espliaのちょっとだけ時代遅れ。

生むは雑感、生きるは過去、ちょっと遅れた感想中心ブログ。

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ヘヴィーオブジェクト、雑感






ぎゃあぎゃあ騒ぐのは構わないけど。
私は本国で待つ家族から預かっているガキどもの面倒くらいは、最後まで見たいと思っている人間なの。





電撃文庫さん刊行、鎌池和馬著『ヘヴィーオブジェクト』についての雑感を今回は綴っていきます。

Espliaのあらすじ

かつて戦争の代名詞であった戦闘機や戦車を越え、核兵器の高熱ですら耐え切る最新の兵器「オブジェクト」。50メートルの体躯と200門を越える数々の殺傷兵器を携えたそれは、最早人間の兵士など何の役にも立たないことを如実に証明する、新たなる戦争の代名詞であった。

オブジェクトの構造を勉強するべく、アラスカの氷雪地帯に派遣留学してきた工兵「クウェンサー」は、滑走路の雪かきを命じられるままにやっている最中、オブジェクトのパイロット、通称「エリート」と呼ばれる少女と出会う。


読み終わった感想は「非常によく練られた設定であるが、物語運びに違和感を覚える部分もあった」といったところでしょうか。



核兵器の衝撃すら耐え切り、ありとあらゆる規格外の殺傷兵器を有し、高速移動、戦闘までが可能という、まさしく化物というべき兵器「オブジェクト」を巡って、か弱い人間でしかない主人公達が、この兵器にどう立ち向かっていくのかを描き。いわゆる、「弱きが強きを挫く」という古めかしいコンセプトを地で行っているところが個人的には気に入りました


また、タイトルにもなっているオブジェクトについても、『ヴァンドレッド』のペークシスプラズマのように、ただ「新エネルギー」や「新技術」という名目の元、詳細を説明する必要のない曖昧な機構を用いておらず、現在我々の知りうる科学技術や兵器開発の延長線上にあるかのような理論的な説明が随所に入っている点は、さすが『とある魔術の禁書目録』の作者である、と感心するばかり。


50メートルもの巨体を制御する術や、高速移動を可能にするためのメンテナンスの重要性しかり、その巨体ゆえの弱点や消費エネルギーというものについての言及がなされ、究極兵器だからこそ存在する数多のリスクについての説明があることで、「この兵器とどう相対していけばいいのか」、読者も一丸となって思考に耽ることができる要素があることは我々読み手にとっても、作品に没頭する良い触媒になったようにも感じられました。



キャラクター同士のやり取りにおいては、戦時下ということで自然かどうかの真偽はさておき、ややエロネタ(H字ベルト事件、調整フルート事件etc・・・)に比重を置きながらも面白いものが多く、彼等の口から出る半分近くが戦況や技術への言及であるのに対比し、良い息抜きになっているようにも思いました。


軍隊に所属している故か、全面的に「アホ」だの「間抜け」だのと辛辣なセリフが多いことに関しては読み手に様々な印象を与えるでしょうが、罵りあいながらも根っこの部分ではお互い信頼している節が見られるので個人的には気になりませんでしたね。




ひとつだけ作品の不満点があるとすれば、以前どこかの雑感記事でも書かせて頂いたように、強大な力を持つAと矮小な力を持つBとが争った場合、「力が小さい方(B)が勝ってしまう法則」というものがありまして、これが今作においてやたら目立ってしまっていることが挙げられるでしょうか。


上記したように、今作において戦争の代名詞たるオブジェクトにも様々な弱点やリスクがあることは本編中でもいくつか明言されていますが、だからといって生身の人間が知恵を絞ったところで対等に戦えるような相手ではないことは明白で、その常識が覆がえっていないにも関わらず、人間、それも正規軍でもない若輩たちが次々と勝利を収めていくことには疑問が残ります。


たしかに、クウェンサーたちも突撃銃片手に真正面から撃ちあうような馬鹿な真似こそしていませんが、作戦を遂行する途中「たまたま」や「偶然」という言葉にかなりの部分助けられていることが現状であり、その積み重ねで勝ち取った勝利が、さも当人たちの実力のように描かれていることはどうにも不自然に映ります。

奇跡や偶然を完全に否定はいたしませんが、それでも限度といえば1度や2度が臨界点で、それ以上の要素を作中に盛り込んでしまったことは単純に「奇跡の安売り」というべき評価を与えるものでしかありません。


戦車相手でさえ、爆薬と銃器だけでは心許ないにも関わらず、それが国家戦力級の巨大兵器に変わっても勝利を収めてしまえる原因は、作者の意図によって生かされている、もしくは「主人公ゆえの不死性」ということになるのでしょうか、さすがに見ている側としては辟易せざるを得ないというのが現状ではないでしょうか。


一冊の本にやりたい事を詰め込む姿勢は素晴らしいと思いますが、奇跡や偶然は十全な準備のもと、最後の最後に挿入することで輝くものであってほしいものですね。



ちなみに個人的な要望をひとつ述べさせてもらうと、作中に登場するオブジェクト毎にそれぞれスペックシートとシルエットが挿絵になるのですが、シルエットではなくちゃんとした絵として見たかった、というところですかね。




有名な筆者であり、次巻が出ることが当り前の環境にありながらここまで一冊の本に情熱を注ぎ込んでいる点は大変素晴らしいと思いますし、いくつか不満点があるとはいえ、全体的に大変面白く読めた作品であることは疑い様もありません。オススメの一冊です。




気になった方は、是非一度読んでみてください。








読了お疲れ様でした。



※SSが書き終わるまで、更新が思うように捗(はかど)らないと思いますが平にご容赦を、進捗状況については、横の「twitter」欄を見ていただければわかるようにいたしますのでよろしくお願いいたします。

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○2011/05/27○
プラスチック爆弾さえあればどんなオブジェクトでも爆破してみせるぜ!俺たち特攻野朗Aチーム!……でも、上司の説教だけは簡便な!みたいな内容だったかな。

細かい事は気にすんな、考えるな、感じるんだ。

話は変わるがさとり妖怪は気苦労が絶え無そうだよね!まったく関係無いけど細長いチューブって引っ張れば千切れそうだよね!まったくもって大変だね!

東方SS、ゆっくりでもいいのよ?期待はしてるが
[ 編集 ]
○2011/05/28○
> プラスチック爆弾さえあればどんなオブジェクトでも爆破してみせるぜ!俺たち特攻野朗Aチーム!……でも、上司の説教だけは簡便な!みたいな内容だったかな。
> 細かい事は気にすんな、考えるな、感じるんだ。

内容を要約するとそんな感じでいいと思う(え)。
たしかに細かいことを気にするより、主人公達TUEEEEって思っているのが一番良い楽しいとは思うんだけどねぇ。随所に奇跡とか偶然とか配置しちゃうと、例えば10体のオブジェクトと対面しても勝ってしまいそうなハラハラ感のなさがうまれちゃって、これから二巻三巻と続けていくことを考えると序盤でやりすぎかなぁ、と。その一方でお嬢様のオブジェクトがそれほど活躍していない違和感もすごい。

所謂「弱きが勝つ」法則。そろそろ強者のお方にもハチを回して差し上げたい今日この頃。


> 話は変わるがさとり妖怪は気苦労が絶え無そうだよね!まったく関係無いけど細長いチューブって引っ張れば千切れそうだよね!まったくもって大変だね!

あれはゴムチューブではありません!断じてちが~う!それっぽいけど!
ちなみに私の考えるさとり様設定では、あの目はあくまで補助装置。戦闘時にのみ装着して相手の心をミルミルするわけだけれども、寝るときはしっかりベットの横に置いておきます。こら、こいしちゃん、セロハンテープ張っちゃ駄目でしょう。(気持ち悪い)

> 東方SS、ゆっくりでもいいのよ?期待はしてるが

期待されればこたえる。打てば響く。

そんな人間にワタシハナリタイ。(つまり到っていないわけだが)

しかし筆が進まない。日ごろの~んびり構えているツケがこういう場所に出てきちゃうんですよねぇ。なるべく今月中。無理にでも2日、3日には出します。もしかすると、八割だけを今月中に出して、追記として残り二割を2,3日後、という体系を取るかもしれないのでご了承~。

がんばる。ぱるぱる。

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