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夜と血のカンケイ、雑感

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「夜更かしが嫌なら、裸で寝るぞ?」

「・・・・・・・・・・・・・・は?」





電撃文庫さん刊行、丸山英人著『夜と血のカンケイ』についての雑感を今回は綴っていきます。



Espliaのあらすじ

普通の高校生である主人公「陶原健悟(とうはらけんご)」には唯一の取柄がある。
食事を制限し、睡眠時間を律し、少年少女が普通に楽しむであろう諸々の娯楽さえ捨て、――彼は比類なき「健康体」を得たのである。
そしてそれは幼少期に出会った吸血鬼、「夜音(よるね)」に対する、復讐の通過点であった。


読了後の印象は「シンプルで解かり易い物語」、という点に尽きますね。


ちなみに上のあらすじに「吸血鬼」や「復讐」などの単語が見られ、やや暗黒色の強い作品傾向に見られがちですが、全編を通してギャグ成分が多めです。留意してください。



さて。
過日、『B.A.D.』の雑感で綴ったように、昨今、ライトノベルとは謳っていても、幾ばくかの専門用語、ストーリーの起伏や面白さを稼ぐポイントとしての「ミスリード」などが散りばめられた作品はそれなりに多く、「読み手にある程度の推理」を要求する文体が氾濫しているのが現状です


「あの文章はここに繋がってきたのか!」というような伏線を発掘する作業は確かに楽しいですし、推理物ならば犯人が誰かを予想することは欠かせない要素であることは疑いようもありません。いわば読者を楽しませるための「演出」だと言えるでしょう。


ただ、その一方で「初見では意味のわからない冒頭」を筆頭に、様々な作品の複雑さは、そういった凝った演出の犠牲に避けられなくなっていることも事実です


そういった点を踏まえるに、今作の、そのシンプルさは昨今稀に見るものではないでしょうか。


主人公達はなぜそう「動いた」のか。なぜそう「思う」のか。

意外にもぼかされがちなキャラクター達の行動動機、行動原理に掛けられる「ぼかし」が限りなく省かれたストーリーの展開は、単純明快故の説得力に満ちていました。これは大きな評価のポイントですね。



まぁ勿論。動機の矛盾点「だけ」をクリアにしたところで、本筋が面白くなければ意味がないことは私も承知しています。


その点でのみ言わせて貰えば、確かに今作はストーリーとしての真新しさは全くありませんし、登場人物たちの立ち回りから犯人を推理したり、今後展開を予測したり、といったような要素とは縁遠いものとなっています。


ただ。今作の主人公が、他作品でありがちな「巻き込まれ型主人公」のような生温い動機で事件に関わるのではなく、自らの「絶対的な意思」に基づき、10年もの歳月を掛け、真正面から夜音にぶつかっていく生き様はまさに単純明快な分だけ、説得力という力強さに満ちています

また、血を飲みたいがゆえに、どんな恥じすら喉元に押し込む夜音の行動には凄まじい葛藤が垣間見えますし、ひたすら寺を継がせようとする「清水(きよみず)」の想いが作中でブレることがなかったり、とかく描かれたキャラクターに「どっしりとした安定感」がある点は着目すべき要素でしょう。


加えて美点を書き綴れば、それらキャラクターの掛け合いが、皮肉や言葉遊びがほとんど無いにも関わらず、微笑を誘うものであること。国外出身者の「マレイン」が同性愛に対して偏見を持っていないことなど、文章での説明の無いに部分に関してもきっちり書き込む筆の丁寧さは見逃せませんね。


同様に明快さをウリにしながらも、どこか読みに臭さ、肌寒さを感じてしまう五十嵐の「乃木坂春香の秘密」シリーズなどどの違いは、この点にあるのではないでしょうか



ちなみに極めて個人的な見解としては、能力を用いた「異次元バトル」要素がほとんどないことも本編の空気に沿っていて、心地良く読めた一因になりましたね。




【総評】

読み終えた後に「謎」がいっさい残らず、また本編中で「推理」「予測」をする場面がほとんどないことから、一貫して発想を広げていく楽しみの薄い作品でした。


しかしその一方で、全てのキャラクターの行動原理に一貫性が見られ、「なぜこんな行動を起こしたのか」「なぜこんな考えをするのか」という疑問を読了後に残さず、複雑に絡み合う展開がないからこそ、物語の「力強さ」が目立った作品だとも言えるでしょう。


特に主人公、陶原健悟の始める10年という歳月を経ての復讐は、ありがちな「巻き込まれ型主人公」では見られない、絶対的な意思のもとで行われおり、言動の端々に人生を掛けた重みが感じられます。


正直なところ、ストーリーの展開そのものは平平凡凡としたものなので、強くオススメと銘は打てませんが、気になった方は是非購入してみてください。







読了お疲れ様でした。

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○2011/02/03○
読んだ筈だがまったく思い出せない程度の印象

輸血されたら普通の血になった話でよかったっけ?
[ 編集 ]
○2011/02/04○
普通の血でも、まあまあ上手いよ、って話。(なんじゃそりゃ)

内容としては雑感でも書いてるけど、特筆すべき盛り上がりがないよね、一本気なシナリオが珍しかったけど、ぶっちゃければ「それだけ」とも。

以外に掛け合いのレベルは高かったかなぁ。
[ 編集 ]
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