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小さな国の救世主1【なりゆき軍師の巻】、雑感

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戦争ってのは個人でどうにかできるもんじゃないってことは、わかっているがな・・・・・・

個人の力でどうにかなる部分ぐらいは動かしてみたいと思っただけのことかもしれない。





電撃文庫さん刊行、鷹見一幸著『小さな国の救世主【なりゆき軍師の巻】』についての雑感を今回は綴っていきます。


Espliaのあらすじ

主人公「天山龍也」は、同じことを繰り返すだけの平凡な毎日に耐えられなくなり、「非日常」を体験するため、中央アジアの紛争地帯へのツアー旅行に参加することになった。だが、現地の骨董店とは名ばかりの店で身包みを剥され、シルクロードの間中に放り出されてしまうことに。

財布はおろか、パスポートや所持品のパソコンまで奪われ、絶望する最中。なぜか攻撃ヘリに追われる、二人の女性を乗せた車が近づいてきた。


読み終えた感想は、「主人公が気に入らない」、という一言に尽きますね。


まぁ、タイトルにもあるとおり、「いまどき軍師」ということで、現代っ子の日本人少年が軍師として奮闘する、という物語であることを一応は理解しています。

故、本編でさんざん罵倒される、龍也に「銃の使い方」や戦争というものについての「知識」が無いこと、口先が一丁前なのに自分の身一つ守れないことは総じて納得が行きますし、理解も及びます。そこは問題にもなりません。


問題は、例えば市街での戦火にあっても「俺の身を第一に守れ」とぎゃあぎゃあ喚いたり、妙に間違ったことを悟りが開いたかのように発言したり、少年特有の反抗期めいた行動原理が目立ったり、はっきりいえば「身勝手さ」、「性格の悪さが鼻につきました

前者ぐらいは百歩譲って目を瞑るにしても、後者は本当にどうにもならなかったのでしょうか。


更に言えば、そんな人間をさも「普通の高校生」と位置付けていることには違和感を覚えますね
言い方は悪いですが、こんなのを「標準」扱いしていることの裏に、昨今の中高生を蔑視している筆者の内情が見え隠れしているようにも思えてしまいました。


そういう意味ならば、主人公が気に入らない、というよりは「筆者の描く主人公が気に入らないと言い換えるべきかもしれませんね




筆者の押し付けがましさは、本編のいたるところにも見られます。


それは例えば、龍也の内心の語りに「俺は世界の紛争や事件を身近に感じられなかった大馬鹿者だ(意訳)」というような、どうにも勘違い甚だしい節や、銃を撃てない龍也に「お前は赤子と同じだ」と「サラサ」が罵るシーンなどが挙げられます。


前者にしては、テレビで放送された各地の紛争に対し、「身近に感じ涙を流すことが正しい」、と訳のわからない理屈が、さも正しいかのように語られていて不快感を煽ります

後者にしても、「銃も撃てない、馬にも乗れない」=「何も出来ない」という理論を兵役のない日本人にのたまったところでどうにもならず、本編で「知的」と評されるにはやや思慮に欠けた言動と評するほかありません。

解かりきっていることを言うメリットなど、憂さ晴らし程度しかありませんしね。


以上のことから、今作は「魅力的」とはほとんど無縁なキャラクターが主要人物の中に数人登場し、作品の評価が私の中で大きく下がったことは言うまでもありません



余談なので詳しくは書きませんが、日本人を「能天気な軟弱物」と決め付けたように書いてある節も存在し、憲法9条を掲げたことにより、兵役と一定の戦火から無縁となった日本の気風と風土に対して否定的な筆者の意見が垣間見えるのも、諸手を挙げて賛成し辛く、評価を落とすポイントになりえた部分も多く見られました。




唯一、ネット掲示板を使って、敵戦車団の対抗策を練ったり、対戦車ロケットを使った、トップアタック(戦車装甲の薄い上部への攻撃)を行う場面などは、総じてよく練られていると思いました。


ただ、常時戦火に曝される覚悟がキンリ族にはあった、という話があるにも関わらず「武器の貯蔵がほとんどないというのはかなり違和感を覚えました


一種宗教上の理由で禁じられていた、というならまだしも、軍人であるサラサを族長に近い姫巫女「リューカ」に護衛として付かせている以上ありえませんし、どうにも危機的状況をつくるためにわざと武器を制限しているように見えてしまっても仕方がありません


対戦車ロケットでトップアタックを行う、という策も、本営にジャベリンが数機あれば足りることですし、それが無いにしても、対物ライフルや重機関銃ぐらいは用意されてしかるべきでしょう。
また、戦車団との作戦にフラググレネードないしスモークグレネード、C4さえ無いというのはいささか以上に不自然でなりません


こういった点から、物語の設定にやや煮詰め不足を感じざるを得ませんね
ただこの点については次巻以降に説明される可能性があるので、今作でのみ強く言及する思惑はありませんのであしからず。



また音の表現を括弧書きで記したり、視点変更のため行間を空けていないにも関わらず、様々な人物の内情がト書きに記されていたり、どうにも読みにくい文章が多く、フラストレーションが溜りやすいのも難点でしょうか




【総評】


物語の進み方、結末、コンセプトはそれぞれ良いと思われますが、肝心の登場人物たちが妙に筆者の考えに汚染された言動が多く見られ、若干の押し付けがましさを禁じ得ません


特に主人公は、昨今のメディアで見られるいわゆる「ヘタレ」以前に、やや思春期にかぶれた言動と行動常識の無さや身勝手さが目立ち、読者の好みに大きく影響を与える人物になってしまっていることが残念でなりません。


せめて、何もできないが女性に対して優しかったり、芯が一本通った好青年にするなり、何かしらの非凡な才能があったり、「フィクションだからこそ出来る主人公像」というものをもう少し突き詰めて欲しかったですね。


たしかにリアルな世界観というものは、評価にし易いポイントではありますが、あとがきでことさらフィクション(作り物の物語)を強調するならば、読者に対してもう少し出来うる行動があったのではないかと勘繰ってしまいます。

「現実的(リアルさ)」をウリにするまえに、我々が読んでいるものが「小説」だということにもう少し意識を割いていただければ、娯楽作品として、もう少し上を目指すことができたかもしれません。



今作は全部で「三部」作ということですが、正直次巻以降への購買意欲が湧きませんでした



正直、なかなか残念な作品ですね。






読了お疲れ様でした。

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○2011/01/27○
この作品というか作者についてのコメントは正直困る

印象的なのは○ちゃんねるの作者スレッドで新刊が出ても話題にならないくらい叩きが酷い事、新しいシリーズもの読んでても前のシリーズ読んでるような錯覚受ける事ぐらいかね

嫌いじゃないんだけどねぇ
[ 編集 ]
○2011/01/27○
一応、某大型掲示板で最新の筆者スレッドは見てきたけど、なかなか酷いこと書かれてるねぇ。

ただ、内容を読んでみると気に入らないから批判だけをしてるっていう印象がないから、どうにもコメントを挟み難い印象。

雑感にも書いたけど、話の土台やコンセプトは嫌いじゃないんだけど、もうちょっと上手い発展のさせかたもあったんじゃないかな、っていう残念感が前面に出ちゃってる。
[ 編集 ]
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