espliaのちょっとだけ時代遅れ。

生むは雑感、生きるは過去、ちょっと遅れた感想中心ブログ。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
*
スポンサー広告 ○ Trackback:- ● Comment:-○

東方SS 『東方守命魂』 第一章 「一滴の水」後編

前回続き、この度は第一章(後編)を掲載させていただきました。

相変わらず、本作は「東方project」について全く知識の無い方はもちろん、出来の悪い小説に嫌悪感を覚える方。単純に長文を読みたくない方も、続きはクリックされない方がよろしいかと存じます。



そこまで注意を受けて、なお読もうとするツワモノの貴方は、↓をクリックして続きを出してください。


ちなみに以前の内容を忘れてしまったかたはこちら (私の筆の遅さが全ての原因でございますが)

『東方守命魂』プロローグ


東方SS 『東方守命魂』 第一章 「一滴の水」前編



からどうぞ。




※する人がいないことは十分わかっておりますが、無断での転載、及びコピー&ペーストはご自重ください。



以下より本編






 ◆


さぁさ皆さんグラスを上に。
まだ叫んじゃあだめですよぅ?

さてこのたびは、この不肖私めが音頭を取らせて頂くことになりました。
我が人生、生まれてより幾年の若輩ではありますが、このたびの光栄、滑らかなる口上にて返答していきたいと存じます!
 
ご同輩の方々様、えー我々の同志、「智明」が見事大命成就の快哉を上げたことをここにご報告いたします!

そうです、そうです。
我々の悲願であった青春のカタチ! ほとばしる汗とフレッシュな男性ホルモンが鳴動する、「部活動」が、なんと来週からはじまってしまうんですよぉ!
さらば!マンネリの高校生活!という奴ですねぇ!

まぁ、内容は汗も飛ばないようなインドアなものなんですけど・・・・・・。
部費で買う最初の一冊、悩みますね~。アガサ? エラリィ? エドガー? オルツィ? コナン? 著名な外人推理小説家の名前が山ほど挙がるでしょうが、ここやはり、前人未到、未だ見ぬエデンを求め、名も無き名作を掘り出すのもまた一興ではないでしょうか!

え、やだ? まぁそうですよねぇ、無名の人って外れ多いですし。

とにかく!
この度は、智明不在ながらも、外部からの同志を得た我々が、見事宿願を果たした――。


なんですか、もう! 人の演説にチャチャ入れないでくださいよ~。


同志について、ですか?
そうそう。名前はまだうろ覚えですけど。あの薄幸そうな女の子のことですよ。
智明が何度も何度も、我が部活動に勧誘していたにも関わらず、漫然と拒否しつづけてきた憎き、いや、「元」憎き同級生ということになりますねえ。
ライバル? いーえいーえ、あれはもうフィアンセでしょう! きゃー!


ごほん。
失礼。ちょっと取り乱しましたね。
何にせよ彼女、一時は髪の毛を金金に染めて反抗的な目つきで教師に対抗していましたが、最近ではそんな問題行動も快方に向かっていると、智明がうれしそうに喋っていましたよ。

まぁ何もかも回復したわけでは、対極的にないのですけれどね。

そこはほら。当事者の智明とは違って、部外者である我々だからこそ気付くこともあったわけでして、・・・・・・んー、そういう意味からでも、彼女の真なる開放を目指して、祝するのも悪くはないかもしれませんねぇ。


よし!前口上はこれくらいにしておきましょう!


では皆様。手を上に。

我等が祝福する一組の男女。その「始動」と「開放」を祝して――、
 


「「「「「「乾杯!!!」」」」」」






「アンタってやっぱり変よね」
「なんとなくですけど、自覚してます」

あの猫の鳴き声が聞こえた日から、二日目の朝。
案の定傷口が原因で高熱を出して丸一日苦しんだ後、ようやく布団に胡坐が掛けるようになった智明は、ゆるやかな朝の日差しを浴びながら、パルスィと向かい合って朝食を食んでいた。

メニューは良くある日本の和食。そこからメインディッシュの焼き魚を抜いたラインナップだ。なんでも、
「川魚はこの時期あんまり岩場から出てこないのよ」
ということらしい。
布団に包まっていても体感温度は相当に低く感じられることから、この場所――「地底」が、冬であることを智明は確かに肌で感じ取っていた。こんな寒くては魚だって家からは出たくないのだろう。


「自覚があるのは結構だけどね。もうちょっとこう、絶妙に笑わせてくれそうな反応を見せて欲しかったわね。
まぁ、今更否定してもどうしようもないから言うけど、ここは地表じゃなくて地底で、具体的には地底にある町の外れってとこかしら」
「わ、笑わせてくれそうなって・・・・・・。これ以上無様になりようがありませんよ」

 大の男が少女たった一人の世話になり、寝床は奪うは、食費は嵩ませるわ、貴重な時間に、限りあるプライバシーまでも侵すわ、おまけに家事も手伝えない怪我、高熱まで出して手を煩わせた挙句。

 ――どうしてこんな風になったのかも説明できやしない。

いつかの偶然と、いくつかの不運。
そういった重なったものに、理不尽を感じないといえば嘘になるだろうが。それで彼女に対しての申し訳なさが消えるわけもない。
やや得体の知れないキノコ――なめことしめじを足して割ったような――の入った味噌汁を啜りながら、苦汁まで飲み込んでいるような気にもなってくる。


ちなみに、パルスィが智明を混乱させないようにと伏せていたこれらの情報を知ったのは、実は割かし最近のことだ。具体的に言うと「さっき」で。正確に言うと今朝である。

高熱から復帰し、朝――とはいっても正確な時間帯はわからないのだが――目を覚ました智明は、家主不在の家の中、布団の中溜まった湿気に絶えかね、気分転換をかねて外の空気を吸いに出ようと画策したのである。ここは田舎だというし、外の空気はさぞ気持ちが良いことだろう、なんて安着にも考えていた。

幸いにも足の傷は「死にたくなるほど痛むだけ」で、歩くという機能を奪うほどのものではなく、今までこちらをさんざん苦しめておきながらも、存外呆気なく地に足をつけられたことに感動を覚えながら、智明は外界への扉を押し開けたのだ。


その時見た光景を、たぶん智明は一生忘れないと思う。


真上、暖かな光が、スポットライトのように智明を照らす。
日に当てられ、漂う埃がキラキラと中空に輝く一方、視線の先には見事なまでに真っ青な大きな湖が横たわっている。
絵画にするほど静謐ではない。それでも、その美しい光景は、智明の呼吸をしばしの時間奪うに値するものであることは間違いなかった。

そして同時。それらの光景に、いくつか彼女のついた「嘘」に思い当たる節があったことも思い出していた。

「嘘って言われるよちょっと傷つくわね。情報統制って呼んでくれない」
「あ、すいません。で、えーと、その「情報統制」、実を言うと少しだけ気にはなっていたんですよ。もちろん、実際に目にするまではほとんど妄想みたいに思っていましたけど。私、結構田舎暮らしには慣れてまして。
何て言うか、こう。少しだけ夜が暗いのなぁ、って」

夜が暗いのは当り前だ。という突っ込みがないことから、パルスィにはこちらが話す意図に気付いているのかもしれない。


都会に住んでいると気付き辛いが、人工の光がほとんどない田舎の空では、所謂、満天の星空というものを拝めることがある。
それは勿論、ひとたび森に入ってしまえば、褪せてしまう程度の「寂光」ではあるが、周囲の物体を目視するに適うだけ、光源としての最低限の機能が持ち合わせている。

しかしここには、それがなかった。

「あとは「虫」です。ここには蚊帳がないですし、日中とはいえ窓は開け放していましたからね。喧騒も車の音もしない、田舎。それも空調さえない場所で虫除けにほとんど意識を割いていないことは、少しだけ不思議だったんです。
だからここは、たぶんどこかの屋内にあるんじゃないかな、とは思っていたんですが。いやぁ、まさか洞窟の中だとは・・・・・・」

浮かべた苦笑いへのコメントはなく、その変わりにどこか呆れたような声色で、

「熱に浮かされているワリには良く見ているわね。日中はあの穴のお陰で明るいから、てっきり気付いて無いのかと思ってたわ」

囲炉裏に吊るした黒金のヤカンから熱湯を湯のみに注ぎ、パルスィは白湯を智明に手渡しながら、不満そうに目を細めた。
「ありがとうございます」と礼を言ってから智明は受け取り、痺れるような熱さのソレを一口啜る。
水道水をただ煮沸しただけのカルキ臭いものとは違う純粋な真水は、実に飲みやすい。
しかしそれも、蛇口を捻って出て来る水とは違い、生で飲むことは適わないからこそ、手間隙が掛かっている分一滴の「重さ」が身に応えるようにも感じられた。

「おいしいですね」
「ただの白湯よ」

さて、と。区切るようにパルスィは手を合わせ、こちらに目を向けた。

「そうか・・・・・・、それなら。
地底の件のほかに、隠し事、ってわけでもないけど。もうひとつだけ是非とも話しておきたかったことが思い出したんだけど」

思い出したというワリには、幾分滑らかな口調で、

「この世界に住む、――妖怪という存在について、幾つか説明をしておきましょうか」


とんでもないことを口走った。

 
「まず、これからする話の内容には、科学的な根拠や証明は添えられないことを明言しておくわ。ついでにそれを踏まえた上で、私は嘘偽り無く真実を述べることも約束する。――どう? 信じる?」

ヨウカイ。溶解。妖怪。いったいどのヨウカイですか?

なんて。根本的な質問が口をついて出てきそうになったのを自覚して、智明慌ててそれを飲み下した。「それは真面目な話題ですか?」「それは常識的な話ですか?」そんなふうに文句を言って、この場で話を遮ることは簡単だろう。
だが、彼女の話を聞く前から自分の常識をぶつけて鬱憤を晴らす無礼さを自重すべき気持ちと、思考の隅、凝り固まった薄もやのようなある予感が、パルスィの言う「説明」を無意識に促していた。

「とりあえず、話を聞かせてもらうことはできますか?」
「もちろん。すぐに信じるって言わないところは素敵よ」

そう前置き、訥々とパルスィ口を開く。

「大前提として、妖怪と人間の大きな違いについて話そうかしら。
――ねぇイズミ、妖怪って何で生きていると思う?」
 
こと人間で言うならば、我々は健康的な食事と一定時間の睡眠さえあれば最低限生きていることは出来る。が、それが妖怪となると・・・・・・。

「食物、なんでしょうけど。やっぱり普通のものじゃあないんですかね」

妖怪とはなんぞや。そう問われたところで、出て来る回答は漠然としたものばかりだ。
きまぐれで人肉を貪ったり、生気を吸い取ったりする恐怖の象徴のような、安易なイメージ。

中でも高校時代、古語の講義で教わった『伊勢物語』に出て来る、意中の女性を蔵の中に入れて護衛をしていたが、気付くと女性は倉の中から居なくなっていた、という話に身震いさせられたことを思い起こした。

それを話すと、パルスィは一つ頷き。

「『伊勢物語』六段の「鬼一口」か。なるほど、妖怪の「性」を上手く表現した作品だと思うわ。・・・・・・まぁ、食べられた女というのが神隠しの暗喩だっていう説が主流なのだけれど、それは今どうでもいいわね」

ぴっ、と。パルスィは二本の指を立てた。

「段階を置いて解釈を広げましょう。
前提として、妖怪には、生粋の純血種そして人間から変容した変性種。この二つに分かれると私はみているわ」

生粋の純血種、それは。

「純血種は、さっき貴方が言った「鬼一口」のように、神隠し。またはそれに順ずる日常世界では起こりえない不可思議の置換物よ」
「チカン・・・・・・?」

凄まじい勢いで飛来した拳に顔面を抉られ、悶え苦しむ傍らでパルスィは溜め息を付いた。

「この薄汚れた破廉恥漢(はんれちかん)め。盛ってないで聞きなさい。
コホン・・・・・・。いい? つまり純血種の妖怪は、人間が作り上げた恐怖のイメージそのものなのよ。有体に「代替物」と言い換えてもかまわないわ。
貴方だって一度は不思議に思ったことはないかしら。神隠しを起こし、天変を変動させ、人を襲い食らう恐ろしき化物どもが、どうしてひ弱な人間を根こそぎ全滅させてしまわないのか」

人間が作る不可思議の恐怖そのもの。それがもしも、妖怪という代替物に挿げ替えられ、幻視されているのだとすれば。

「理解できたようね。力ある原初の妖怪たちが重要視するのは人と妖怪の調律を保つ事。だからいつまでも人はいなくならないし、妖怪も消えない」

その説明に、智明は一つだけ気になったことがあった。
それは、

「でもパルスィさん、私が知っているのは伝承だけですよ? とてもじゃないですけど、生身の妖怪なんて見たことがありません」

いや。実を言うと、幼少期地元の住職から「カッパのミイラ」なるものを見せてもらったことはあるのだが、今思い返してもあれは亀の屍骸にしか見えない紛い物の代物だった。

「そうね。正確に言えば、人はいなくならないし、妖怪も消えない「はずだった」」
・・・・・・さっきもいったわよね。純血の妖怪は不可解なものの代替物だって」
「最近の科学の進歩が、それを妨げたわけですか」

パルスィは囲炉裏にくべられた小枝を一本抜き取り、智明の前に掲げた。

「ものが燃えるのは、果して奇跡か化学か。フロギストンか酸化反応か。
そんなものの「ケリ」はずっと前からついてるのよ。
たしかに科学も妖怪たちにトドメを指しうる存在ではあるのだろうけど。正確に言えば代わったのは事実ではなく「思想」よ」

農作物が育たないのは祟り。雷鳴は龍の唸り声。障子の震えは妖怪の哄笑(こうしょう)。

「不思議なこと。恐ろしいこと。人々がそれらを全て漠然とした「結果」として黙認してきたことが、江戸を境にしてその解釈の範囲を肥大させ始めた」
「寺子屋ですね」
「そう。
朱子学、陽明学を筆頭に、開国以来の日本は様々な知識を吸い取り。この世のありとあらゆるものには唐突な「結果」だけが無いことを知ってしまったのよ。
寺子屋はその最たるものね。子供への教育体制が整ったことで、加速度的に「彼等」の居場所は失われていったわ」

智明はパルスィのその表情と口調に、いつか教師が口にして言葉を思い出していた。

――子供が夢を見られる時代は終わった、か。

「事象には必ず過程が存在する。そしてその過程は人間の理解を間違いなく超越しない。
この二つの思想が幅を利かせ始めたからこそ、妖怪たちは進行形で消え初めていっているのよ。娯楽小説として妖怪が小馬鹿にされ始めたのも、十返舎一九の滑稽話なんかが流行り始めたのもこの時期ね」

そこで話は最初に戻ってくるのだ、と。パルスィはようやく湯のみに注いだ白湯で喉を潤した。

「せっかく自己を保つために人間を生かしていたら、いつのまにか妖怪は絶滅の危機に瀕していたという顛末に到ったわけ。もちろん、学問が流布し始めた頃から妖怪が衰退する可能性は賢者達によって論じられてきたみたいだけど、そんな「懸念」だけで止まるほどそれは穏やかな流れではなかった」

そこで。

パルスィは中身を一気に煽った後、その湯のみの水気をふき取り、畳の上に逆さまに置いた。

「生粋の妖怪たちは、こう考えたのよ。
――人間と妖怪の調律を保てる地を用意し、管理しよう、ってね」
「それが、「ここ」なんですね」

なぜパルスィが唐突に妖怪という存在を話そうとしたのか。それを思えば、流動的に到る回答であった。それが信じるに足るものかどうかはさておき。

「そういうことよ。――ああ、安心しなさい。外に出ればすぐに信じると思うから」
「そ、そうなんですか」

そうなのですよ。
そうにっこりと。向けられた笑みにドギマギする一方。なんだか素直に喜べない猛烈に嫌な予感が彼女の周囲に漂っている気がした。
苦い笑顔を浮かべる一方。
外に出た瞬間、龍とか巨大怪鳥とか飛んでいたらどうすればいいのか。なんて思ったりもしたが、そんな疑問を問うたところで「食べられれば?」などと笑顔で言われそうなので、質疑はまたの機会に回すことにする。

「顔色が優れないのは傷のせいかしらね。 迷惑だから、やせ我慢なんかしないで痛いなら痛いっていいなさいよ?」

顔色が悪くなったのは精神的なものだったが、長時間座っていたせいか実際に傷口が痛みはじめていたのも事実なので、その言葉に甘えることにした。
外気にやや冷えた布団に身を再び横たえ、パルスィに視線を向け直す。

「それで、最初の答えはどうなるのですか?」
「最初の答え、・・・・・・あ、そうそう。それを忘れてた。悪いわね。解説に熱が入りすぎて内容が脱線しすぎたわ」

彼女が最初に発した問い、それは

「妖怪は何によって生きているのか。答えは単純。――その「存在理由」よ。
人だったものが強い妄執で妖怪化したいわゆる「変性種」なんかは、特にこの定義に強く依存するわ」
「人が妖怪になる?」
「そうよ。もちろん単純に生りたくて生るわけでも、手順を踏んで論理的に到るものでもないけれどね。時に強い感情――、だいたいは憎しみや妬みだったりするわけだけれど、それが昂じることによって人としての箍(たが)が「外れる」ことがままあるの」

ふと、パルスィの顔に影が差したように思え。智明は彼女に気遣わしげな視線を送ったが、意図が通じたからこそなのだろう、ふん、と溜め息一つであしらわれた。

「愉快な話じゃないことは事実よ。病気の姫のため妊婦の生き肝を求めた老婆。理不尽な死を契機に土地に居着き人を呪うしかなくなった怨霊、念縛霊。どれもこれも、聞くに堪えないものばっかり」

うんざりだ。といわんばかりの表情でパルスィは肩をすくめた。

「怨霊も妖怪なんですね」
「正確には怨念が肥大しすぎて実体化するぐらいやばい奴だけね。耳元で夜な夜な呪詛を吐いたりする低級の輩も大概だけれど、実体化可能な霊の恐ろしさは半端ないわよ。――アンタも外に出るなら気をつけなさいね」
 「き、気をつけろって言われましても・・・・・・」

智明の脳裏になぜか長い黒髪の女が四つんばいで襲い掛かってくるイメージが浮かび、背筋が冷えた。時速30キロくらいのスピードで追いかけられそうだ。

「その点に関しては苦肉だけれど対策を打ってあるから安心しなさい」
「対策・・・・・・? あ、すいません」

食器を片付け始めたパルスィに湯のみを渡し、そのまま外へと出て行ったのを見送ってから、智明は眉間に指を当てた。

――にわかには信じ難い話だなぁ。ここが地底で、妖怪がいっぱい。そんでもって怨霊に追いかけられるかもしれない、っと。

もしもその話が本当ならば、智明自身がこの世界に迷い込んだことになる。
それがいったいどのような意味での超越かはわからないが。

――江戸時代に飛ばされたっていうよりはマシかな。

彼女は畳に、逆さまにした湯のみを置いて「この場所」と表現した。つまり今までの話を全て統合した上で出せる結論は、

「日本のどこかに、外界から途絶された妖怪の世界があって、ここが「そこ」だってことか」

加えて言えば、江戸時代からの思想の変化に妖怪がついていけなくなったわけだから、この世界の文明は当時から停滞していると見るべきだろう。
となれば、この小屋の古めかしさ、調度の具合、生活様式、その全てに納得がいく回答が得られそうだ。
寝返りを打つと、直りかけの傷がジンと痛んだ。それが証拠だ。
これは夢などではない。

そして、

「どう考えても、そうなんだろうなぁ」

最初見えた時は、その美しい目の色に心の底から魅入ったものだ。
晴天の元、澄み渡った湖畔眩しさはなくとも、霧に煙った朝靄(あさもや)を思わせる理知高き蒼色の瞳。
あれはそう。

「人間のものとは思えないぐらい」に深く、掛け値無しに美しかった。

決して口には出さない。しかしあの柔らかそうな金色の髪、そこにひょっこりと覗く葉形の耳朶をどう説明すればよいというのか。
一人で家を建ててみたり、外見的には智明より何歳か若い印象あるにも関わらず、それを凌駕する豊富な知識と見解、――そして恐らくは経験も。

存在理由を糧とし、食寝を超越する存在。
彼女が全盛期、江戸の世に生まれたと仮定するならば、その齢は優に百を超えているはずで・・・・・・。

――頭が上がらないわけだ。

もちろんこれも仮定だ。
智明は彼女に、その存在を問うようなことは絶対にしたくないし、倫理的にもするつもりはない。漠然と理解できるのは、彼女が智明程度の若輩に興味を持ったこと、それが奇跡に近いものだということくらいだろうか。

年齢差か、はたまた種族差か。彼女と智明では永遠に埋まらぬ溝がある。

それでも、彼女に対して何か形として残る感謝を示したい。
それが智明というちっぽけな存在に出来うる最上の「意地」だった。

リミットは傷が治るまで、――いや、それを待たずに訪れるかもしれない。
彼女がこの世界の知識を智明に教えた理由は、恐らくその場にいきなり立たされた際の混乱を防ぐ意図があるのならば、準備に費やす時間は限られてくる。

問題は、

「何を渡すべきか・・・・・・」

お礼。・・・・・・お礼か。
なぜか脳裏に箱詰めされた冷麦が浮かんだが、これは残念ながら苦渋の記憶でしかない。一人暮らしの身で10キロの乾麺を消費するのは難しいのだ。味が麺つゆ一択というのも度し難い。
一番簡単、かつ実用的なのが礼金、生活費としての金銭の譲渡だろうが・・・・・・、

――パルスィさんはあの性格だから、まず受け取らないだろう。それになんだか割り切り料みたいで気分も悪いし。

無償の愛というものがこの世になくとも、善意で介助した人間に現金を突きつける行為は悪意に熨斗をつけて返すようなものだと思う。

お金じゃないなら。・・・・・・何か、こう。重くなく。軽くもなく。実用的で、更にいえば受け取ることに罪悪感を覚えさせないようなものが・・・・・・あるわけないよなぁ・・・・・・・。

その時ふと浮かんだのは、なぜかリボンにくるまれた自分自身であった。

「・・・・・・」
体で払います!

とりあえず脳内で己を6万回ほどけたぐった後。ふと思いついた。
――そういえば、財布どこにやったっけな?
ここに流れ着いたときの服は畳んで籠に入れてあることを教えてもらったのは良いが、肝心の中身と、その確認をすっかり忘れていた。
ここでは役に立つわけもない携帯電話だが、この場所にとっては恐らく相当進んだ文明の利器であることは間違いないだろうし、不要なトラブルを起こすきっかけにもなり得そうなので、パルスィのいない今のうちに回収しておくのがベストだろう。

結論付け、智明は立ち上がろうと半身を起こした後、悶絶した。
ここに来て数日。この状況にこそ慣れたものの、やすやすと傷の癒える期間ではない。
かつて、美術の授業中カッターでこさえた傷でさえ完治に一週間は掛けたのだから、この状態でまともに歩行できるようになるまでどれぐらい掛かるのかはいまのところ想像も出来ない。
足を杵で小突かれているような鈍痛に、吐き気がした。

傷口は治りかけが一番痛いと聞くが、それは間違いなく精神状態が平静であることに問題があるだと思う。
夜中にやたら皮膚が痒くなったりするのは、神経がそこにばかり構うからなんだろうな、などと一人ごちながら、フラフラと囲炉裏の前を歩ききり、籠の中身を手でまさぐった。

「財布は、あちゃ、紙幣が全部くっついてるな。でも中身は・・・・・・一応無事か。携帯電話はダメだな。完全に壊れてる」

前、左右のポケット。後ろ、左右のポケット。そして、隠しポケットに手を入れた時だ。チャリという音が鳴ったと同時、指先に冷えた感触があった。

――鍵。

今は思い出すことの出来ない、誰かの家の鍵。そしてそこについた、見覚えのない塗装のはげたピンク色の鈴。
どちらも見覚えなど無いものだった。
そしてふと思った。

これを挿し込み、回す場所は外の・・・・・・何処にある?


恐らくは今更になって、ようやく智明は自身が置かれている状況をしっかりと認識した。してしまったのだ。

失せた数年分の記憶が、どれほど大切なものだったのか。
それを失うことの罪深さを今こそ知ってしまったのだ。。

「・・・・・・」

そりゃそうだ。
そりゃそうだよな。

傷を癒し、妖怪が蔓延るというこの場所から、外に出て。
俺はいったいどこへ行くつもりだったんだろうか。

私の顔に見覚えありませんか。
そんなプラカードでも抱えて道の端で聞き込みでもするというのか?

「こんな・・・・・・」

こんな鍵があったって、俺にはとっくの昔に帰る場所なんてないじゃないか。
身内もいない。今となっては友人の顔さえわからない。自分がどうしてこんな場所にやってきたのかもわからない。そんな人間が――。


ポン。


「・・・・・・?」

頭にやわらかな重みが乗った。

振り向けば。迷惑そうな顔しながらも、しかし何もかもを飲み込んでしまいそうな相変わらずの呆れ顔でパルスィは智明の頭に手を伸ばしていた。
洗い物を終えた手は年頃の少女のようにやわらかく、そしていろんなしがらみが遠のいていくくらいにヒンヤリと心地よかった。


「アンタってさ」
「・・・・・・はい」
「やっぱ「普通の奴」だわ」

そのなんでもない言葉に、なぜか感謝のセリフが出そうになって。妙なことを言うな、と怒られそうだったので飲み込んで。

代わりに、

「“俺”、普通に変な奴なんですよ」

そう言い終わる前に、鼻の奥がツンと痛んだ。









葉のすきまを埋めるよう、荒めの塩を塗りこんでいく。

「こんな感じでいいですかね?」

数にして計6つ。小屋の傍で栽培されたという白菜を保存用に塩漬けにする作業に没頭しながら、その視線の先、土壁に背を預けた格好で智明のジーンズを繕っているパルスィにその成果を掲げ見せた。

「仕事が丁寧なのは感心するけど、もうちょっと速度を上げなさいよ」

あの後、やや感傷に毒されていた智明を布団まで引きずり、そのまま包帯を取り替えはじめたパルスィに、座っていてもできる家事の手伝いを申し出たのだ。
もちろん、ただ寝転がって惰眠を貪るということも病人の肉体的なケアとしては十分必要な治療なのだろうが、それではいかんせん精神的な負荷が智明には無視できなかったのである。

ただでさえ、鍵の一件で混乱し始めていた己にとって、何より辛いことは気を紛らわす方法が途絶することであった。そしてそれをパルスィも理解してくれたらしい。

――ま、動き回らないものならいいでしょ。

そう言って、この保存食作りの命が与えてくれたのだ。
欲を言えば、そのままパルスィには普段しているように本を読みながら、ひさびさの休暇を挟んでもらいたかったのだが。その要求事態はあっさりと棄却された。

「縫い物は嫌いじゃないのよ。ぐちぐち妙な言いがかりばっかりつけてると、ここに花柄の刺繍を入れるわよ」

スカイブルーなどという妙に具体的な色があるわけもなく、一見して高級品と思われる藍染めされた糸で、パルスィは枝が貫通したと思しき二つの穴を見る見るうちに塞いでいく。

――すごい手馴れてるなぁ。

彼女の行動の一つ一つに覚える感情は、もはや憧憬というよりは、大きな山に溜め息をつきたくなる気持ちに似た諦観と呼ぶべきものだろう。その後ろ姿を追いかけようにも、真似ようにも、そのスケールの大きさに圧倒されるばかりである。

しかし、こちらの視線に気がついたパルスィは柳眉を潜めるだけで、むしろこちらの視線を嫌がり、縫い代を懐に引き寄せて視界から遮った。

「せっかく穴を塞いでるのに穴が開くほど見つめてどうすんのよ。
そんなに手持ち無沙汰なら今後の方針についての話をしても構わないかしらね。
さっきまで半ベソかいていたイズミくん?」
「な、ギリギリ泣いてませんって・・・・・・!」
「おあいにくさま。それを半べそっていうのよ。――いいから黙って聞きなさい。アンタ自身の進退に大きく関わる話なんだから」

パチン。とパルスィは縫い終わりの玉止めから伸びた糸を丁寧に裁断した。

「アンタがさっき「実感」したように、そのまま記憶を失った状態で外界に出ても根本的な解決策にはならないわ。帰るべき家、会うべき家族、復帰するべき職場。もろもろを含めた近況や、それに類する情報が必要よ。後者二つに関しては度外視しても、帰る家がわからないんじゃあ精神病院に担ぎ込まれるか、野垂れ死ぬかの二択が最有力でしょう」
「ここから出ることそのものは難しくないんですか?」

現実にはありえない妖怪を隔離した地域。そこには必ずその地を管理するものがいるわけで、

「こんな場所があることを、外界の人間に知られる事はやっぱりここの人たちにとって不利益に繋がるわけですし・・・・・・」

最悪、死人に口なしを体現する事態にもなりかねないのではないか。

「その点に関しては、口封じなんて物騒な真似はされないから大丈夫よ。
逆に考えればわかるでしょう。「日本に妖怪の住む土地があるんだー」なんて言葉。実体験を伴わない人間の誰が信用するのよ?
よしんば信じる人間が居ようとも、一度ここから外に出たら、奇跡でも起きない限り戻ってはこれない仕組みも用意されてる」
「じゃあ」
「難しくないだけで、はっきりいえば簡単でもないのよ。
アンタの事情を鑑みれば、これから取るべき手順は二つ」

一つ。

「最初になんとしてでも記憶を蘇らせる。もしくは客観的な観測によって、外界の情報を手に入れること。これをやらないと結局アンタは外で不名誉な死を遂げるだけ」

二つ。

「この土地の管理をしている地上の巫女に会って知恵を貰う。もしくは同じく管理側の妖怪の性悪女に直接頼むのも悪くないわね。
とにかく。ここから外に出るための橋渡しをこの二人のどちらかに頼まなくちゃならないのよ」

実際に示されてみると、その到達点は非常にわかりやすい。
しかしそれは明確ではあっても簡単なことのようには思えなかった。

中でも、

「なんとしてでも記憶を思い起こす、といわれても。なんというかその・・・・・・いつ戻るのかも、そもそも戻るかどうかすらわからないことですから・・・・・・。
記憶喪失と言っても、実質的には数年分程度ですし、その外に出るために必要な二人の女性に会わせてもらえるだけで十分ですよ」

最低限、名前と知識があれば、情報が氾濫する現在、身元や住所を調べる方法がそれほど困難なようには思えなかったし。大の男を一人、ただ一週間だけ食べさせていくだけでどれほどの費用と手間が掛かるか。一人暮らしをしていた智明にとって、それは度外視できない問題と懸念であった。

ついでに言えば、そんなつまらないことに延々彼女を付き合わせるつもりもない。
そもそもの話。こんな境遇に自身を落とし込んだのは、紛れもなく智明自身に原因があったとしか思えないのだ。それに記憶を取り戻すことが、例えば運良くできたとして。それが必ずしも今後の明るい未来を約束するものでないことにも、割かし理解が及んでいた。


しかしパルスィは、智明が内心の葛藤に気付いているのか、それとも気付いていないからなのか。口の端をにやり、と吊り上げて、朗々と否定の言葉を口にした。

「見当違いも甚だしいわねぇ。
はぁ。こんなこといちいち言うつもりもなかったんだけど。どうせ迷惑掛けているだろう、なんてことを思っているんでしょうから言っておくわ。
アンタをこうして保護したことで、我が家にはここの「お偉いさん」から良い額の礼金が貰える手はずになってるのよ」
「え? そうなんですか?」
「ただの善意で私がこんな親切にすると思う? たしかにアンタの現状には多少成り憐憫は感じるけどね。言ってみれば「ああ、可哀相だね」って、それだけよ。
家の前にプカプカ浮かんでられでいられても困るから、さっさと清掃して、それでお仕舞い」
「・・・・・・」
「額にすれば、数ヶ月。いえ、うまく行けば半年は不自由なく暮らせるだけのものが貰えるのよ。
私だって守銭奴じゃないわ。その何割かをアンタの生活費や治療費に当てたところで、十分必要経費として納得がいくしね。
・・・・・・だからアンタはいちいち私の迷惑を考える必要はないの。お分かり?」

「ああ、そうだったんですね・・・・・・」

部分部分。とってつけたような残酷な言い回しが気にはなったが、その内容はまさしく智明の望むべきものであった。
立つ鳥跡を濁さず。それは人間であっても遵守すべき概念だと思う。

「理解できたなら結構。
それに誰もアンタの記憶が戻るまで待っている、なんて悠長なことは言ってないわ」
「え?」
「さっき言った礼金の払い主。この地底事実上統括している妖怪はね。「心を読む力」を持っているのよ」

心を読む妖怪。
その性質に、智明は鈍くなった脳をフル活動させて知識を搾り出す。

「聞いたことがありますね。たしか、覚(さとり)でしたっけ?」

パルスィが頷く。

「朝説明した種類分けなら、あいつらは生粋の純血種ね。元来は山彦に派生した存在だとも言われているけれど、その根底にあるのは、「自身の醜い考えを悟られたくない」という人間の恐れの具現化でしょう。特に「覚」は人間の原初の恐怖に類する妖怪だから、その発生はヘタをすれば千年を越えるかも」
「そ、そんな凄い人、あ、妖怪に、・・・・・・まさか会いに行くなんて考えてませんよね・・・・・?」
「行くわ」

殺されるって! うわ怖っ!とか内心で思ったらそのまま頭部食いちぎられたりしそうだよ!

冷や汗をダラダラ零し始めた智明を尻目に。

「大丈夫よ。今回会いに行くのは、能力が一級品でも、対人関係にはとことん疎い奴だから」
「むしろ話が通じ無さそうで怖いんですけど」
「情けないこと言わないの。見た目はただの子供よ。それに話が通じないっていうよりは対人恐怖症っていう表現が的確だし、正確にいえばただのひきこもりだし」

ひきこもりの大妖怪。
その表現が果して穏ややかなのか、そうでないのか判断はつかないが。なんにせよ実際にこのパルスィの言葉を聞かされれば、彼の大妖怪であろうともヘコむには違いないだろう。
言葉尻の容赦のなさから、親しい友人というよりは仇敵という臭いもするのだが。

「危険がないのならいいですけど。それでその「覚」さんのところに行って、何をしてもらうんですか?」

心読む。という性質上。過去を思い出すこととはあまり関連のなさそうな妖怪である。

「気軽に話をするような間柄でもないし、私もあんまり詳しくはないんだけど。――なんでも過去に起こったことまで遡って見ることができるとか、なんとか。
はっきりいえば眉唾な話だけれど、現状手っ取り早い手段ではあるし。礼金を受け取りいくついでに寄るくらいなら手間もないしね。
それに過去を覗けるというのなら、どこの住んでいたのかを思い出すきっかけになる映像なんか幾らでも出て来るでしょう」

穴を塞ぎ終わった智明のズボンを再び畳み直して籠に入れ、一息ついた後、パルスィがこちらに鋭い視線を向けた。

「アンタが望むのなら、ここに来た理由を、見てもらえるかもね?」
「ははは、・・・・・・なんだか怖いですね」

伺うような視線を膝上に戻し。「そうね」と一言言って、パルスィはこちらに傍までやってきて、腰を下ろした。

「話に集中しすぎて手が止まってる。これから夕飯の支度もあるんだから、さっさと終わらせるわよ」

そして、こちらが静止する前に、さっさと白亜の塩の中に手を突き入れてしまった。

「・・・・・・パルスィさんはちょっと働きすぎですよ。これは俺がやっておきますから、ゆっくりお茶でも飲んでいてください」

しかしこちらの言葉を、彼女はやっぱり鼻を鳴らすだけであしらってしまう。
そしてしばしの間。ざりざり、という塩を擦る音だけが小屋を席巻していた。

 ――まいったな。

今更、言い合いをする勇気もなく、かといって真剣そのもののパルスィにこちらからその場持たせの話題を振る勇気もなく、情けないことに黙々と手を動かしながら、智明は思った。

食器一つ洗うのにも手間が掛かり、綺麗な水を用意するのに一仕事。冬の薪切れは死に直結し、マッチの一本さえ無駄にできない貴重品。そんな生活に、果して己は耐えられるのだろうかと。

古めかしいながらも、スイッチ一つでコンロには火が点る。ガス栓を捻れば部屋が暖かくなるファンヒーターに、最低限の文化的生活に含まれる、熱気を追い出す冷房。空調設備。

例えばこの世界にたった一人取り残されたとして、さてはて、智明は健やかに生きていくことができるだろうか。それにはっきり答える自信はない。

深窓の令嬢が。良家のお嬢様が。女子高出の女学生が。出合った男に恐怖や憧憬といった極端なイメージを植え付けてしまうように。一度染み付いた文化や風土を拭い落とすには、適度に強い「きっかけ」とそれを支える人物が必要不可欠だ。
いつか父親に「人」という字は、人間同士の取っ組み合いを指しているんだ、とからかわれたことがあった。それはきっと、暗に喧嘩するほどに人間らしいという意味なのだと当時は解釈していたが。

――人が二人いなければ争うこともできない愚かものども、か。

当り前のことだ。
法も文化も、愛も友情も。たった一人で育めるものなんかじゃない。喧嘩や、罵倒や、スポーツだって、きっとそうだ。だって人間たった一人、できることなんてタカが知れている。ただぼうっと、空を見て、取りとめも無いことを考え事をするのが関の山。

人間は考える葦である、っていうのは誰の言葉だっただろうか。
考えているだけで人間らしいというのは、多くの生き物が当り前に互いを鑑賞しあう土台があってこそのものだということに、気付くことは、果して良いことのなのか悪いことなのか、それはわからない。
しかし影響しあわなければ。笑いあえなければ、認め合わなければ。きっと、己の内面に篭って日々自身を眺め続けるだけの生活を送り、やがて破綻してしまうのかもしれない。

――あ。

長時間茹で上げた麺のように伸びきった思考の渦の中。一つ浮かんだことがあった。

「パルスィさん」

呼ばれた彼女は、珍しく少し意外そうな顔でこちらを見上げた。

「何?」
「お土産、持って行きましょうよ」
「・・・・・・お土産? そんなものいったい誰に、・・・・・・ってまさか」
「その覚さんに、お土産を持って行きましょう」

人の心が読めるということ。それは言葉を交わさずとも、悪意も善意も、人間らしい全ての汚濁と清涼を目視してしまうことに他ならない。
真なる意味で、我々は分かり合えないからこそ、言葉や行動でお互いに影響を及ぼしあう。だからこそ楽しいし、悲しい。

彼か彼女かはわからない。そもそも人と同じ思考回路を持っているのかさえ定かではないけれど。
そんな事情があるからこそ、なんとなく当り前のことをしてみたくなってみたのだ。

「え、何? 賄賂?」
「違います」
「袖の下?」
「意味同じじゃないですか」

強いて言うならきまぐれだろうか。
問題は、

「別に好きにすればいいけど。用意するなら、私達って名目じゃなくてアンタ個人にしてよ? 私はね、あんな奴に断じて媚びる真似なんかしたくないの」
「それはまぁ、もちろんそうするつもり、だったんですけど・・・・・・このお金、使えますかね」

手洗い用の置けで手を濯ぐ。
現行されている日本紙幣。総額にして三万円弱。詳細に語れば、一万円札が二枚。五千円札が一枚。千円札が六枚。加えて硬貨が幾枚。
取り出したのは、ついさっき手元に戻ったガマ口型の古い、智明の財布である。

「これ「円」札ね。随分凝った印刷だけれど、ええと、・・・・・・総額で一、十、百、千・・・・・・万?」
「だいたい三万円ですね」
「実はアンタって大金持ち?」
「たぶん違うと思いますけど・・・・・・。俺の年齢を考えると、多くも少なくも無い平均的なところなんじゃないかと」

ふうんと頷いたまま。パルスィはしばし何かに思いを馳せている要素であった。

「それが嫌味じゃないのなら。外の経済状況は予想より大分乖離してるわね。
ここじゃ「円が万もあれば」立派な家が建てられるわよ」

やや呆けた面持ちでそう言ったパルスィに。そういえば。と智明は一つ手を打った。

――ここが江戸か明治あたりの文化なら、貨幣価値もそのままってことか。

それならば、ここでの一円の価値は、外と比べてどれほどのものかは想像がつかない。そしてその事実は、

「こんな巨大な額の紙幣じゃ、信用的にも、物流の観点からも取引には使えないと思うわね。これだけ高度な印刷技術を取りこんだ紙幣というものも無いから、美術的な価値はあるのでしょうけれど。どっちにしても物取りに遭いそうねえ・・・・・・」

昔の文豪の給料が一月一円だとかいう知識を、とりあえず前提としてみると。一円がだいたい25万円の価値に値することになって。単純に言って、25万倍。
それが万なら、25億?

――子供銀行も真っ青な額じゃないか・・・・・・。

今日日幼稚園児のままごとだってもっと現実的な額の紙幣を用意するだろうに。

「ダメでもともと、聞いてみたんですけど。・・・・・・これじゃあやっぱり使えませんね」
「噂で、地上にはアンタみたいに外界からやってきた人の為の交換所みたいなものがあるって聞いたことがあったけど、これを見ると納得するわね。
正直ここまで円の価値が変わってるとは思わなかったわ」

一応、外へと橋渡しをしてくれるという二人の女性に会うため、地上に出る予定があるというので、換金するならばその時に交換所という場所に連れて行ってもらうしかないのだろう。

もともとお土産を持参しようと画策したのも、言ってみればただの気紛れだということを鑑みれば、ここは諦めるほかないように思えた。

せっかくのアイディアが頓挫し、やや落ち込みながらも再び塩の山に手を入れようとして、しかし視界の端でパルスィが未だに一万円札を熱心に眺めていること気がついて、智明は手を止めた。

「そうか・・・・・・。そういう手段なら・・・・・・」

おまけに何かを小声で呟いている様子は微妙に不気味で、贔屓目にもなんらかの策謀を張り巡らせているようにしか見えなかった。
翳った表情の上、癖の強い金色の髪の奥、知性に煙った緑色の瞳がゆっくりと細められていく。

「あの・・・・・・?」
「いいわ。一旦、私が換金してあげる」
「え?」

もちろんそれは、願ったり適ったりの提言ではある。
が、

「でもさっき、家が買えるほどの金額って言ってたじゃないですか。そんな大金を、使えもしなき紙切れに換えてなんてもらえませんよ」
「わかってるわよ。
アンタの世界の円と私の世界の円じゃ価値が大きく違う。だから悪いけれど、価値の比率を物価から統一させてもらった上で、ということになるわね」

物価から価値を統一・・・・・・?

「理論から説明するより、具体例で話を進めるわ
まずアンタの持つその三万円で、いったいどれだけのお米が買えるのかを教えてもらえる?」
「お米の値段、ですか。・・・・・・そうですね」

智明自身の記憶にある限りでは、実家から仕送りの名目で毎月莫大な量の米が送られてきたため、あまりスーパーに米を買いに行くようなことは少なく、一般的な相場と言われてもイマイチ要領を得なかったが、

――外国産なら安く買えるだろうけど、やっぱり平均的な金額を出すべきかな。

名だたる名品や、ブランド米を好んで購入しなれば、当て推量でだいたい10kgで3000円といったところだろうか。三万円を全てつぎ込めば、100kgが購入できる目安となる。

――たしか米俵一表が・・・・・・記憶が曖昧だけどたしか60kgぐらいだったはず。ついで一表が四斗として計算されるからと一斗が約15kg換算になるので、

「大まかにですけど、一表と二斗程度は買えると思います」
「思ったよりも安いわね。・・・・・・了解よ。
計算すると、ここでの相場が一斗で60銭、だから一表分で2円と40銭、二斗で1円と20銭。計上して、3円と60銭、というところかしら」

以外にもあっけなく共通の価値が判明したことに、智明はどこか拍子抜けをしたように気分になった。

そしてその一方。区切りの良い数字に落ち着いたからか、出された結果に不満を感じていないかのようなパルスィの振る舞いに、智明は心のうちにわき上がるような不安感もある。

「あの・・・・・・、本当にこれでいいんですか?」
「ん? ああ。もちろん、わかっているわよ。私の口から聞いた相場じゃ納得いかないんでしょ。ちゃんと第三者を連れてくるから大丈夫よ」
「いえそうではなくて。
確かに印刷技術は進んでいるんでしょうけど。こんな使えるかどうかもわからないものにお金を払ってもらって、本当に良いのかと、思いまして」

決して口に出すことはなくとも、この小屋に満ちる慎ましやかな調度の数々。そして生活様式は、彼女の暮らしが裕福なものでないことぐらいは智明にも理解できた。
畑で野菜を栽培していることなどから、食費そのものに巨額の金銭が消えていくようなことはないのだろうが、今彼女が譲り渡そうとしているものは優に一月分に相当するはずだ。

「思うから、何?」

妖怪が生きるのに必要なのは、寝食ではなく存在理由なのだと、彼女は言う。ならば彼女の行動は果してどちら側に傾いたものなのか、そしてその視点はどちらに拠ったものなのか。

彼女の真意も、正体も。智明にはわからない。
全てが不確定で、全てが煙に閉ざされている今という時間に、楔を打つ意味もあったのだと思う。

提言したのは、客観的に見れば恐ろしく馬鹿らしいことに違いない。


「交換ではなく、借金という形にしてくれませんか」


「・・・・・・利子取るかもよ?」
「トイチぐらいまでならなんとか」
「アンタはいったい、私をどういう目で見てるのよ・・・・・・」


苦言を呈しながらも。しかし智明が知る限りにおいて初めて。

彼女は心の底から可笑しそうに喉をならしたのだった。









かくして智明は、記憶を取り戻すための縁。そして手段を手に入れた。


この望まぬ旅の最終目的は、記憶も含めた最善の状態でもってここから外へと「戻る」ことにある。
そしてそのために必要な肉体面での回復は遠くにあれど。彼女の助力を経て、自由に使うことのできる路銀を得たことは、間違いなく今後の方針の幅が広げる効果を齎すはずだった。

一歩、一歩。この旅の終着点は着実に迫ってきている。


そしてだからこそ、あわよくばと願う。


目覚めれば露と消えてしまいそうな「彼女」との邂逅に意義があるのだというこじつけを。そして出来うるならば最上の感謝を形あるものとして送ることを。


今智明が胸裏に有する感情は、言葉にしてしまえばすごく陳腐で。本屋で適当に買った小説でさえ見つかるような、たった一文字か二文字の言葉になってしまうものなのかもしれない。

だけれど数百年、このまま無事に外に帰ることができた智明が、ひょっとしたら死んでしまうぐらいの長い間であっても。彼女がこの出会いを。会話を。楽しい出来事として記憶に残しておいてもらいたいという智明の願いは、間違いなく強烈な主張をもって存在した。


恋などとは言うまい。友愛とも違う。憎悪とは真逆で。しかして義務よりは情熱的なナニカ。


結果的には笑われてしまったけれど。「借金」なんていう、地獄に垂らされた蜘蛛の糸より脆弱な浅いつながりに固執したのも、きっとこの感情が原因なんだと思う。


だから、だろうか。

この時智明は、自身に感情に振り回されているだけで、本当に相対すべき問題に気付けなかったのは。

彼女を覆う問題が対話と誠意をもった行動だけで全てが払拭できるのだと、馬鹿みたいに疑わなかったのは。



「朝には必ず顔を見せに戻ってくるから、それまでゆっくり休みなさい。
痛み止めは化粧台の上。瓶の水は補充してある。軽食は籠の横ね。
ちょっと元気になったからって断じて妙な行動を起こさないこと。外に出るなんていうのもご法度よ。いい?」



その夜。


やっぱり不機嫌な顔で丁寧に世話を焼いてくれた彼女は、智明に明渡した寝床の変わり、かつて住んでいたという場所へと寝泊りに出かけていった。




そしてそのまま丸二日、時が経った。



――朝には必ず顔を見せに戻ってくるから。




しかし。彼女が家に戻ってくることは、遂になかった。





◆ 東方守命魂 第一章「一滴の水」 【了】







大変ながらくお待たせいたしました。ブログの更新にまで差し支える形になってようやく今回、第一章(後編)をお送りする運びとなりました。

今回を以って、第一章は終わり。次回からは第二章へと進んでいきます。



さて、この後編では主に、今後の舞台となる幻想郷の解釈を、私個人の見解に満ちた観点から紹介するとともに、妖怪という存在への考察、貨幣価値などを胡散臭く(え)説明し、更に同時進行で智明達の最終目的と、これからの行動への指針を描くことに終始しました。


これから、智明達の向かう道、その先に佇む巨大な壁がその片鱗を見せ始めることになり、その前兆が、パルスィの失踪という形になって、今回の最後の描写となりました。


前回。第一章前編にて、次回は地霊殿組(特にさとりん)が登場するよ! などといっておきながら欠片も出てこないのは仕様です。


殴られても文句が言えないレベルで口約を破りました。電気按摩ぐらいならば五体倒置をもって受け入れる覚悟がありますので、今回は平にご容赦を。


やっぱり、場面転換が唐突だったり、感情の変化が捉えにくかったり、語彙が貧弱だったり、文法がおかしかったりするのはクセとして定着してしまったようですね。

それ以前に文章が下手? うんうん! うんうん・・・・・・。 



次回、第二章からはようやく小屋から活動範囲が広がり、新しい人脈、そして趣深い廃屋の居並ぶ「旧都」に舞台が移り変わっていきます。

もちろん人脈といってもただ既存キャラクターを既存の設定として登場させるだけではなく、地霊殿のアイドル、さとり姉妹については独自解釈を含めた物語作りを心がけていくので、よろしければお楽しみに。


※ 本編での一表=四斗の米相場。一斗、60銭という価格設定は、江戸と明治物価を混合させたもので、まったく当てになりませんのでご注意ください。




今回も長文、読了お疲れ様でした。esplia

スポンサーサイト
*
○2011/04/29○
次回は鬼のお姉さんが出てくるんですね、わかります

聖☆お姉さん(じゅうきゅうさい)はいつになるやら

そして主人公に纏わり憑くヤンデレの呪縛……依存型か
[ 編集 ]
○2011/04/29○
> 次回は鬼のお姉さんが出てくるんですね、わかります

実は勇儀を出してしまうと、物語が一気にバトル方面に特化してしまうので、次回の出番は案外絶望的な予感。
主体となるのはやっぱり、さとり姉妹とペット達、それとヤマメ先生に次回は出張をお願いするつもりだったり・・・・・・。


> 聖☆お姉さん(じゅうきゅうさい)はいつになるやら

一章、二章というような単位ではなく、彼女の存在は「第二部」からメインになると思うんで、しばらくは日の目を見ることはなさそう。

ちなみに上の言葉からわかるように、今回のSSは相当な長丁場になる予定です。(未だプロローグの伏線すら回収しきれていない現状・・・・・・)

前に書いていたSSでも聖んが出る前にデータが飛んでしまったこともあって、今回はあの美しい御心と御姿を是非ともねっちり書いていきたいわけですね。


> そして主人公に纏わり憑くヤンデレの呪縛……依存型か

公言しなかったかもしれないけど、メインヒロインの扱いですからね。
最初から最後まで彼女には頑張ってもらいます!

とは言いつつも、次回、第二章では彼女の失踪が序盤のテーマになるんでしばらくはお役御免となりますが。なんと言われようともヤンデレは永久に不滅。
典型的なヤンデレ語録みたいなことは絶対にしませんけど、テンプレのツンデレは書いてみたいかも。

一応目指すは、純愛です。(キリッ


あ~、誰か挿絵を書いてくれないかな。
[ 編集 ]
○2011/05/05○
お邪魔いたします ワタヌキといいます

突然で申し訳ありません 自分も一応ライトノベルの感想書きの見習いですので、コミュニティのトピックでライトノベルの感想などまとめているとお聞きして
ブログを拝見させていただきましたところ、なんと東方のSSも書いてらして……
東方にうつつを抜かしていて、漫画だのアニメだのライトノベルだのに時間を裂けなかったヤツですので……なんとも、なんともわくわくするSSで……

SSというと、なんだか最近地霊殿を多く目にするような気がしますね
でもそれだけ、一悶着起こしやすいというか、ドラマになりやすいというか、なんというか・・・
心だの、精神だの、愛憎だの・・・そういう要素に溢れてますから、ドラマが起きないわけないというか
・・・怖いですね。いったいなにが起きるか(笑)

パルスィには、ぶすっとしててもらいたいですね
突然何気ない顔と冷たい声色で、甘ッたるいセリフを吐いてもらいたかったり・・・
かわいい、かわいいですよね
[ 編集 ]
○2011/05/05○
> お邪魔いたします ワタヌキといいます
>突然で申し訳ありません 自分も一応ライトノベルの感想書きの見習いですので、コミュニティのトピックでライトノベルの感想などまとめているとお聞きして
>ブログを拝見させていただきました


この度は当方ブログにコメントを頂き、誠にありがとうございます。

こうして書かかせていただいた記事に対し、何らかのコメントを頂くこと、それが感想や小説を掲載ブログを運営する上で最もうれしいことでありますから、むしろ感謝を以って頭を下げさせていただくのは私のほうです。



>なんと東方のSSも書いてらして……
> 東方にうつつを抜かしていて、漫画だのアニメだのライトノベルだのに時間を裂けなかったヤツですので……なんとも、なんともわくわくするSSで……

東方作品はどれも奥が深いですからね、私も一時期は本家stgに熱を上げ、ヘタレながらも難易度ノーマル、エクストラを全機体でクリアすることに心血を注ぐこともございました。徹夜も幾度か経験しましたし。

現在は祖父から譲り受けた年代もののPCのため、新作はもとより、win版のどのソフトもプレイできない状況ということもあって、こうしてライトノベルの雑感、東方SSの更新などにも従事できている次第でありますので、十全な環境があれば、こうしてやたら長くなってしまいがちなSSを書く事もなかったかもしれませんね。


しかしこうして、わくわくしてもらえるというのならば、PCが壊れたことにも意味はあったと納得できるというものです。私の力不足により途中で飽きられてしまう可能性の方が高いことは百も承知でありますが、最後までエンターテーメント性というものを失わずに書ききりたいと思っておりますので、よろしければ最後までお付き合いいただきたくお願い申し上げます。


> SSというと、なんだか最近地霊殿を多く目にするような気がしますね
> でもそれだけ、一悶着起こしやすいというか、ドラマになりやすいというか、なんというか・・・
> 心だの、精神だの、愛憎だの・・・そういう要素に溢れてますから、ドラマが起きないわけないというか
> ・・・怖いですね。いったいなにが起きるか(笑)


地獄のスリム化により切り離された、廃屋居並ぶ古き都。
そこに息づく、地上から様々な理由で追い出された心荒む妖怪たち。

まさにドラマを生むにはうってつけの土壌、雰囲気ですからね。中でもパルスィは橋姫という「恋」という一点において悲劇的な属性をもっていますから、その過去を自分なりに物語にし、それを現在につなげていく過程には、やはり熱が入りますね。

・・・・・・熱の入りすぎで妙な方向に飛んでいかないかが心配といえば心配ですが。

現時点では、彼女達をそれほど血生臭く描く予定はありませんが、それでも決して綺麗なだけではない哀しさを含めた上での明るい物語(わかりにくーい!)を作っていけたらと思っています。



> パルスィには、ぶすっとしててもらいたいですね
> 突然何気ない顔と冷たい声色で、甘ッたるいセリフを吐いてもらいたかったり・・・
> かわいい、かわいいですよね

パルスィかわいいよパルスィ。

巷ではよく、パルパルと嫉妬している彼女ですが。扱う能力が「嫉妬を操る」ことですから、恐らく他人の嫉妬心をも動かし、内輪もめに追い込むような頭脳キャラともいえるかもしれませんね。獅子心中の虫。埋伏の毒。いつだって怖いのは領内の「不和」なのかもしれませんね。

今作で彼女をやたら知識人として扱っているのも実はそういったところから来たりしています。
公式では絶対にやらないような壮絶な過去の末、感情を凍結させてしまった彼女を今後どうやって、パルパルさせていくのかが腕の見せ所(?)といったところでしょうか。


醒めた目で、だけれども頭にはしっかり手を置いてもらってナデナデしてもらいたいですね(え)。


(長々と申し訳ありません)
[ 編集 ]
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
この記事のトラックバックURL


twitter
ブログに対する掲示板の役割を兼ねておりますので、出来うる限りこちらにも目を通していただけるとありがたいです。

フォローしてくださるお方は「esplia」と検索して頂くと簡単に見つけられると思います。


espliaの生態


esplia

Author:esplia


【読書中小説】
神様のいない日曜日
幕末魔法士
KAGUYA~月の兎の銀の箱舟~
文学少女と死にたがりの道化
中の下!
曲矢さんのエア彼氏


【プレイ中(&予定)ゲーム】
黄昏のシンセミア
elona
グリザイアの果実
はつゆきさくら【済】
穢翼のユースティア【済】


【鑑賞中音楽】
嘆きの音
Dead End
borderland
少年よ我にかえれ
ノルエル
灰色の水曜日


【オススメゲーム】
FLYABLE HEART
永遠のアセリア(なるかな含)
遥かに仰ぎ、麗しの
装甲悪鬼村正
Fate stay night(hollow含)
てのひらを、たいように
月光のカルネヴァーレ
君の名残は静かに揺れて
BALDRシリーズ(戯画)
ひぐらしのなく頃にシリーズ
うみねこのなく頃にシリーズ
東方シリーズ(SLG、文、WS含)
夜明け前より瑠璃色な
CROSS†CHANNEL
リトルバスターズ!
CLANNAD
STEINS;GATE


恒久的に不定期更新ですが、
よろしくお願いします。

週一更新005


当ブログはリンクフリーです。
こちらから打診した場合は了承があるまでリンクには追加いたしません。

ブログ内検索
ブロとも申請フォーム
メールフォーム
相互リンクの申請は、
「ブロとも申請フォーム」
または、
ここにお願いします。

名前:
メール:
件名:
本文:



上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。