espliaのちょっとだけ時代遅れ。

生むは雑感、生きるは過去、ちょっと遅れた感想中心ブログ。

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アスラクライン、雑感

asurakurainn-01.jpg








幽霊憑きと呼ばれるのが、僕はたぶん嫌じゃなかった。
たとえよくない噂でも、その中では誰も僕と兄貴を比較しようとはしなかったんだ。








電撃文庫さん刊行、三雲岳斗著『アスラクライン』についての雑感を今回は綴っていきます。

Espliaのあらすじ

ごくごく普通の少年「夏目智春(なつめともはる)」は、飛行機事故にあった幼少のみぎりより幼馴染である水無神操緒(みなかみみさお)の幽霊に憑かれていた。

しかし高校の入学式の前日のこと。
黒ずくめの女の来訪により日常は終わり、智春は次々と巻き起こるトラブルへと巻き込まれていくことになる。


読み終わった感想は、「設定の押し付けがましさが鼻についた作品」といったところでしょうか。



まず物語全体を通して“機巧魔神(アスラ・マキーナ)”、“副葬処女(ベリアル・ドール)”や“王立科学狂会(ロイヤル・ダーク・ソサイエティ)”などのような難解な専門用語が跋扈し、物語をややこしくしている一方、それら単語の説明が物語の後半になるまで明かされない不親切な構造が、読者のモチベーションを著しく下げているように感じられます。


主人公自身がト書きで「意味がわからない」と幾度も評していることから、日常から非日常への移行を演出するため、単語の意義を理解させずに物語の推し進めようとする筆者の意図が見えており、「よくわからない」単語を「よくわからない」状況で「よくわからない」人物が語り出す時の疲労は筆舌に尽くし難く、様々な場面で苛立ちを覚えることとなりました。


無論。伏線を含め、物語における「謎」というものは読者を楽しませるために必要不可欠な素材の一つでありますが、伏線そのもの、謎そのものを物語の主軸に据え、理解を得ないまま話を進めてしまうことが、面白さに直結するとはどうしても思えませんね。


悪く言えば、難解な単語に溢れたゲームの説明書とでも申しましょうか。

ゲームを進めていくうちになんとなく理解していくありとあらゆる物事をプレイ前に一気に詰め込めこまれることは、若干の戸惑いと想像がつかないゆえの退屈さが生まれてしまうのは必然であるように思います。(説明書を読む前にまずゲームを始めてしまう人は多いはず



多くの造語を使うこと。それはいかにもライトノベルらしい風潮で、それ自体が決して批判されるものではありませんが、それならばせめてもう少しだ丁寧な説明があっても良かったのではないでしょうか。




登場するキャラクターにしても、上記に引きずられてか思わせぶりな発言をする人物が多く、また心情描写が主人公以外ほとんどないことから、結局何が言いたいのか、何がしたいのかが理解し難く、行動原理を予測できないこと=物語の理解を得るための障害となっているようにも見受けられます。



加えて、ヒロイン候補の「操緒」、「杏」、「奏」を中心に日常や生活観を見出す描写が少なく、人物像を想像する要素が不測していることから魅力が薄く感じられること。

物語の前提として示唆しているにも関わらず日常から非日常へ放り投げられたことへの違和感がないことを含め、総じてヒューマンドラマとしての厚みがないことも残念なポイントだと言えるでしょう。



また前回の記事で書かせていただいた「れでぃ×ばと!」の主人公ほどではありませんが、全世界の危機よりも、共感した美人の悪魔に肩入れしてしまう主人公の思考回路はやや向こう見ずな傾向があり、倫理的な側面で違和感を覚えることがあったのが事実であります。




後半になってようやく難解な単語の意味がわかりはじめたものの、一巻故の情報規制なのか、その構造や論理への言及がほとんど見られず。


主人公が参戦する最初で最後のバトルシーンも勝因が性能差という微妙なもので、それなりに戦い方を熟知した相手(かどうかは定かではありませんが)を小手先に捻ってしまう場面は爽快というより軽薄さが目立ったように思われました。


正直に言えば難解な要素に説明を加えず押し進め、その結実として用意されたシーンのわりには味気がありませんね。




いろいろと文句を重ねましたが。
一巻を終えて尚、大量の謎や伏線が残っていることから『アスラクライン』という物語の本懐にはまだまだ遠いのだろうという推量が出来ます。
なので本作が読みにくさを感じるとはいっても次巻以降への期待値まで損なわれているわけではないことは留意しておくべきでしょう。


世界観の説明としての一巻。そこからの発展としての二巻、三巻と間を空けずに続けて読んでいったほうが、本シリーズをより楽しめるのかもしれません




後半の奇襲、“機巧魔神”同士のバトルは動的な要素に満ちているのため、漫画やアニメなどの別メディアあらためて今作を見直してみると新しい発見がありそうですね。




興味をもった方は上述した点に留意し、ご購入いただければ幸いです。











読了お疲れさまでした。

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○2011/08/14○
esplia先生

お疲れ様です☆

アスラクラインって、ラノベ原作だったんですね!
知らなかった・・・。

>“機巧魔神(アスラ・マキーナ)”、“副葬処女(ベリアル・ドール)”

原作ではこんな表記なんですか。アニメじゃ気が付きません(笑

戦闘シーンなんかも原作はリアルに描写してるんでしょうね。
すごいなぁぁ。

アニメを最終話まで観て、内容を完全に把握できてません☆
だけど、楽しめましたよ♪

最近、先生の辛口評価が何だかご褒美のように感じてきました(笑

失礼します(*- -)(*_ _)ペコ
[ 編集 ]
○2011/08/14○
おお、久々にブログ徘徊していましたがとても読みやすい文章で作品に興味を持つことができました(*´∀`*)
しっかり定期的に更新を続けてらっしゃる事も含めて尊敬です(^^♪
もし見かけたら買ってみますね!
(例の件は有難うございました。手間をかけさせた事を含めて感謝しております、今後ともよろしくお願いします)
[ 編集 ]
○2011/08/15○
アニメを少し見ただけなんで良くわかんね。ただ、ロボってだけでワクワクした記憶がある。

イラストがこんだけ描かれている表紙も珍しいかもしれん。

最近、東方どうよ?
[ 編集 ]
○2011/08/15○
返信送れて申し訳ありません。

> アスラクラインって、ラノベ原作だったんですね!
> 知らなかった・・・。

結構いろいろなメディアに展開されているようで、私も本当の意味で今作を知ったのは漫画でした。
アニメについての知識はありませんが小説よりも動画の方が本作の動的な魅力を引き出せている気がしますね。


> >“機巧魔神(アスラ・マキーナ)”、“副葬初女(ベリアル・ドール)”
> 原作ではこんな表記なんですか。アニメじゃ気が付きません(笑


漢字と「感じ」で魅せるのが小説の面白さの一つではありますよね。世間一般に浸透しつつある「腐女子」も聞き言葉だけでは判断できませんからね。とはいえ、やや難解な単語をふんだんに使いすぎていて、小説を読む限りには疲労を感じる要素の一つではありましたね。


> 戦闘シーンなんかも原作はリアルに描写してるんでしょうね。
> すごいなぁぁ。
> アニメを最終話まで観て、内容を完全に把握できてません☆
> だけど、楽しめましたよ♪


戦闘描写に関しては、結構抽象的な話が多く。感想にも書いたように勝因が性能差というものですから、分量も少ないですし、少々呆気なさを覚える所ではありました。

内容については小説でさえいろいろな要素が絡まっていて、お世辞にも明快とは言い難いものでありましたから、30分という絶対的な区切りを持つアニメでは説明しきれない要素が多分にあったとしても不自然ではありませんね。


> 最近、先生の辛口評価が何だかご褒美のように感じてきました(笑


なるべく誉めるところは誉めるようにしているのですが、いかんせん読み終わった後の感想は印象が強い分「悪かった点」にばかり向いてしまっている気がいたします。

なるべく理由をつけての駄目だしを手がけておりますが、感想というものはいつでも独り善がりなものになりがちです。ただ筆者が嫌いだからといってコキ下ろしたりするような真似だけはいたしませんので、あくまで私の生の感想として読んでいただければ幸いです。
[ 編集 ]
○2011/08/15○
返信送れて申し訳ありません。

> おお、久々にブログ徘徊していましたがとても読みやすい文章で作品に興味を持つことができました(*´∀`*)

そう言ってもらえると毎度毎度よき活力となります!
致命的なネタバレを書かず、かつ既に作品を読んだ人にもそれなりに楽しめる感想を書くように努めておりますので、よろしければ購入の足がかりとしていただきたく思います。

> しっかり定期的に更新を続けてらっしゃる事も含めて尊敬です(^^♪


ブログを始める前から自分用の感想メモを書くのが趣味みたいなものだったので、更新することにあまり気苦労がなく、また最近では様々な人にコメントを書いてもらえるためモチベーションの意地が出来たことが大きかったと思いますね。

もちろんsasaraさんにしていただいた昔のコメントにも、しっかり活力を貰っていますよ。


> (例の件は有難うございました。手間をかけさせた事を含めて感謝しております、今後ともよろしくお願いします)

いえいえこちらこそメッセージへの返信が遅れて申し訳ありませんでした。出来うる限り随伴させていただきますので、今後ともよろしくお願いします!
[ 編集 ]
○2011/08/15○
返信送れて申し訳ない。

> アニメを少し見ただけなんで良くわかんね。ただ、ロボってだけでワクワクした記憶がある。

やっぱりアニメ化されてたんだなぁ。とはいえ小説の方でもいろんな伏線と世界設定がごちゃまぜになっててわかりにくかったから、30分区切りのあるアニメじゃ緻密に描写するのは無理だったんだろうと想像できますな。

情報不足としえば『うみねこのなく頃に』のアニメも原作信者からすれば見れたものじゃありませんでしたし。


> イラストがこんだけ描かれている表紙も珍しいかもしれん。

だいたい単品で女の子がいるくらいだからね。個人的には下着さえ無頓着に見せてなければそれほど気にならない印象。表紙だけで言えば一巻というより最終回一歩手前の漫画みたいだなぁと。

とはいえ二巻の表紙はすっきりしてましたけど。


> 最近、東方どうよ?

書いては削って、書いては削って、wordが壊れて全部文字化けして(2週間くらい前?)、リカバリを加えながらプロットの三分の一までなんとか漕ぎ付けたところですね。

とはいえ2章後半の分量そのものはたいしたことはないんで、筆さえ乗れば2週間程度で形にはなると思います。
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