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アリソンⅡ【真昼の夜の夢】、雑感

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あなたが殺す必要はありません。あなたはそんなことをしてはいけません。
そのかわりに――、

私がその人を殴ります。“グー”で、殴ります。




電撃文庫さん刊行、時雨沢恵一著『アリソンⅡ【真昼の夜の夢】』についての雑感を今回は綴っていこうと思います。



Espliaのあらすじ

冬休みに入った「ヴィル」は、授業の単位補完の名目で開催された研修旅行に、幼馴染の「アリソン」からの援助を経て、参加することになった。
目的地は「イクス王国」こと「イクストーヴァ」。10年前の事故で王族のいなくなった王国である。

仕事で忙しいアリソン。英雄と称えられ、日々を忙しく生きる「ベネディクト」。かつて苦楽を共にした二人とは会うこともなく、平穏に旅行を楽しむはずのヴィルだったのだが・・・。


読み終わった印象は、「前、中盤までは面白いが、結末がいささか弱く思えた」、ですかね。



『アリソンⅠ』同様、結末にたどり着くまでの描写、キャラクターの掛け合い、行動、応酬、どれをとっても丁寧に描写がされていて好感が持てました。


特に、ヴィルがムーシケの町までバスで運航される間の景色の描写、イクス王国の内情を鮮明に描写し、結末と直結した部分の説明を読者にあらかじめしておく配慮は素晴らしいtと思います。



キャラクターの方面では、アリソンは相変わらず変に媚びたところがなくて可愛らしいですし、その軍人の技量と逞しさは衰えをしらず、男主人公であるヴィルもたじたじの大活躍が今回も幅を利かせています。なにより、恋愛にかまけて足元を疎かにしない身持ちの堅さがたまりませんね。(・・・・・・やらしい)


ヴィルもヴィルで、『アリソンⅠ』ではあまり発揮できなかった男らしさを見せる場面が最後の方にしっかり用意されていましたし、同じく『Ⅰ』では間抜けな役柄のでしかなったヴィルの「友人」が意外にも聡い人物であったがことが判明したり、「ベネディクト」が作中初めてナンパ成功させたり、「スポットライトの強弱こそありますが、全員にしっかりとした見せ場を作られている点も見逃せませんね



また、第一章での手紙のやりとりをはじめ、「友人」が教師とヴィルの不在について語り合っている場面、少佐に昇進して一見モテモテになったようでうれしくなさそうなベネディクトの内情、重大な告白(アリソンにとっては)の際、寝てしまうヴィルに怒るアリソンなどなど、本編にはあまり関わらないですが、相変わらず小気味の良いテンポで綴られるほのぼのとした部分のセリフ回しがいい味を出しています。


中でも「じゃあ、“実はキャビアで”の方?」は傑作だと思います。
はい。読んでいない人には全くわからないですね・・・・・・・、すいません。


とにもかくにも、相変わらずセンスを感じさせる文章と、それを引き立てる個性的なキャラクターは今作でも顕在でした。



問題は、冒頭の記述を繰り替えさせて頂きますが、「結末が弱い」ということにつきます。


たしかに、事前に「イクス王国」についての説明を挟み、本編中で様々な伏線を張ってきた点は評価できますし、恐らく10人に8人は結末に喉越しの良さを感じさせるレベルにしっくり来るものはありましたが、もう少しその見せかたを変えてもらいたかったな、というのが実情です。


また、王女であることを証明するための証拠品が、読者の知りうる限りの知識と被らず、作中であまり説明の無い部分についての言及が多く見られたこと、カフスの持ち主についての説明が無く、持ち主が唐突に明かされる点にも不満が残りました。


詳細についてはあまり書きませんが、特に「彼女」がある人物とウリ二つの容姿をしている理由がやや安着に見えてしまったことも大きいですね。
病院で心臓移植を受けたから~、というような件を想像していた「私自身の頭の問題」もありますが、どうにも肩透かしを食らった印象を最後まで拭えませんでしたね。



ただ注意してもらいたいのは、「結末が弱い」といっても、それはやはり単純に「飲み込み易い形に仕立てた」、という筆者の思惑があってのことだと思われ、むしろ一般読者の方にはこの点を不満にさえ思えない可能性が極めて高い、ということでしょうか。


結末が安直、というのは表現上、「欠点」にも思えてしまいますが、やはり一個の物語の終焉としては「奇抜さよりも理路整然が喜ばれる」とも言えますからね





【総評】


結末がやや弱い、という以外は欠点を見つけられないほど「完成された物語」でした


魅力的なキャラクター、丁寧な風景描写に伏線、合間合間に挟まれる頬を緩ませる掛け合いなどなど、見所が山のようにあります。
ただ、人によりますが、詳しすぎる情景描写に疲労感を覚える人がいるかもしれません


やや他作品の毛色と違い、恋愛要素の薄い内容ですが、一言二言でも十分につたわる言葉の重みが今シリーズにはありますし、何より作風に沿う「健全さ」が滲み出ていて、個人的にはむしろ歓迎すべき風潮にも思えました。


上に記し、唯一の欠点として私が挙げた「結末の弱さ」も、人によっては問題無いと感じる場合がほとんどだと思いますので、あくまで一個人の意見として捉え、あまり着目しないよう留意してください


『アリソンⅠ』につづき、この『Ⅱ』もライトノベル好きは間違いなく読むべき一冊だと思います。


オススメです。気になった方は是非、『Ⅰ』と共に購入してみてはいかがでしょうか。








読了お疲れ様でした。



追記、東方SSは10日の午後、もしくは夜に掲載予定です。載せる載せる詐欺と言われないように、しっかり更新しますのでお待ちを。
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○2011/02/10○
ヴェネディクトは女王を嫁に貰って大団円な二巻だったかな?

主人公組の印象が薄いというか最後に狙撃しただけのような
[ 編集 ]
○2011/02/10○
その通り、ベネディクトもげろ、な二巻。

アクション、という意味では確かに最後の一シーンしか主人公組の活躍はなかったけど、800メートルの崖から離陸したり、囚われた家で脱走劇を繰り広げたり、いろいろ登場は多かったと思うけどなぁ。

特に一章中盤まで続く手紙のやり取りは読んでて面白かった。
[ 編集 ]
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