疲れ様でした。


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○2011/11/18○
この作者の特徴は唐突なグロと鬱展開。あと人外いっぱい。

それがいいと思っている読者は別だがイラスト一本釣りの人は引くかも。

主人公側が最強ってのは作者の魅せ方次第で評価が変わるね。主人公の振る舞いが共感出来ないと次は買うのやめようと思うからね。
[ 編集 ]
○2011/11/19○
返信送れて申し訳なぁい!

> この作者の特徴は唐突なグロと鬱展開。あと人外いっぱい。
> それがいいと思っている読者は別だがイラスト一本釣りの人は引くかも。

この人の作品はイラストで目を引くものが確かに多い印象。有名とはいえないけど所謂「パケ買い」派にとっては有る意味大きな地雷なのかもしれませんな。

実は今作の記事を書く前に『魔女の生徒会』という同著者さんの作品を読ませてもらいましたが、感想書くにも値しない駄作ということで、久しぶりに切り捨てちゃいました。またつまらぬものをry

購入した当初は、当たりが集中していたためか、最近は「地雷」認定間近、という所。やっぱりnakoの意見はしっかり聞いておくべきだった。


> 主人公側が最強ってのは作者の魅せ方次第で評価が変わるね。主人公の振る舞いが共感出来ないと次は買うのやめようと思うからね。


下手に力ばっかり突出していると気に入らない展開もゴリ押されてしまうし、共感できないまま「主人公は正義!」と筆者の熱気ばかり当てられても辟易しちゃうよねぇ。

このあたりの温度差は読み手にとってはどうにかして欲しいものなんだろうけど、書き手としては消せない誤差で、中間点に立っている私としては「なるべく主人公の行動に説明をつける」「他者を傷つける際には相応の理由を用意する」あたりを周到にすることで対処するしかない状況。うーん、やっぱりエンターテイメントっていうのは難しいもんです。

昔エロゲーで、謀反を起した家臣達に主人公一派が「無駄なことはやめろ!」と一喝して場を治めるというシーンを見ましたが、謀反を決意させるほど廃らせた国そのものの是非を問うべきなんじゃないかと、悶々することも。
やっぱり主人公=正しいっていうのは書き手の押し付けなんですよね。
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