espliaのちょっとだけ時代遅れ。

生むは雑感、生きるは過去、ちょっと遅れた感想中心ブログ。

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暗く、深い、夜の泉、雑感









罪を償うって、
自分のしてしまったことに責任を持つことだと思う。







一迅社文庫さん刊行、荻原麻里著『暗く、深い、夜の泉』についての雑感を今回は綴っていきます。

Espliaのあらすじ

事故で実父を失った主人公「佐原佐記子(さはらさきこ)」は、倉宮と名乗る男の好意によって、谷津柱高校へと編入されることになる。
その学校のおおまかな規則は、外部との繋がりを絶つこと。そして

「やっつめの怪談」を調べないこと。



読み終わった感想は「盛り上がる部分がなく、かといって余韻に浸れるわけでもない寂しい作品」といったところでしょうか。




今作でまず気になったのが、あらすじに書いた「やっつめの怪談」、タタリ姫に繋がる噂話を禁ずるという前提にあります。


立ち入り禁止の札がされている工業地区に誰もが入りたがるとまでは申しませんが、それが触れてはいけない「怪談」という架空の存在となれば話は別で、計5つある校則にわざわざ触れられたくない要素についての言及があることは、作中を通して語られる学園の内情を知れば尚のこと、多大な矛盾があるように思われます。



本編中において、佐記子のように怪談の中身に興味を持つことでより進んで調べている人間「ではない」一般生徒にまで影響が及ぶ学園側の統制の甘さが垣間見えるシーンもあり、結果的に内容に即した一文というよりは、「やっつめの怪談」というホラー要素を導入したいだけのキャッチフレーズと化してしまっている印象が拭えませんでしたね。



さて。
本編そのものに関しては、怪談を取り入れたミステリー要素、超能力が存在する地盤、学園に漂う不気味な雰囲気、などなど多分の要素が見られますが、ミステリーと呼ぶには超常現象が幅を利かせすぎており、推理するにはやや無理な前提があるために、うまく融合されていないように見えました。


かといって超能力を扱った動的なバトルシーンがあるわけでもほとんどなく、笑えるシーンがあるわけでも無く、恐怖というよりは陰気な場面描写が連続し、ハッピーなどとは口が裂けてもいえないような結末を含め、盛り上がりに欠ける構成が評価を下げているように感じられました。



一応擁護をするとなれば、最終的に残ったメンバーが今後活躍することを考え、あらゆる意味で雰囲気を味わわせる前座としての一巻だった、と言えなくもありませんが、ページ数そのものがライトノベルとしても薄い部類であり、あと50ページもあれば物語の厚みにも事欠かなかったことを思えばあまり的を射ているとは言い難いのが実情であります。




登場キャラクターに関しては、「恨」のメンバーの2人が非常に薄暗く、静かな作風の中、人間くさい言動と行動を取ってくれたことにより、読者との共感性やヒューマンストーリーとしての面白みが「希薄」とは一線を画す水準にまで上がってはいるものの、肝心の主人公「佐原佐記子」が「殺されても死なない」という描写栄えのする能力を持ちながらもそれが本編においてほとんど発揮せず、そのまま作品に埋もれてしまう締まらない結末には驚きが隠せませんでした。



また彼女は父親の死から学園に転入する新参者ということもあって、自分からグイグイ他者を引っ張っていくようなリーダーシップがあるわけでもなく、面白い言動、共感はせずとも感心できるような理想を持つ事もなく、誰かに恋をするわけでも、友情を育むでもなく、自分のことで頭がいっぱいいっぱいの「等身大の女子校生」に終始し、せっかく読者と同じ情報量を「目線」を持ったキャラクターにも関わらず、怪異に呑まれ、結局何も出来ずに終了というのは、多種多様なライトノベルにおいても異質さを禁じ得ません。


主人公といえば、誰よりも輝く存在。

そんな考えを持つ人には間違いなく薦められない作品であることは間違いないですね。




「死を逃れる強運」という佐記子の能力が存分に発揮し、多分とは言わないまでも少量の笑い、怪異と一線を画すからこそ必要な日常風景を緻密に描写し、推理要素よりもタタリ姫伝承を用いたホラー要素を中心軸に据え、結末をそれなりに救いのあるものに変えれば私的には面白い作品になるよう思います。



良くも悪くも薄気味悪い学園に翻弄される哀れな少女を描くことに注力した作品と言えるかもしれませんので、後味の悪さを含めて涼やかな余韻に浸れる人ならば楽しめるのかもしれませんね。





気になった方は数々の点に留意し、購入していただければ幸いです。
















読了お疲れ様でした。
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○2011/09/12○
始まりから終わりまで平坦だったという感じなのかな?

つまり、設定だけで後は全部変えれば面白くなるって事か。……それ、もう別の作品じゃね?
[ 編集 ]
○2011/09/12○
> 始まりから終わりまで平坦だったという感じなのかな?


さすがにマイナーすぎてコメントなくてもしょうがないかなぁ、と思ってたけどnakoはやはり違った。そこに痺れるry

物語が全体的に盛り上がりの起伏に欠けていて、「あ、ここ盛り上がるポイントなのかな~」というのはわかっても実感ができない印象ですかね。

特に今作は主人公がただの女子校生で、別段秀でた能力も、精神的な魅力というのがなく、ヒロインと呼べるような人間も、親友や友人といった関係すら登場せず、ヒューマンドラマとしてはかなり下の部類かと。


> つまり、設定だけで後は全部変えれば面白くなるって事か。……それ、もう別の作品じゃね?


もう主人公からしてライトノベルという感じなく。はっきりいえば被害者その1みたいなのが全ての元凶。
能力というバトル要素があるにも関わらず登場する最強の平気がただの拳銃というのもなんだかなぁ。

怖がらせるにしても温く、別にスプラッタがあるわけでもなく、ミステリーにしてはファンタジックで、ファンタジーにしては躍動感なく、ホラーとも言い難い、まぁ・・・・・・そんな作品です。目に見えてイライラすることもないんですが、呼んだ後の感想が「こうすれば面白いのになぁ」しか浮かばない時点でいろいろと終わっているのかも。
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