espliaのちょっとだけ時代遅れ。

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いぬかみっ!、雑感







街は暖かいのだと何故か分った。

あの光のそれぞれにニンゲンの営みが宿っている。





電撃文庫さん刊行、有沢まみず著『いぬかみっ!』についての雑感を今回は綴っていきます。

Espliaのあらすじ

由緒正しい「犬神」使いの末裔ながらも、力量不足と見なされ、勘当されていた「川平啓太(かわひらけいた)」だったが、ある日、そんな彼のもとに祖母からお呼び出しが掛かる。
幼少期から啓太を慕って止まない「ようこ」という犬神が、なぜか今ごろになって契約を結びたがっているのだ、と。


読み終わった感想は「動的、視覚的要因が強い一方、物語としての面白みが大幅に欠けた作品」といったところでしょうか。



まず最初に。評価を低くせざるを得ない最大の要因に主人公への嫌悪感というものが挙げられます。


今にして膨大な書籍数を誇るライトノベルでありますから、それに伴って様々な主人公像というものが存在することはいうまでもありませんが、その中の誰もが、大小の差はあれど、ほぼ常識的な行動や倫理意識、規範をもって行動しているのに対し、本作の主人公はそういった観点では実に異端であると言わざるを得ません。


犬神という、霊的な存在ではあっても「ヒロイン」。彼にも女性形である「ようこ」にたいして、「暴力を持って手篭めにする」ことを画策することに端を発し、基本言動が他人を罵倒するものであること、ヒロインそっちのけで他の女に走る、などなど度し難い行動が目に余る、というにも程があるように感じられました。



また、ヒロイン「ようこ」にしても、純粋無垢というレッテルに感け、強盗の上、人様の命を弄んだ挙句、家に火をつけてゲラゲラ笑っている。この堂に入った「オツム具合」には、辟易としたものを感じないほうがどうかしているように思われます。



物語にしても、各章、話の時間軸で繋がってはいても、主人公格二人のバックボーンが明かされず、心情描写はあっても、そう感じるまでの過程があからさまに落丁してしまっていて、題材を含めて共感性は皆無でありますし、「ようこ」がなぜこの時期になって主従関係を結ぼうとしたのか、という物語の核心部分がぼやけてしまっていることで話にハリが感じられません。


我侭放題の「ようこ」を叱り飛ばし、主としての威厳を見せる主人公。
という一巻序盤で重要な、心を通わせるシーンも上述に伴って唐突感がひどく、感動的なシーンが納得いき難いものになっておりました。



妖怪がらみの事件。というじつに幅をもった題材をを扱いながらも、そのほとんどが中身の無い「笑い」に走った陳腐なものであることも個人的には残念な点で、第四章「像さん」を筆頭に作品に蔓延する軽薄な印象が拭いきれません。



唯一比重を置いたであろう、物語の「ノリ」、「笑い」という点にしても、頭で描いた「動画」をそのまま文章に起しているかのような不自然さ、論理性の無さが浮き彫りになってしまっていてどこか珍妙。


笑いのためとはいえ主人公をストリーキング(露出癖者)扱いし、敵対する妖怪も露出狂、というどうしようもない題材をもってくる筆者のセンスはさておき、視覚的なイメージを優先したがため、読み手を「引かせ」かなねない要素が詰まっていることは無視できませんね。


笑いのセンスは人それぞれですから、上記のネタが万人に受けないとは申し上げませんが、せめてきっちり、描くことを描いてから、こういった題材に着手していただきたいものです。



第一巻全ての文章使って、「ようこ」を受け入れるまでの過程を緻密に描き、十全の下準備を終えた後、それらを踏襲しての発展として本作のような題材を扱えばいく分見られたものになったのではないでしょうか。




気になった方は、綿密な下調べの上、購入を視野に入れていただければ幸いです。










読了お疲れ様でした。

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○2011/07/05○
中学の時後輩がこのアニメを見てから変態になったのでどんなものかと思ったら
感想を見たところあまり面白そうではないですね…
[ 編集 ]
○2011/07/05○
とりあえず4~5巻くらいまでそんな感じの二人組みだがそこら辺でテコ入れでも入ったのかある話を境にぐっと落ち着きが出てくる。まあ、それでも変態ネタは混じってるんだけど。

この作家のデビュー作がえらく鬱な作品で「いぬかみ」が出るまで地雷作家のような苦手意識があったけど、はっちゃけたものだと読んで感じたねえ。

地雷作家と言えば、私の地雷認定作品は「きゅうけつきのおしごと」シリーズの結末が……どうしてこうなった?としばらく悶えた作品でしばらくその作家さんの新シリーズを避けたくらいだもの。
[ 編集 ]
○2011/07/05○
> 中学の時後輩がこのアニメを見てから変態になったのでどんなものかと思ったら
> 感想を見たところあまり面白そうではないですね…


おー、十人十色といわれる「入り口」がこの作品でしたか。
知名度という意味では抜群、「銀色ふわり」という短編を見れば地力のある筆者ですし、私の「入り口」とは比較にならないほど、その後輩さんは良識な出会いを果たされたようで、うらやましい限りです。(本当に)


本作は確かに読み物として見た場合、率直に申し上げれば肌に合わない作品ではありました。

しかし。それでも、後半に書かせていただいたよう。
想像上の動画を、強制的に文章に直しているような軽妙さが垣間見れることから、実は小説よりも映像ありきのアニメメディアの方が、より「いぬかみっ!」の良さが出ているのかもしれません。

私自身、アニメ作品への造詣が深くない若輩でございますゆえ、実体験として実のある見解を捻出することはできかねますが、ネットでの評価を見る限りでは良質な作品であるように思えますね。
[ 編集 ]
○2011/07/05○
> とりあえず4~5巻くらいまでそんな感じの二人組みだがそこら辺でテコ入れでも入ったのかある話を境にぐっと落ち着きが出てくる。まあ、それでも変態ネタは混じってるんだけど。

正直、今作の「像さん」はシモネタ満開、論理破綻満開、ついで読み終わった後の清涼感皆無、という評価に終始するもので、個人的には「軽い」というよりは「薄っぺらい」印象が強かったのが残念なポイント。

シモネタなんて見たくない! きゃー!
ってほど純情でもないんだけど、ネットで掲示板で読むのと、商業誌で出されるのとでは大きな差がありますよねぇ。


> この作家のデビュー作がえらく鬱な作品で「いぬかみ」が出るまで地雷作家のような苦手意識があったけど、はっちゃけたものだと読んで感じたねえ。

鬱作品は大好物。ということもないのですが、悲哀や悲恋、悲劇っていうテーマは、共感性を第一に考えられていて、所謂物語の土台がしっかりした作品が多く、外れが少ないイメージがあったり。

あと個人的には「家族」をテーマにした作品というのも外れが無い印象。やっぱり人間、アットホームかつウォーム(温暖)なネタが大好きなのですよ。(岩の下のダンゴムシみたいな)


> 地雷作家と言えば、私の地雷認定作品は「きゅうけつきのおしごと」シリーズの結末が……どうしてこうなった?としばらく悶えた作品でしばらくその作家さんの新シリーズを避けたくらいだもの。


「きゅうけつきの~」シリーズは一応読ませていただきました。

最初のアットホームな雰囲気、一見「なよなよ」しながらも実は最上級の吸血鬼という属性をもつ主人公が加わって、これは良作だ、と思った否や。
「上弦」の参入から、一気に猟奇、鬱に走ってしまい(まぁ兆候は2巻からあったが)。結果、見るも無残に路線が変わってしまった作品、という印象です。


なんで何巻もまとめて購入してしまうと、そのあまりの豹変っぷりについていけなくなる人が多く居そうですなぁ。

「お前豚みたいだぞ!」

仮にも一ヒロインに対してそんな暴言を浴びせ、コンクリートブロッグで顔面をぐっちゃあ、という素晴らしい表現技法は、ある意味たいへん勉強になりました。(え)
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