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イリヤの空 UFOの夏【その1】、雑感

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伊里野の入部届の「入部を希望した理由」の欄にはただひと言、こう書かれているのだ

浅羽がいるから。





電撃文庫さん刊行、秋山瑞人著『イリヤの空 UFOの夏【その一】』についての雑感を今回は綴っていきます。

Espliaのあらすじ

中学二年、夏休み最後の日。「浅羽直之(あさばなおゆき)」は、夏休み最後の思い出として、夜半に学校のプールへ飛び込む計画を立てた。
しかし。いざ、揚々として進入したプールには、既に見知らぬ少女が一人で立っており、どこの学校かもわからない水着を着た彼女の手首には「電気の味」がするナニカが埋め込まれていた・・・・・・。


読み終わった感想は「全てが中途半端な上、随所に筆者の傲慢さを感じる一作」といったところでしょうか。



何を置いてもまず、文句を言いたくなるのが。【その一】と銘打たれたそのままに、一巻が一巻のみで、物語として一切の独立をしておらず、また当然、登場する伏線やキャラクターの掘り下げの全てが宙ぶらりんのまま放置されていること、この一点につきます。


編集者も何を考えているのか、最後の章に「前編」と題のつくものを配することもしかり、次の巻を買って当然と見なす、悪い意味での売り手がわの「キモの太さ」と「傲慢さ」が露見してしまっているのではないでしょうか。


もともとは雑誌掲載用の連続小説の集積物だとしても、単行本化にあたり配置を変えるなり、書き下ろしを追加するなり、様々な方策がありながら、この章立ての主張の露骨さには閉口せざるを得ません。



肝心の中身についても、上記したように、ほとんどのキャラクターの掘り下げが中断され、中空に浮いているばかりか、土台たる世界観への言及もなく、伏線も一切回収されず終い、という未完成品を掴まされたような失望感が舞い踊ります。


百歩譲って、次巻ありきの作風故とその点には目を瞑っても、主人公たる「浅羽」の、良くも悪くも中学生らしい自分本位の考え方、性的なことへの下卑た露骨な感情をこれでもかと押し付ける「青臭さ」には、辟易としたものを感じずにはいられませんでした。


物語を動かす上で重要なキャラクターたちも、基本的には「自分が楽しむことだけ」を考えている節が見られることも含め、常識人がほとんど存在しないことが共感性を廃していることは疑い様がないでしょう。


加え、ヒロインの「イリヤ」にしても、第一巻を読み終わった現状では、内心に渦巻く「思惑」、「感情」、「目的」、そのいずれかの詳細さえ用意されていないため、感情移入がしにくく。「可愛らしい見た目だけが取り得」と言い換えらても、否定の言葉は浮かびません。


彼女がなぜ頻繁に鼻血を出すのか。なぜ泳ぎの「お」の字も知らないのか。なぜ人見知りなのか。手首に埋もれている「電気の味がする」ナニカとはなんなのか。


もちろん。それぞれには確固たる意味があり、結果的には誰も彼もが涙するようなすばらしい結末が待っているのかもしれません。

しかし第一巻読んだ、今。味わわされる、この「置いていけぼり感」消えることはないように思います。



正体不明の美少女と、夜のプールでばったり。
こんなテンプレートながらも、広げ甲斐のある出だしを使っておいて、その落としどころが何巻も先のこと、という盛り上がりの悪さも、いかんともし難いものを感じざるを得ません。



数多の作品が、一巻という出だしの一冊に、あらん限りの「創作魂」を練りこんでいることを思えば、醒めた感情が先に立ってしまうのは、それほど不自然なことなのでしょうか。



もちろん上述したように、一巻では宙に浮いたままの伏線が、今後きっちり踏襲され、全ての行動の理由がつき、青臭い主人公も徐々に一皮向けていき、感動のフィナーレを迎える、という未来がないわけでなく、希望込みで唯一の救いがありますが、この調子では購買意欲に支障を来す可能性は少なくありませんね。



最後。個人的に気になったのはト書きの部分で。
よく食べる女子のことを、

まるで腹にガキでもいるのではないかと思うくらいに食う

という表現を用い、恐らくは語感の良さ、韻を踏むためだけに、いろいろと憂慮するべき「モラル」が廃してしまっていることが、何より気に入りません。


あまり詳しくは書きませんが、その「ガキ」と、「寄生虫」を同率に扱っていることも、また倫理的に行儀が良いとは思われず、中学生だから何を言っても許されると思っているのか、筆者の頭の中身を覗いてみたい衝動に駆られますね。


さぞかし良い「」がいることでしょう。




興味のあるかたは、是非とも作品の形態と全容を確認し、出来るならばある程度纏まった冊数を通して読むことをオススメいたします。






読了お疲れ様でした。
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○2011/06/10○
あの頃は新刊は続くのが当たり前だと思っていたからなあ、レーベルと刊行数自体が少なくて打ち切りとかそんな目立たない時代だったからだけど。

このイラストレーターの方電撃文庫ではこの作品と最近「とらドラ」の作者が出した新作を担当してるけど、挿絵無しでカラーイラストだけだから少し残念なんですよね。「まぶらほ」は挿絵付けてるのにな~

何分読んだのが昔の事だから記憶が曖昧だけど良く食べるキャラって部長(男)じゃないっけ?

皮肉のスパイスが効きすぎるぜ!もう少しマイルドにしないとクレーマーが来ちまうぜ。
[ 編集 ]
○2011/06/11○
返信送れて申し訳ない


> あの頃は新刊は続くのが当たり前だと思っていたからなあ、レーベルと刊行数自体が少なくて打ち切りとかそんな目立たない時代だったからだけど。


たしかに昔は続刊を購入するのが当り前の展開が多い風潮があったねぇ。今じゃ、探せば同じジャンルが三つは見つかってしまうようなライノトベルの飽和期、なんていえる時代になっちゃったもんだから、一作一作に全てをつぎ込む作風が多いのかもしれませんな。

もちろん読み手側としては入魂の一作を読みたいけれど、ニーズがなければ即打ち切り、っていう出版者側の意向も、一ものかきとしては辛いところ。


> このイラストレーターの方電撃文庫ではこの作品と最近「とらドラ」の作者が出した新作を担当してるけど、挿絵無しでカラーイラストだけだから少し残念なんですよね。「まぶらほ」は挿絵付けてるのにな~

ゴールデンタイムですかー。
なんでもとらドラを更にドロドロにしたような作風っていう噂を聞いて、実はまだ手を出してません。ゆゆぼっしいは好きなのでいつか雑感を書くかもしれんですが。

挿絵が無いのもそうなら、男を描くのもあんまりうまくないかなぁ、というイメージ。顔が濃いというか、女の子しか描けないというか。表現の幅が少ない気がして個人的にこつえー先生はあまりオススメできませんねぇ。


> 何分読んだのが昔の事だから記憶が曖昧だけど良く食べるキャラって部長(男)じゃないっけ?

そうそう、部長を「腹に虫でもいるんじゃないかと思うくらいに食う」と評するのに対比して、幼馴染(女)を「腹にガキでもいるんじゃないかと思うくらいに食う」って書いてるんですよね。う~ん、何度引用しても気に入らないフレーズですな。


> 皮肉のスパイスが効きすぎるぜ!もう少しマイルドにしないとクレーマーが来ちまうぜ。

頭に虫が湧いてる+ムシが良い、って意味でマイルドに皮肉ったつもりだったんですけど、さすがに毒が強かったかも・・・・・・。クレーマーさんがご来訪なすった暁には、「悲しいけど、これ感想なのよね」って呪文を唱えてみたいと思います。
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