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神様ゲーム【カミハダレニイノルベキ】、雑感








神様なんかに祈る前に俺に祈れ!!
絶対に神様よりも俺の方が偉いっ






角川スニーカー文庫さん刊行、宮崎柊羽著『神様ゲーム【カミハダレニイノルベキ】』についての雑感を今回は綴っていきます。

Espliaのあらすじ

ある日、神を自称する「ソレ」は、叶野学園に隠れた己を探し出し、名を呼ぶことが出来たならば楽園を与え、呼ぶことが出来なければ世界を滅亡させるというはた迷惑な「かくれんぼ」を人類に要求した。

叶野学園生徒会長を夢見る「副会長」秋庭多加良(あきばたから)他生徒会役員らは、嫌々ながらもこの世界滅亡の危機に立ち向かっていくことになるのだが・・・・・・。


読み終わった感想は「筆者のやりたいことを少ないページ数に無理やり詰め込んだためか、全体的に浅い印象の作品」といったところでしょうか。



まず。
恐らく筆者が最もやりたかったであろう物語の「オチ」の部分において、作品全体に散りばめられたセリフや設定が緻密な伏線として効果的に機能しており、作中の主軸となる「神様とのかくれんぼ」という題材に関してすっきりと後味の良い、明快な解答が用意されている点は素晴らしいと思います。


しかし、せっかく「かくれんぼ」という要素が本編で上手く機能しているにも関わらず、序盤の内に“かのう様”という、「第二の神様」が登場し、またそれに伴って判明する「第二のゲーム(厳密には第一のゲームだが)」という要素が加わってしまったことで風呂敷が広がってしまい、読者の混乱と、読み物としてのインパクトの分散を招いてしまっているように感じました。



それは言うなればせっかく出来上がった作物の横に、欲張ってもう一苗植えてしまったことで、本来一つの方向性に注がれるべき「養分」が十分に行き渡らなくなる、ということに酷似しており。
登場キャラクター、提示されたルールを頭に詰め込んでいる最中に、様々な要素「後付け」される倦怠感、ひいては作品のわかり易さそのものをまとめて度外視しているかのような節が見られました。


もちろんそれは、様々な演出や話のバリエーションを拡張しようとする筆者の意気込みの表れであることは間違いなく、その野心という意味では評価するに値するものではありますが、今回に限って言えば、それが悪い方向に出てしまっているわけですね。




また上記の、第二、第三の追加設定に起因しているかは定かでありませんが、本編の主要人物、生徒会役員ほぼ全てに緻密なバックボーンが用意されておらず、本来ならば「あの親友が敵対するなんて――!」というような驚かされる場面についていけなかったことも不満点の一つで。

過去にどういう経緯で親友になったのか、その時の空気もセリフも掴めないまま、親友という「設定」だけを頼りに感動することは私個人的には難しく、またせっかく親友であることを匂わせる段階になってしまえば即座に話が終了してしまい、余韻というものが見られないことも残念なことと思います。



登場する全メインキャラクターに十分な過去を用意する必要性の無さはもちろんことでありますが、過去と現在を比較し、その差異を以って物語の根幹を象(かたど)るというならば事前の準備を怠ることは得策といえないでしょう。


一応、何ページかに渡って過去を匂わせる会話があるため、それでしっかりと足場を固めることの出来る、想像力がある方ならば問題はないと思うので、その点については留意してください。




ついで、作品全体において線引きされるべき「シリアスな局面」と「その他の局面」が一緒になってしまっているかのような極端な物語構成が目立つことも、個人的には気になり。


話の中核に触れる深刻な話をしているのかと思えば、次の行でなぜか「じゃあドッヂボールで勝負しよう」、「雪合戦で勝負しよう」という予測不可能な行動が提示され、それがあっけなく了承されるという場面描写がその筆頭で、平和的な解決という意味においては迎合されるべき流れであることは頭でわかりながら、微妙に心情がついて来ないという状況に陥ることが多かったのが事実です。



同時、筆者曰く、己の主張そのものだとする主人公「多加良」のセリフもまた、上述した違和感に酷似し、彼の発する言葉が「良い言葉」ではあっても「場に沿った言葉ではない」と思えてしまうことが多々ありました。



たしかに格言めいた良い言葉というものは、それ単品で見れば非常に輝くものではあります。
が、小説における「良い言葉」というものは、単純に言葉の美しさ、意志の強さにのみ依存するものではなく、その言葉を覆う土台である「使われた過程」また「込められた思い」という二つの因子を無視して成るものではありません。


「心」そして「願い」という、人間の精神面を題目とした物語を構成するにあたって、やはりキャラクターの過去がはっきりしないということは大変な痛手であることがわかるのではないでしょうか。


そういった観点からすれば、筆者のやりたいことを無理やり詰め込んだ作品という見方もできる気がしますね。




細かいことは気にならない、伏線が面白い作品ならばとにかく読んでみたいと感じた人は、是非読んでみてはいかがでしょうか。










読了お疲れ様でした。

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○2011/06/24○
絵につられて買ったけど一巻としての完成度は高い作品だと思う。ただ、内容が神様とのゲームとそれに関わった人情話というのが二巻以降も変わらないので飽きると感じるか、安定と取るかで評価が変わるかも。

私は五巻あたりで脱落したがそこまでの話は総じてやさしいお話だったので好きな人は好きなんじゃないかと思う。

なので完結してるのかは知らない。
[ 編集 ]
○2011/06/25○
返信送れて申し訳ない。

> 絵につられて買ったけど一巻としての完成度は高い作品だと思う。ただ、内容が神様とのゲームとそれに関わった人情話というのが二巻以降も変わらないので飽きると感じるか、安定と取るかで評価が変わるかも。

今回、創造神を巡ってのかくれんぼについては、全体的配置された伏線がいい味となって、物語をきっちり終わらせている感があって、その点については確かに完成度は高かったと思いますね。

八百万というくらいにたんまりいる神様ですから、創造神が出来たならば土地神様が出て来てもなんら不思議ではないんですが、その二つを混じり合わせる必要があったのかどうか、という点に関してはややわかりにくい印象が強かったように思いました。


> 私は五巻あたりで脱落したがそこまでの話は総じてやさしいお話だったので好きな人は好きなんじゃないかと思う。
> なので完結してるのかは知らない。

身内のネタをやっていないのは、羽黒と美名人の女子ペアということもあって、次巻以降になると恋愛話OR新キャラ登場OR秋庭の過去語りあたりがメインイベントになるんですかね。

やさしい話。人情話。個人的には双方大好物なんですけど、ただ終着点なしにゲームのバリエーションのみで勝負されても辟易してしまう感は否めないかも。不謹慎だが、物語の面白みとしては幸福感のみ前面に出されてはマンネリしてしまうかも。
[ 編集 ]
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