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獅子の玉座2【巨人の聖砦】、雑感







「失恋」と出世の機会を与えてくれてありがとう。
行こうか――レオン。





電撃文庫さん刊行、マサト真希著【獅子の玉座2【巨人の聖砦】】についての雑感を今回は綴っていきます。


Espliaのあらすじ

聖座島の事件より早15日。港町トレゴンにたどり着いた傭兵「レオン」と聖王女「アリアン」は、ダルディス王国への侵攻作戦に必要な兵力を盾に、老いた皇帝へとアリアンを嫁がせようとする国々の思惑から逃れるため、自ら軍将を名乗る「メルキオ」と男装の麗人「セレネ」が統括する王領、アクィタニアンへと身を寄せことになったのだが・・・・・・。


読み終えた感想は、「壮大な物語に見あった伏線の張り方が秀逸である一方、壮大が故、一部仇になっている部分が垣間見えた」というものでしょうか。



    ※真面目な雑感を読みたい人は次の「◆」まで読み飛ばしてください。



小難しい話を排斥すると、今作のメインディッシュはなんといっても男装の麗人「セレネ」。彼女につきるでしょうね。


そうです。男装の麗人です。


素晴らしい響きだとは思いませんか?

 
ただ単純に快活で、「ボーイッシュ」なのではなく、ある目的のために溢れる少女らしさを抑え「そう見せかけている」。
そのチグハグさを含め、やはり今作では最も重要なキャラ萌え要素だといえるでしょう。

真面目腐った言動、生意気そうな小僧風な風貌に関わらず、幼馴染の「メルキオ」に「もう知らないんだからっ!」なんて怒ったり、顔に石を投げつけられて思わず「いやぁ!」なんて可愛い声だしちゃったり。頑張って男らしく振舞っているときにポロっと零れる女の子らしさがそりゃもう愛らしい。
ずばり詩的に、的確に表現するならば「艶可愛(なまめかわい)らしい」といったところでしょうか――。中でも・・・・・ん? 



わあ!待て!何をする!



離せ!私はまだまだセレネたんの愛らしさを語り終えていないというのに・・・・・・!!!


やめry




しばらくおまちください




dorohedoro04-01





    (以下より真面目に


まず前作同様、本書には多国の思惑や、民衆の思惑、文化、ヒエラルキー(階級制度)への言及などが前回同様巧みに練りこまれており、ただ剣や理想を振りかざしているだけのファンタジーとは違い、そこに息づく人々の人間らしさや醜さをも含めて描写している点はさすがだとおもわれます。


また、この作品は一巻、二巻、という巻数単位で展開される全体的な流れにおいての壮大な伏線のほか、二巻のみでのキャラクターを巡る伏線をも蔑ろにせず、しっかりと用意している点は誉められるべき点ではないでしょうか。


特に神話をモチーフとした古書を解読、言及は、我々読み手の疑問にも答えられるよう、現実的な解釈を用意していたり、最終的な目的、終着点を設けることで良い意味での焦燥感を煽ったりと、壮大さに振り回されず緻密な設定かつ堅実な物語運びが伺えますね。


前回の問題点であった専門用語、固有名詞、造語の多さも、一巻を踏襲すればほぼ問題ないつくりにもなっており、今巻で初めて登場するものは少ない印象がありましたので、必然、読みやすさも上昇傾向になったと思われます。



キャラクターに関しては前回同様、レオンとアリアンを筆頭に魅力的で、中でも、今巻登場する「セレネ」「メルキオ」両名は抜きん出て秀逸だと感じました。


剣を振るだけでは解決できない、未来への不安、仲間への信頼。そういったものに焦点を当てた本作のコンセプトが「不和」であるように、レオンとアリアン、セレネとメルキオという二組の男女を対比的に描き、それぞれに足りないものを見出していく展開には熱くなれましたね。


特にセレネ、メルキオ両名はサブキャラクターの位置付けであり、主人公格という、事実上の「不死性」を有するレオン達とは違って、いつどうなってしまうかわからない未知の結末を筆者が用意しやすい分、読んでいるこちらの予想がつきにくく、良い意味でハラハラしながら読み進めていくことが出来ました


結末そのものには、それぞれ読み手の良しにせよ悪しにせよの解釈があると思いますが、基本的には後味が悪くないことも評価するポイントだとおもわれます。




唯一にして最大の難点を挙げるとするなれば、伏線がそれぞれの「巻」をまたぐほどに壮大であるが故、刊行の合間に内容を忘れてしまうと話についていけなくなってしまう、という点が挙げられます。


特に日本社会や文化が通用しない生粋のファンタジーの世界では、多くの固有名詞が生み出されることで、完全に独自の世界観が用意されているわけですから、失礼ながらも記憶に残りにくいことは事実で。かくゆう私も、今巻を読み進めていく間、薄もやのような記憶では読み解けない場面や解釈に当ったことがそれなりにありました。


かといって単純に読み返すにしても、世界観が緻密である分、本シリーズはライトノベルの体裁を持ちつつもかなりページ数がありますから、特定の単語や事象を探し出すにも多大な手間が掛かります


そういった文面を発掘する作業を好む、もしくは本シリーズの内容を完全に把握している読み手以外、大半の読者に通ずる重大な欠点だと言えるでしょう。

巻数が進むに連れ、「一巻で書かれていたことは実は間違いで~」、などと変容までされてしまうとなおさらに混乱を呼ぶ恐れも否定できません。前巻同様、設定の緻密さが仇になってしまっている点だと思われます。


もちろん、そういった手間を掛け、内容を理解してみようと思えるだけの秀逸な作品ではあると思われますが、手間と理解の手順が逆になってしまう以上、伝わりにくいのも事実だと言わざるを得ません。


ここはいっそ、最初から3巻程度まとめて購入したほうが良い場合もあるかもしれませんね。


話の内容、伏線共々、なかなか難解ではありますが、その複雑さをきっちりまとめられている稀有な作品だと思われます。

前巻を含めてオススメの一冊です。



上記をご理解いただいた上で、なお気になった方は、是非一読してみては如何でしょうか。








読了お疲れ様でした。


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○2011/04/24○
>>ここはいっそ、最初から3巻程度まとめて購入したほうが良い場合もあるかもしれませんね。

そうね、3巻までしか出てないからまとめ読みもいいかもね

設定投げっぱなしだから続き出て欲しいのだけどね

東方ss、五月には出るのかしら?
[ 編集 ]
○2011/04/25○
> 設定投げっぱなしだから続き出て欲しいのだけどね

物語が壮大な分、一度モチベーションが離れると取り戻せない感覚っていうのはわかる気がするので、続刊についてはなんともコメントがし辛いなぁ。一応、話単品、文庫本単位で面白い作品だから満足できるけど。
そういう意味では、職業柄いかんともし難いことは承知で、ある程度骨組みは固まってから作品を書き始めるといいのかも。まぁ、それだけ力を入れた作品でも、一時審査さえ通らない場合も多いんですけどねえ・・・・・・・。


> 東方ss、五月には出るのかしら?

現在急ピッチで執筆中であります。
一度口約したからには、一ヶ月に一度の掲載は徹夜してでも完遂させるつもりなんで、望んでもらえるならば楽しみしていただければと思います。

本当なら半月に一回のペースで出すぐらいの気概が欲しいところなんだけど、今回のSSは恥ずかしながらいろんな視点からの「愛」をテーマに据えて書いていて、書いては恥ずかしくて消し、気に入らないで改稿するといった具合でなかなか捗らない。(未熟すぎる)
かといって、どんどん良くなっていくわけでもないのも悩みの種でして。う~ん、愚痴っぽくて申し訳ない。
[ 編集 ]
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