espliaのちょっとだけ時代遅れ。

生むは雑感、生きるは過去、ちょっと遅れた感想中心ブログ。

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ぐらシャチ、雑感








僕みたいな生き物には、ちょっと生きにくいところだけどさ。

嫌いじゃないんだ。ここが






電撃文庫さん刊行、中村恵里加著『ぐらシャチ』についての雑感を今回は綴っていきます。

Espliaのあらすじ

弟に日本うっかりランキング10位以内と目される、高校入学を間近に控えた少女「秋津島榛奈(あきつしまはるな)」は、趣味のオカリアを吹くために海岸へ赴き、運悪く高波に攫われてしまう。

己の迂闊さに呆れながら死を覚悟した榛名を助けたのは、なんと英語を喋る「シャチ」であった。


読み終わった感想は「未知の知的生物に対する、一般の観点からの疑問や恐怖というものを上手く描写した作品」といったところでしょうか。



まず、何をおいても本作の魅力として挙げられるのは、言葉を話すシャチと普遍的女子高生の友情物語というあまりにも斬新な設定、そしてそれを巡る物語における登場人物たちの心の機微を巧みに描いている点にあることは疑い様がありません。



また、上記にも記したような異色な設定でありながらも、本編一冊のみで物語の大部分がきっちり完結しており。煮えきれない場面や回収されない伏線がほとんど見られず、後味の悪くないすっきりとした結末も相まって、短編小説ならではのメリハリがあることは素晴らしいと思われます。



内容に関して、他のライトノベルで主軸に置かれがちな恋愛要素が薄く、英語を喋るシャチもどき「グラ」と一般的女子高生が拙いながらも意思疎通を図っていく、その過程や触れ合いを通しての真情に重点が置かれていることが読み手を選ぶ要因であるといえます。


が、主軸の置かれた、異種族交友の温かみ、異種族故に理解できない「未知への恐怖」というものが非常に綿密に描かれており、例え恋愛という要素は薄くとも、全体を通してみればヒューマンドラマとしての厚みは決して損なわれていないことは特筆するべき点であることは間違いありません。



主人公「榛奈」を筆頭に、その家族や友人などのキャラクターへの掘り下げも深く、精神的にも成熟していない多感な時期の少女だからこそ湧き出る愛情や不安といった心情描写が、「リアル」であるかどうかはさておき、少なくとも個人的には違和感を与えるものではありませんでした。


当然、それに伴ってやや珍しい女性を主人公とした作品ながらも読み手との共感性は終盤まで存続し、終盤までの一連のイベントに文字通り一喜一憂できたことは、筆者の物語構成の上手さ、というものを如実に表しているにも感じられました。



気の合う友人、また家族ゆえ。交わされる気楽な会話も実に軽妙で、笑いを無理矢理得ようとする強引なギャグがないことも読みやすさを加速させているポイントで、特に「グラ」を巡った友人同士の掛け合いの噛み合わなさは必見です。



最後に。
個人的に気になった点としては、物語のキーマンである「グラ」が地上で生活を始めようと画策し、それが上手くいっていまう原因が、ある人物の“放任主義”というあまりにも「無理がある設定が目立ち、終始一貫して良くも悪くも起伏の少なさ、共感性の高さ、転じて違和感のない物語運びがウリの作品であるが故に目立ってしまっている点が挙げられるように思います。


謎の生物「グラ」に他者の認識を操る超能力があるという設定があるならばまだしも、実の息子が行方不明になっても捜索届けを出さず、顔色一つ変えない親が存在する社会を「日常」として扱ってしまうことは、正直なところ想定の範囲外であることは言うまでもありません。



また後半に登場するグラの「天敵」に関しても、本編ではその容姿や形態への伏線、言及がほとんどな
、終盤になっていきなり登場するというのも個人的にはあまり納得のできないことではありました。

(この天敵に関してのみ言えば、グラの正体をタネ明かすための土台として用いられた感が強いため、本編への影響は薄く、瑣末事と言ってしまえるレベルであることは明言しておきます。)





オススメの一冊なので、気になった方は、是非読んでいただければ幸いです。














読了お疲れ様でした。


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○2011/07/19○
「ダブルブリット」の作者だよな?その関係で避けたと思う。

夏コミである有名サークルが新作出すって最近知ったけど、前作までのまとめがアレだったんでもういいか……という気分。

ラノベ作家さんが万人には受けなくてもいいという気持ちで冒険すると新作に影響が出ると思うんだ。

最近文句ばっかりで作品を褒めるコメントをしてない気がするなあ。今度から気をつけてみようかなあ。
[ 編集 ]
○2011/07/20○
返信送れて申し訳ない!

> 「ダブルブリット」の作者だよな?その関係で避けたと思う。

他の感想ブログさんで見たような気もしますが、果して「ダブルブリット」の評価はどれくらい低いものだったのか(笑)

短編としての出来は高レベルで、掛け合いの違和感も薄く、恋愛要素はなくても共感性とアットホームな雰囲気に満ち、しかしホラー風味、というなんとも凄まじい方向性をもった一品なので、よければ読んでくださいな。

> 夏コミである有名サークルが新作出すって最近知ったけど、前作までのまとめがアレだったんでもういいか……という気分。

ははーん、彼岸花、ですかな?(勘違いだったら読み飛ばしてくだされい)

「うみねこのなく頃に(散)」は、たしかにまとめ方としては投げやりで誉められるものでなく、伏線の回収もおざなりであることは誰の目にも明らかですからね、今までは散々擁護派だった私も評価の低さには納得のいくところ。

とはいえ、序盤(~EP4)ではさんざんワクワクさせられた前科は確かに存在しますから、正直な話、購入を控えるまで評価は落ちてなかったりします。

パソコンのスペックが足りない、金銭面で購入できない、ナニカの天啓で購入意欲なくすというようなことさえなければレビューも書くと思いますので、是非よろしぅ!



> ラノベ作家さんが万人には受けなくてもいいという気持ちで冒険すると新作に影響が出ると思うんだ。

ライトノベルを読み込んだ人に関して言えば、型破りはうれしいところですが、やはり王道というものは突き進むべきものではありますな。

その一方で、一部で恒例のエロハプニング、無意味、かつ過度な猟奇表現、風呂敷を広げるだけ広げて回収しない(私のことである)というような前例の踏襲だけは避けてもらいたいというのが私的な感想ですね。


> 最近文句ばっかりで作品を褒めるコメントをしてない気がするなあ。今度から気をつけてみようかなあ。


思いついたままに書くが「感想」、というわけで、そう気にしなくてもええんじゃないですかな。
正直に言えばこのブログも、他所様に比べれは毒(あと未熟さ)多めですし。
根拠ナシの中傷というわけでもありませんしね。


コメントも記事も毒だらけじゃねぇか!


というお達しが来た次の記事あたりのコメントをマイルドにしておけば問題ナッスィング。(恥)
[ 編集 ]
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