espliaのちょっとだけ時代遅れ。

生むは雑感、生きるは過去、ちょっと遅れた感想中心ブログ。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
*
スポンサー広告 ○ Trackback:- ● Comment:-○

静野さんとこの蒼緋、雑感








「「問答無用!」」






電撃文庫さん刊行水鏡希人著『静野さんとこの蒼緋』についての雑感を今回は綴っていきます。

Espliaのあらすじ

「お前に会わせたい人がいる」
上機嫌な父にそう連れ出された「静野蒼介(しずのそうすけ)」は、なじみの喫茶店で一人の少女、――「記憶には存在しない」の双子の妹「静野緋美子(しずのひみこ)」を紹介されることになる。


読み終わった感想は「ドタバタ学園コメディと呼ぶには純粋に笑える要素が少なく、ミステリと呼ぶにも程遠い駄作」と言ったところでしょうか。




まず、主人公格である双子については、二人の出会い、険悪な関係の改善までを多量のページを用いて描かれているため、物語の中における行動理由、思想の大部分に想像の余地があり、納得のいかない展開にはなっていない点。


また本作の主軸である双子が事件を通して、見知らぬ相手と家族になっていくまでの過程が綿密に描写されていることで、全体の雰囲気をヒューマンストーリーに傾けているという点には好感が持てました。



しかし、やはり序盤は双子同士が敵視しあっている状況であるため、それぞれの言動には多分の毒が塗りこめられており、中でも妹の「緋美子」の暴虐かつ嫌らしい振る舞いには、眉をしかめてしまう人が多いように思われます。


兄「蒼介」にしても、苛立ちからの夕食ボイコットに端を発し、早朝、緋美子に顔をあわせたくないという一身で速めに登校することを画策する、などなど、どこか「みみっちさ」を感じさせる行動が目立ち、そのあまりに後ろ向きな思考回路に辟易させら場面が多く。

総じて、よく練られた険悪なシーン故の雰囲気に、読者のモチベーションを奪っている要因になっているように感じられました(良くも悪くも筆者の思惑通りに)。




次に、この著書を読んだ場合に誰もが注目するであろう結末に関し。

綿密な伏線によって自然と導き出されるというよりは、伏線に抵触しないように無理やり解釈を捻じ曲げたような唐突感を否定できず、また本編の随所でやたら「謎」として強調していた「事件」を、結果的に推理の意味からは一歩外れた場所においてしまったことで、読み手に落胆を覚えさせるてしまったことは、本作における重大な過失だと思われます。


事件の“犯人”にしても、中盤から終盤に掛けて「突如として登場する要素に毒されたものでしかなく。論理性という観点からも、納得という観点からも遠ざかってしまっている存在で、どこか薄気味悪い行動をとる犯人を追い求め、行動していく主人公たちの行動(推理パートとでも言うべき要素)が、結局のところ無意味でしかないように感じられてしまいました。


ただ演出として「推理っぽいもの」をやりたいだけならば、その分の文章を人間ドラマに回してしまったほうが、作品の雰囲気を統一するという意味において良い選択だったのではないでしょうか。




最後に個人的な懸念を一つ申し上げますと。

メインヒロインと呼ぶことのできる存在が物語を通して一人しかおらず、また、それが血の繋がった肉親「緋美子」でしかないことから、総じて物語に「恋愛要素」が重要なファクターとして機能していないため、良くも悪くも本作には「色気」が少ないことが評価を別けそうではあります。


個人的には、いわゆる過剰な「性的(エロ)ハプニング」というものに、あまり良い印象はありませんが、物語に幅を設ける良い材料であることを思えば、ここまで淡白な物語にしてしまった良いのかどうかの判断がつけられないというのが実情です。


何より、主人公が身を呈して守ってあげた女の子が、後日なんの感謝もなく接してくるというのは違和感がありすぎるのではないでしょうか。




恋愛要素は薄く、推理要素は「それっぽい」だけ、人間関係をクローズアップしたが故に、発される不快感。


これら三つの要素併せ持つ作品だということに必ず留意し、それでも気になる方がおりましたならば、是非読んでいただければ幸いです。






追記

今回は大幅に更新が遅れしまい(六日ぶり)、誠に申し訳ありませんでした。












読了お疲れ様でした。


スポンサーサイト
*
○2011/07/14○
モヤッとする所は人それぞれ。私は母親の件がモヤモヤとした。

何で主人公に会わなかったの?妹はたまに父親に会っているのに不公平じゃね?最後まで理由明かされてないじゃんとか前提となる設定にツッコミががが。

この作家さん設定で下手うっている作品が印象深い。身内なんだから認識共有ぐらいしろよって思った作品がこれを含めて二作品。

熱中症で救急車だったん?気をつけろって書いたのに。私は夏風邪を引きずってるがね。
[ 編集 ]
○2011/07/16○
> モヤッとする所は人それぞれ。私は母親の件がモヤモヤとした。
> 何で主人公に会わなかったの?妹はたまに父親に会っているのに不公平じゃね?最後まで理由明かされてないじゃんとか前提となる設定にツッコミががが。

あー、確かに。一応感動的なシーンとして描かれていて誤魔化されるけど、その辺りの明確な動機っていうのはあんまり示されてないんだよねぇ。

一応、緋美子は魔法の潜在能力は低くて暴走する可能性が薄い一方、蒼介は潜在能力が高くて、おまけに制御も下手糞っていうこともあって、面会は控えられていた、みたいな記述はある模様。

とはいえそれは幼少期の話であって、今の年齢になるまで放っておく理由にはならないわけですな。

父親から、記憶にない双子の妹を紹介される、という導入部分をやりたいがために用意した設定と思われてもこれでは仕様がありませんね。


> この作家さん設定で下手うっている作品が印象深い。身内なんだから認識共有ぐらいしろよって思った作品がこれを含めて二作品。

設定をかみ合わせること、それから、読み手の中の物語と書き手の中の物語に大幅な違いが出てしまうことは、かなり高度な表現力と認識能力を必要としますからね、そういった齟齬が発生してしまうことには同情的な目を向けてしまいますなぁ。プロなんだからちゃんとやれい!、と言われてしまえばそれで形無しなんですがね(笑)

> 熱中症で救急車だったん?気をつけろって書いたのに。私は夏風邪を引きずってるがね。

本当、人に注意するまえに自分で注意できていないっていうのは本当に恥じるべきことだと思います。
高校時代ならまだしも、今の年齢で完徹、おまけに35度越えの外を歩きまわる体力はなかった模様。さすがに運動不足の体に無茶を掛けすぎました。

しかしそれも全て、「運命石の扉(シュタインズゲート)」の選択であるっ!フーハハハ!!(見てみないフリ推奨)
[ 編集 ]
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
この記事のトラックバックURL


twitter
ブログに対する掲示板の役割を兼ねておりますので、出来うる限りこちらにも目を通していただけるとありがたいです。

フォローしてくださるお方は「esplia」と検索して頂くと簡単に見つけられると思います。


espliaの生態


esplia

Author:esplia


【読書中小説】
神様のいない日曜日
幕末魔法士
KAGUYA~月の兎の銀の箱舟~
文学少女と死にたがりの道化
中の下!
曲矢さんのエア彼氏


【プレイ中(&予定)ゲーム】
黄昏のシンセミア
elona
グリザイアの果実
はつゆきさくら【済】
穢翼のユースティア【済】


【鑑賞中音楽】
嘆きの音
Dead End
borderland
少年よ我にかえれ
ノルエル
灰色の水曜日


【オススメゲーム】
FLYABLE HEART
永遠のアセリア(なるかな含)
遥かに仰ぎ、麗しの
装甲悪鬼村正
Fate stay night(hollow含)
てのひらを、たいように
月光のカルネヴァーレ
君の名残は静かに揺れて
BALDRシリーズ(戯画)
ひぐらしのなく頃にシリーズ
うみねこのなく頃にシリーズ
東方シリーズ(SLG、文、WS含)
夜明け前より瑠璃色な
CROSS†CHANNEL
リトルバスターズ!
CLANNAD
STEINS;GATE


恒久的に不定期更新ですが、
よろしくお願いします。

週一更新005


当ブログはリンクフリーです。
こちらから打診した場合は了承があるまでリンクには追加いたしません。

ブログ内検索
ブロとも申請フォーム
メールフォーム
相互リンクの申請は、
「ブロとも申請フォーム」
または、
ここにお願いします。

名前:
メール:
件名:
本文:



上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。