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死神ナッツと絶交デイズ、雑感








ホローさん、目に見えないものは、存在するか?






MF文庫さん刊行、早矢塚かつや著『死神ナッツと絶交デイズ』についての雑感を今回は綴っていきます。

Esplaのあらすじ

毎夜学校に忍び込んでは自称死神の少女「ウォルナッツ」と歓談を楽しむ主人公「小石川幌右(こいしかわほろう)」は、ある日未来視を持つ少女「嘉島詩夏(かしましいな)」、彼女の親友「星澄夜空(ほしずみよぞら)」と出会うことで究極の選択を強いられることに。

1つ、詩夏を選んで、夜空を見殺す世界。
1つ、夜空を選んで、詩夏を見殺す世界。


読み終わった感想は「圧倒的な情報不足を元に構成された、良くも悪くも雰囲気重視の作品」といったところでしょうか。



上述の総括にあるよう、本作を語る為に必要不可欠な題材は、世界観や次々起こる不可思議な現象についての説明が著しく不足している点にあり、具体例としては、


1、死神を名乗る「ナッツ」の存在理由、そして数多の指針を「幌右」に与えるメリットと目的。

2、「詩夏」、「夜空」のどちらかを選ばなければ消えてしまうという、非常に極小な観測者しか持たない世界の構造。


が最大の要因として列挙されるものと考えられます。


前者に関しては、

「世界から弾かれた死神」と名乗りながらも、人の生死を観測するだけでなく、未来や平行世界についての情報、曰く「未来を選択する力」を贈与する能力まで持ち、言外に高位の知性体であるよう説明されながら、終始「幌右」へ肩入れをする理由や出会いのきっかけが語られないことにより、一読しただけでは「便利な世界観の説明役」としか認識できず。


後者に関しては、

可能性の分岐を放棄しかけた「夜空」に呼応し、世界が消滅しかける描写やその他状況から、「幌右」「詩夏」「夜空」の三者による観測だけが世界を構築していると考えられものの、詩夏の未来視以外には特段特別な力をキャラクターは存在せず、なぜそんな大仰な使命を課せられたのか、という問いに「運」としか説明できないのはさすがに如何なものかと思われます。

説明らしい説明といえば、

「幌右は事故が起こった日の世界の不確定要素」
「不確定要素は箱に空いた穴のようなもの」
「夜空はこの世界の観測限界点」

など(要約)の記述があるものの、煙に巻いた言い回しは非常に迂遠かつ意味不明で、筆者の考える「こそあど」や主張がうまく筆者に伝えられていないようにも感じられました。

こちらも穿った見かたをしてしまえば「二人の内どちらかを選ばなければ大変なことが起きる」という簡易な説明を、過剰な装飾で膨らませたようにしか見えません。


総じてスケールの大きさはあるもののそれは張子のまま、固められるべき物語の地盤が疎かになってしまっているようにも思えます。



キャラクターに関しては、上述の世界観に比例してか、ヒロインの1人である「詩夏」を除くほぼ全員(とりわけ主人公の幌右)に過去や心情への掘り下げが少なく、「夜空」に到っては行動全般が意固地な子供そのもので、早急な行動が要求される危機的状態にありながらマイペースかつ唯我独尊を臭わせる態度には、好ましい以前に、非常に辟易とさせられます。

またヒロイン両名が主人公に行為を抱く過程も、字面として見れば筋が通っているというだけで厚みに欠き、自分を好ましく思ってくれる相手の内1人を切り捨てなければならない、という重要な場面に全く共感できないというのは、本作の主軸そのものへの致命傷と言えるでしょう。



序~中盤にかけて「二者択一」をあそこまでゴリ押して悲壮さをアピールしておきながら、終盤であっけなく前提を突き崩す結末は度し難く。オチそのものが恐らく誰もが序盤で考えるであろう安着なものであることも含め、読了後の驚き、感銘、揃って薄く、結果具体的な感想が「説明不足のよくわからないもの」というだけに留まる悲惨なものとなってしまっているように感じました。



終盤で報われる結末であるのならば、中盤の「どちらかを切り捨てなければならない」という悲壮さを一層強調する必要があり。そのための人物描写さえしっかりとしていれば雰囲気重視の作風であってももう少し万人向けの作品が出来上がったのかもしれませんね。




気になった方は上記に必ず留意し、購入を考えていただければ幸いです。














読了お疲れ様でした。

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○2011/10/16○
自分の記憶を思い返してみてもそんな感じだったな。説明が足りないというか説明されたようでよく考えると説明になってない部分が多い。そして続きなんて無い。

とは言え、作品の雰囲気は好きだったから作者買いを続けていたら出す作品の内容がパロディに走り出し、苦痛になってきたので残念だと思いつつ見限った。
[ 編集 ]
○2011/10/17○
> 自分の記憶を思い返してみてもそんな感じだったな。説明が足りないというか説明されたようでよく考えると説明になってない部分が多い。そして続きなんて無い。

ナッツが女子校生化したので、続編というの無理そうですもんねぇ。

箱に空いた穴だとか、不確定要素だとか、観測限界点だとか、重要な「どこにある何についての説明なのか」が説明されてないので、恐らく筆者の頭の中にあるイメージを出し切れていないのか、そもそも明確な世界観というものがないか、のどちらなのでしょう。

知っているゲームだと主観が入りすぎて時系列やら不思議世界についての言及がまったくない「水月」に似ているかも。良くも悪くも雰囲気重視。


> とは言え、作品の雰囲気は好きだったから作者買いを続けていたら出す作品の内容がパロディに走り出し、苦痛になってきたので残念だと思いつつ見限った。

作品の根幹たる二者択一も、キャラクターの掘り下げが少ないから悲しくはなりきれないんですよねぇ。あざといながらも二人の幼馴染という設定とバックボーンを補完さえうまく行けば大好物なネタでありました。

ループものの体裁もありますから世界観についてやや胡散臭くてもかまわず具体的な説明を用意してくれれば、読者がそれぞれ読了後に考察を重ねる楽しみも生み出せそう。

しかしオリジナル作品にパロディとは、すごい冒険を・・・・・・。
この筆者さん、笑いを取ったりするより独自の世界観で勝負する人のようですから、逸材の溢れたコメディ係累の読み物ではそりゃあ客も寄り付かなくなりますわな。
[ 編集 ]
○2011/10/18○
こういう究極の二択を選択しなければならない物語は、結末がハッピーエンドでも、バッドエンドでも、主人公達が運命に抗うため、「第三の選択肢」を見つけたりするものが多いかと思います。

この作品は読んでいませんが、「第三の可能性」が読者には想像もできないような意外性(?)を持ったものなら、ある程度読書を楽しめるかと思います。

ならば、今回の作品は

>オチそのものが恐らく誰もが序盤で考えるであろう安着なものである

とコメントされているので、あまり期待はできないのでしょうか?

>終盤で報われる結末である

つまり、この作品はハッピーエンドなのですよね?

主人公達の人物描写より、「結末が幸せ」なことが重要視されているのでしょうか?

私はこの本の購入予定はありません。

たとえば、「二人の死ぬ運命を回避させた主人公だが、実は主人公がその運命を引き受けただけだった。

そのことを二人は知らず、楽しい日常を送っていく。いつか運命が主人公を殺しにくるまで。」

みたいなのなら買ったかも。
[ 編集 ]
○2011/10/18○
> この作品は読んでいませんが、「第三の可能性」が読者には想像もできないような意外性(?)を持ったものなら、ある程度読書を楽しめるかと思います。

「どちらかを選べ」といわれれば「どっちらもだ」と答えるのがセオリーな少年漫画と同じく、やはりこの作品も救済を謳った第三の選択肢として、誰もが幸せになるためには~という命題が中盤から与えられることとなりました。

しかし両者を助けようとすれば助けようとするだけ泥沼に陥る様が描かれることでやや悲壮さかつ鬱々とした印象が残りましたね。終盤の展開さえ黙認できれば雰囲気は悪くないように感じました。

> ならば、今回の作品は
> >オチそのものが恐らく誰もが序盤で考えるであろう安着なものである
> とコメントされているので、あまり期待はできないのでしょうか?

第三の選択肢を掴み取る、というのが本作の命題となっていることは上述した通りなのですが、既に「第三の選択肢の存在そのもの」が読者によって予測されている以上、新たな選択肢が発生することそのものが=「斬新さ」には繋がらないことは周知のとおりであります。

また選択肢の内容そのものも、記事で書いたように「誰にでも予想可能な」あるいは「究極的な根性論」を主体としたもので、その展開に到った敬意や理論的な解釈による到達とは一線を画し、よく言えば「明快な」悪く言えば「二番煎じ上、青臭い」行動といえるでしょう。

良し悪しに関しては個人に委ねるにしても、意外性や驚愕、といった観点からすれば及第点以下と言ってよいと思われます。

> >終盤で報われる結末である
> つまり、この作品はハッピーエンドなのですよね?
> 主人公達の人物描写より、「結末が幸せ」なことが重要視されているのでしょうか?

ご明察ですね。
筆者にとって重要なのはハッピーエンドになる、という結果であって、どうハッピーエンドに持っていくかという点にはないようです。また主人公を好いてくれている少女達、という演出もやや困窮気味で、取捨選択の苦しみに悶える展開にやや凄みが足りないのも駆け足気味の弊害といえるかもしれません。

もちろんハッピーエンドになってくれる分には私は全く文句はなかったりします。

> 私はこの本の購入予定はありません。
> たとえば、「二人の死ぬ運命を回避させた主人公だが、実は主人公がその運命を引き受けただけだった。
> そのことを二人は知らず、楽しい日常を送っていく。いつか運命が主人公を殺しにくるまで。」
> みたいなのなら買ったかも。

いいですねぇ、一時の幸運と引き換えに代償を背負う主人公。
もしそんな展開が用意されていたら、個人的には絶賛です。

終始歯ざわりのいい綺麗な物語もいいのですが、やはり醜く足掻ききった末、誰かの犠牲になってでも満足して逝く、そんな儚くも力強い主人公の人生録もたまりません。

死は往々にして「悲劇」の代名詞ではありますが、一方で「感動」の代名詞でもあるわけですしね。
時に火傷するぐらいのスパイスが欲しくなります。
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