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魔法少女を忘れない、雑感








我々を――人間を、甘く見るな


魔法少女







スーパーダッシュ文庫さん刊行、しなな泰之著『魔法少女を忘れない』についての雑感を、今回は綴っていきます。

Espliaのあらすじ

「北岡悠也(きたおかゆうや)」は、半年前に突如「妹」として連れてこられた少女「みらい」との同居生活に心を砕く毎日を過ごしていた。

彼女はよく眠り、よく笑う――、元は魔法少女と呼ばれた存在であった。


読み終わった感想はは「心情描写に長け、人間ドラマとしての面白さはあったが、一部説明不足を感じた作品」といったところでしょうか。



まず、本書の長所として。
人間関係の難しさ、暖かさ、養子として連れてこられた「妹」への戸惑いなど、「みらい」という存在を通しての年変容というものをまる一年という作中の期間を十全に使い、緻密に構築していった結果、”魔法少女”という存在への異質の表現も含め、錯綜する人間関係を上手く描いているように感じられました。


いつか訪れる運命に抗う、というような熱さのない平坦な物語ながらも、随所に等身大の驚きや感動を散りばめ、決して諸手を上げて喜べるようなものではなかったものの、清清しさのある結末を用意したことにはご都合主義ではない潔さがあり、読後感も決して悪くありません。



キャラクターに関しては、ほぼ全員に善性の強い傾向は見られるものの、ただ「温い」だけではなく、言うべきこと、行動するべきことを濁さずに踏まえ、時には衝突すら辞さない芯を持っている点は素晴らしく。

ヒロインだけを持ち上げ、そこに至るまでのレールとしてひき潰さず、時には「主役を寄越せ」と言わんばかりに殴りかかってくる彼等の生き生きとして姿はとても気に入りました



個人的には最終的に主人公が選ぶ女性について文句を言いたくなることもありますが、そんな思わず苦言を呈したくなるほど物語にのめり込んでいたことを思えば、魅力的なキャラクター達が本作における最上の強みだということが過言ではないように思います。


ただ一人、前半と後半のギャップが激しい「先生」については内面と描写がかみ合っていないイメージを受けましたが。




ただ。ヒューマンドラマとして優れていることは上述した通りなのですが、本作での重要なファクターである「みらい」ひいては彼女という”魔法少女”への言及の薄さが後半の展開に向けて説明不足であるように感じてしまいました。


彼女達がいったい社会ではどのような地位にあるのか。どのような力を使い(魔法と言っても千差万別)、どのような職務を行ってきたのか。


それら理解を深める言及が描かれずにそのまま物語が進んでしまったことで、彼女ら魔法少女ゆえの悩みから発生する現実への侵食を読み手が十分に理解できず。それ故後半の「ある理論」を機軸とした一連の結末にやや力不足を感じてしまう部分が出来てしまったのではないでしょうか。


基礎さえ理解できていない人間に、基礎を用いた応用の問題を提示されても頭が混乱するばかりであることは言うまでもありません。



また「家族」というテーマを用いながらも、クローズアップされるのは主人公たち同年代の少年少女、兄と妹という関係のみで、養子として引き取ってきた親の心情、行動が全く用意されないというのは不自然であるように思います。

子供達の苦悩において、親という力ある存在が出張ってくることは必然、動き難くなる場面が多いことは私も承知しております。
が、それが恋愛や友情ではなくそこからさらに煮詰まった「家族の危機」となればさすがに親の存在も一つの要素として盛り込まなければ、多角的な物語としてやや味気ないものに感じてしまうのではないでしょうか。




結果的に見れば大変よくできた作品だと思います。

気になった方は是非、読んでいただければ幸いです。













読了お疲れ様でした。



追記

今回の記事はwordが不備により、フリーのテキストエディタで作成しております。妙な文字化けや奇妙な改行がある可能性があるので、気付いた方はご報告ください。
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○2011/07/28○
魔法少女といいつつ魔法がメインの話じゃないのかしら?つまり、引退後の話かな?

思うが侭に魔法を振るう魔法少女の存在は災害指定生物に、魔法少女一人に甚大な被害を被る政府の出した苦肉の策は魔法少女に魔法少女をぶつける事。少女は戦う自由の為に。

とかだったら面白そうだなあ。……読んでないとコメのしようが無いな。
[ 編集 ]
○2011/07/28○
>「家族の危機」

ということはあまりライトノベルには書かませんよね?

家族の「話題」や「思い出」とかならよくあるけど。

「家族の危機」をテーマに、思いつくラノベは、電撃の「世界平和は一家団欒のあとに」とか、スーパーダッシュの「迷い猫オーバーラン!」 とかかな?

もっとあるけどとりあえずこんだけ
[ 編集 ]
○2011/07/28○
> 魔法少女といいつつ魔法がメインの話じゃないのかしら?つまり、引退後の話かな?

かつて魔法少女だった女の子が自分の義妹として養子にやってくる話ですね。
とはいっても、外見は普通の少女と変わらず、別段すごいことが出来るわけでもないので、主軸としては普通の恋愛ものといっても過言ではないかもしれませんね。異種族恋愛というよりは、「天神爛漫」などの「神様」との恋愛みたいな印象でしょうかね。(わかりにくーい)

> 思うが侭に魔法を振るう魔法少女の存在は災害指定生物に、魔法少女一人に甚大な被害を被る政府の出した苦肉の策は魔法少女に魔法少女をぶつける事。少女は戦う自由の為に。
> とかだったら面白そうだなあ。……読んでないとコメのしようが無いな。

それ魔法少女というよりかはそれじゃ「生物兵器」(笑)

そんで、戦いに傷ついたところを主人公に救われ、それ以降は主人公の元で守護神をやっている、とかだとどこかで見たような陳腐な設定になってしまいますねぇ。
個人的には強い女の子もいいんですが、ここは主人公と心身融合してもらい、今後登場するヒロイン全員を含め、とっかえひっかえ纏って戦う古風な設定だとなおよし。(古風というより使い古し)

さすがに知らない本へのコメントまで強要できないんだけど、関係ない話でもあればなんでもいいので書き込んでくれるとうれしいかも。
[ 編集 ]
○2011/07/28○
> >「家族の危機」
> ということはあまりライトノベルには書かませんよね?
> 家族の「話題」や「思い出」とかならよくあるけど。

そうですね、結果的に見てしまえば「肉親の喪失」を促す重いテーマなので、続刊がなく、また平行世界観が適用されるノベルゲームの方が利用しやすいように思います。
とくに「妹」という存在は、我々オタク文化から言わせれば大半が重要なキーワードとして機能してしまうものですから、読みきり以外で用いてしまうと、キャラクターたちの世界観を一気に暗くしてしまいかねない要素にもなってしまいます。


> 「家族の危機」をテーマに、思いつくラノベは、電撃の「世界平和は一家団欒のあとに」とか、スーパーダッシュの「迷い猫オーバーラン!」 とかかな?
> もっとあるけどとりあえずこんだけ

家族の危機といえば、かなり多用性がありますからね。ノベルゲームでまま見られる「両親との不仲」(『CLAMMAD』)しかり「離婚問題」しかり。もっとヘヴィなものを挙げれば「肉親の病気」を描いた『加奈』のようなものもありますし。

その一方で、『うさぎドロップ』『マイガール』『おたくの娘さん』『狂乱家族日記』『家族計画』などのように、家庭や家族との絆を題材にした話も多いことも周知のことで、「誰でも最も共感できるテーマ」として「家族」というワードは「学園物」にならぶくらい大きなジャンルに育ってきているのかもしれません。

「家族モノ」が大好きな私にとってはうれしい話です。

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