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学園キノ【第一巻】、雑感

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抜粋すべき一文は都合により記載いたしません。



電撃文庫さん刊行、時雨沢恵一著『学園キノ』についての雑感を今回は綴っていきます。


Espliaのあらすじ

常にモデルガンを引っさげて登校する、極めて普通の女子高生「木乃(キノ)」と言葉を話す謎のストラップ「エルメス」は、「謎の美少女ガンファイターライダー・キノ」として学校に巣食う悪しき魔物を倒す宿命を帯びることに。

もちろんこれはフィクションで、そして当然「キノの旅――the beautiful world――」(以下『キノの旅』)とは全くもって一切何の関係もない。・・・・・・らしい。


読み終わった感想は「読むだけ時間の無駄だった」といったところでしょうか。


最初に断っておくのは、これは小説ではなく、所謂一種の「読む漫画」とでも評価すべき作品形態をとっています。


それは例えば、ほぼ造詣が変わっていないにも関わらず、誰にも正体がバレない「美少女戦士の法則」だとか、銃弾を全て弾き返す変態刀男「サモエド仮面」などの要素に現れていて、実に常識を逸脱した展開が目に付きます。


それらは、よく言えばコミカルともいえるでしょうが、悪く言ってしまえば実に意味不明な作品傾向であって、一度本文に醒めた感情を持ってしまった人には耐えがたい出来栄えと言わざるを得ません。


しかし一転、話全体に漂う非常に気楽な雰囲気は、気負いせずに作品を楽しみたい人にとっては伏線や推理要素のない、ただ横たわった文章を読むだけで良い単純さを孕んでいて、そこに魅了される人も少なからずいると私は思います。


前置きが少し長くなりました。


つまり今回は、その「笑いの要素は人それぞれである」という前提に立った上での感想となります。


そしてそれを踏まえた上でも、あえて私は今作を「退屈極まりない作品」だと断じさせていただきました。筆者、時雨沢恵一氏の作品については前々から崇敬(すうけい)の念を抱いてまりましたが、今回は「お世辞にも駄作」、そう言わざるを得ません。


理由は大まかに分けて二つ存在し、一つ目は「伏線が存在しない」こと。そしてもう一つは「コメディ要素が薄っぺらく思える」ことにあります。


一概に、伏線というと、やたら小難しい話を想像してしまいますが、これは何も推理を催すためだけの要素とはいえません。


それは例えば、今作において木乃が学園生活の中で魔物と闘うことになった理由だとか、サモエド仮面の頭の上にリンゴが載っている理由だとか、その内容(バカらしさ含め)の如何に関わらず、物語の裏側を匂わせる演出があることで、二次元の紙面に綴られた作品に「厚み」が齎(もたら)される性質を有しています


そういった観点でみれば、今作は読み返す面白みのない。裏がないからこその虚しさに満ちているように感じてしまうのかもしれません。


全編を通して意外性を設けろ、とまでは言いませんが、344ページにも渡る物語のオチくらいはもう少し工夫をしてみても良かったのではないでしょうか。


無論上に綴ったような要素が、同著者筆『キノの旅』の延長線上にある伏線だとしても作「関係がない」と書いてしまった以上、今作から読み始めた人にとってもわかりやすく説明すべきであり、そこは問題にもなりません。



次にギャグが薄っぺらく思える、ということについてですが。
これについては個々人意見が分かれると思います。


本編の半分以上がギャグ要素となっている作品に、おかゆまさき著『撲殺天使ドクロちゃん』や、やや熱の入った構成が垣間見えますが、沖田雅『オオカミさん』シリーズなどが挙げられます。


前者にしては、主人公「草壁桜」への理不尽極まりない暴力描写が映え、映像的な悲惨さにおいては他の追随を許しませんが、一個のギャグとして見た場合には視覚的なインパクトと(一応と前置きますが)常識人の桜と我々読者との共感性が直感的な面白みに繋がっていたようにも思います


その一方で後者は、所謂ト書きと呼ばれる部分が、「一個のキャラクター」となり、実際に動き回る登場人物たちと意思疎通することでギャグを生み出している部分があります。(例えば、貧乳と説明した「ト書き」そのものに、「うるせぇ!」と声を掛けるなど)


また、


  経験値を得てもINTは増えないらしい。(『オオカミさんと七人の仲間たち』P22、14項参照)


というような、ロールプレイングゲームで遊んだことのある人間にしかわからない一方通行な要素のギャグも時折見られ、解からない人には不快感を催すようなクセがあります。


それら。特に後者の偏った知識で綴られる、パロディや時事ネタ、オタクネタなどは、言ってみれば小説として「斬新」ではあっても、やや内輪向けの気安い印象と軽薄さを否めず、ライトノベルらしさと言えばらしさですが、面白いの度合いとしては格が下がったように感じられてしまいます。


『オオカミさん』シリーズはそういった要素に加え、直接的な表現でのギャグ要素、恋愛、友情要素を組み合わせているため、メディア化にまで到る人気を博したといえるでしょうが、上に書いた要素は一目に輝いて見えても、長続きする地盤のしっかりした笑いとは一線を画す表現になってしまっているよう、私には思えました。



「伏線」がないことによる読み返す面白いがなく。ト書き部分のキャラクター化、ひいてはある一定の知識を持つ人だけが楽しむことのできる「薄いギャグ要素」に満ちる本作は、お世辞にも傑作とは呼びづらく、牽いては読んでいて全く面白みを感じなかった、という結論に到らせていただきました。



更に言い募らせていただくと、作文ように淡々と状況説明をするト書きが内容を淡白にしている上、キャラクターそのものを動かしての映像的な魅力にも薄く、結局のところ作品から滲む「何を表現したいのか」が伝わってこなかった、というのも作品がつまらなく感じられた原因と言えるかもしれません。


筆者自身が楽しむためだけに書いた、といえば聞こえは良いですが、それを独り善がりとも呼ぶのです。





【総評】


詳しくは上に書かせていただきましたが、本編の大半を占めるギャグ要素が、「ト書き」部分で語られるという斬新ながらも醒め易い要素で構成されていること


銃に関してはのウンチクやパロディネタをふんだんに詰め込んだことで、ある一定の知識を持つ人にしか楽しめないギャグの狭さと軽薄さが滲んでいること


読み返す面白さに直結する伏線や作中に謎が一切に存在しないことなどから、全く「面白みのない作品」として評価が終始覆りませんでした


また、要所要所にどうにも身内語りの過ぎる「あとがき」が入り、それによって一部を飛ばしながら読み進めなければならず、不親切さを感じる部分があることも残念な要素で、天下の時雨沢氏といえども、さすがに今回は擁護する気がおきませんでした。


筆者は様々な場面で、『キノの旅』という世界感を壊してしまうことへの申し訳なさを語っておりますが、ならばなおさらのこと、もう少し話の概要に起承転結でいう「転」の要素を盛り込むべきでした。意外性のない物語には、良くも悪くも「味」がありませんからね


本書は、必ず本屋で内容を確認し、10ページほど読んでみた上で受け入れられそうだ、と思った人にのみ購入を薦めます。読んでみて面白みの感じなかった場合は、終始ギャグの方向性が変わらない作品でしたので購入は控えた方が無難かと思われます







読了お疲れ様でした。
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○2011/03/11○
読んだときの感想が何で出したしか出てこなかった作品

>>本書は、必ず本屋で内容を確認し

四年前だからあるかどうかは微妙かもしれん
[ 編集 ]
○2011/03/11○
こんなにつまらない作品は久しぶり。本当「なんで出した」って疑問しかわかないよねぇ。あとがきの暴走具合もどこか下火だし。

いっつも中古の本屋しか覗かないから忘れてたけど、普通にビニール掛かってるかな。

どうせ新品じゃ店頭にならんでないから、中古で見かけたら、って前提に変えたほうが良さそうかも。
[ 編集 ]
○2014/02/23○
このコメントは管理者の承認待ちです
[ 編集 ]
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