espliaのちょっとだけ時代遅れ。

生むは雑感、生きるは過去、ちょっと遅れた感想中心ブログ。

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神曲奏界ポリフォニカ「ロマンティック・クリムゾン」、雑感







私達は聴いて欲しいんだよ。
相手に伝えたいんだよ。
一緒に何かを感じたいんだよ。
だから。
たかが五線譜の上の“オタマジャクシ”に必死になってんだよ。






GA文庫さん刊行、榊一郎著『神曲奏界ポリフォニカ「ロマンティック・クリムゾン」』についての雑感を今回は綴っていきます。


Espliaのあらすじ

バスの中から、公園を歩いていた少女「シェルウートゥ」を見かけ、一目惚れしてしまった少年「カティオム」は、話をした後どこかへ消えてしまう彼女のことを探るべく、「フォロン」「コーティカルテ」らの所属する事務所に彼女の捜索の依頼しにやってくるのだが・・・・・・。


読了後の感想は、「動機付けは弱いが、それなりに纏まった作品だった」といったところでしょうか。



まず全体的な印象として、公園における器物損壊事件という簡便ながらも後々に響く伏線が用意してあり、キャラクターたちがひとつの目的に向かって行動をしていくことにより読者にも行動理由がわかりやすいこと、「静」「動」両面のメリハリを利かせた場面描写があることなどから、一個の作品としてはそれなりにすっきりと纏まった物語運びであることが伺えます



前回では、第一巻が故に、世界観やキャラクターたちへの説明不足に共感性を削がれておりましたが、今回は第二巻ということで、前巻の物語を踏襲しつつ物語を追うことができたため、既存のキャラクターの方向性を見失わずにいられたことが、やはり今作の評価に大きく影響を与えたのだと思われます。



しかし全体的な印象はすっきりとしているものの、場面場面においての不満が無いわけでもなく、例えばト書きの部分にて「レンバルト」の仕事ぶりを


言うまでもないことだが・・・・・・報告書に記載される文面と口頭で行う報告の内容とが全く同じという事は有り得ない。(紹介書籍P64、14項抜粋)


という14行分(27項)までの間、どう考えても物語の進行に関係ない説明を延々と挟まれた文面のような、言ってみれば蛇足としか言えない文章が作中のそこかしこに見られ、その度に軽い疲弊感を覚えることが多かったことなどが挙げられます。



無論、それが恋愛や仲間内での和気藹々として雰囲気というものをギャグテイストで語る「良い意味での蛇足な文章」ならば苦言を呈することもなかったのですが、上記のようにそもそも何のために用意されているのかが理解出来ない機械的な文章に限って言えば、いっそ削った方が物語のテンポ上良かったのではないでしょうか。




またその一方で、上に綴ったような無駄な文面が多い反面、今作のメインであるシェルウートゥとカティオムの恋路という「動機」における、状況ないし場面説明が不足気味であることが気になりました。

というのも、物語に一通り目を通した後でも、結局の所カティオムの行動原理の全てはシェルウートゥへの「一目惚れ」という短絡的なものに終始しており、平たく言えば行動理由としてはやや希薄なレベルを超えられていないように見えてしまったわけですね。



終盤へと物語が進んでいくにつれ、二人の間にはさも深い愛情があったような前提が組み上げられておりますが、カティオム本人が「彼女のことをよく知らない」と明言しているように、二人のつながりは悪意を持って解釈すれば「容姿に惚れた」だけであるとも言えますし、その行動も恋慕、思慕と言い換えれば実に綺麗なものですが、結局のところナンパの形式でしかないことも事実であります。


一目惚れから一生涯の伴侶を見つけることは現実でもままあることで、逢瀬を重ねた期間やお互いの情報量が=愛情というほど単純なものでないことは私にも理解できますが、こと文面においては説明してし足りないということはありませんので、もう少し二人の関係や行動、心持の変化などにスポットを当てた方が、後半の展開に無理なく持っていけたのではないでしょうか


一応、一目惚れから後半の展開へと繋がる理由として、コーティカルテ達の関係との対比がしてありましたが、彼等の出会いのきっかけが音楽であったのに対し、シェルウートゥ達はやはり一目惚れ、大味に「容姿」が主な動機となっている(ように感じられる)ため、的外れな印象が拭えません



恋愛感情が常識を払拭する。
素晴らしい観念ではありますが、ここまでお互いを知らない両名を引き合いに出されても、感動というラインにまで飛び上がるには力不足であるよう、どうしても思ってしまいますね。





さらにひとつ、個人的な懸念を述べさせてもらいますと。


本編中に、神曲というものが精霊にとっての「麻薬」に当るとして、その依存性と中毒性の高さの説明としている場面があります。
これは当然、ファンタジックな世界観を説明するために、我々読者の身近なものに対象を置き換える表現方法でありますが、現実的な話


麻薬ね! わかるわかる! あれすごいよね!


なんていう人は(ほとんど)いないでしょうから、非現実を非現実で説明しているに過ぎず、頭ではわかっていても実感として感じられないという観点においては同格で、多少なり違和感がありました。


「中毒性が高い」という知識だけを持っているのは麻薬であっても神曲であっても変わらないわけですし、せめて「たばこ」だとか「爪の噛み癖」だとか、もう少し万人向けの説明を入れたほうがわかりやすかったように思います。(どっちも微妙・・・・・・)



まぁ、どちらも中毒性としては下の下ですし、たばこは置いておいても「爪の噛み癖=神曲」というのはそれはそれですんごい嫌なんですけれどね



説明不足という意味では前巻同様、楽器から奏でられる音についての描写が相変わらず実感を得られないものばかりですが、この一点に関しては筆者のインスピレーションの顕現ということで大目に見るべき事象と思い、言及は控えさせていただきます。





いろいろと書きましたが、前巻の疎外感から一転、堅実な場面描写ですっきり纏まっており、動機付けの弱さこそ目立ちましたが、読みやすい作品でした。



気になった方は、ポリフォニカシリーズについて一度ご自身で調べた後、読んでいただければ幸いです。







読了お疲れ様でした。




※延期といっておきながら、順番どおりに読み進めないと心持ちが悪かったので、あえてこの順番となりました。相変わらず言ってることとやってることが噛みあわないのは最早性格でしょうかね。

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○2011/05/13○
タイトル見て、更新して無いな……と思ったら更新していた

タイトルだけパッと見ても分からないって前回書いたけど本当に分からないから困る

内容については注釈でイケメンに限るとか載せとけば大丈夫だよ!

って思うくらいには受け付けないキャラだったかな
[ 編集 ]
○2011/05/14○
返信送れて申し訳ない!

> タイトル見て、更新して無いな……と思ったら更新していた
> タイトルだけパッと見ても分からないって前回書いたけど本当に分からないから困る


私自身更新しつつ「これ更新したってわからないんじゃないか?」と思っていたらまさかの的中でござる。

タイトルももちろん似通っててわかり辛いんだけど、何より死活問題なのは表紙までソックリだということでしょうかね。クリムゾン、って命名があるから赤を基調としたイメージで、表紙はコーティカルテのみ、これじゃあどう頑張っても識別しにくくなるしかないでしょうに。

個人的には表紙で下着の一部を見せる構図が蔓延しているのはなんとも微妙な気持ちにさせられます。



> 内容については注釈でイケメンに限るとか載せとけば大丈夫だよ!
> って思うくらいには受け付けないキャラだったかな

一目惚れという動機から、特段相手への理解を深めていく描写もなく、最後まで相思相愛っぽく描かれているのはたしかに不自然。雑感でも書いたけど、これじゃあ「容姿」で全てが決まったのだと言っても過言じゃないんですよねぇ。
実質寿命のない精霊と人間の恋愛関係なんだから、よくある「小さい頃からずっとアコガレていた」みたいな注釈でも挟めば、まだ一目惚れにしても年月相応の深みが出たというのに・・・・・・。

ついさっき好きになって、なんとなく付き合いはじめました的なリアル感。いったいどこに共感性を見出せばよいというのだろうか。
[ 編集 ]
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