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R.U.R.U.R ル・ル・ル・ル -petit prince-、雑感

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それでは、"心をこめて"喜びましょう、この子の目覚めを。
世界に、この子が来たことを。
そして"心の底から"祈りましょう。この子に幸、多からんことを。
よろこび、そして、いのりましょう。
『こころ』をこめて。
『こころ』から――

このきのどくな子が、しあわせでありますように・・・・・



ギャルゲー雑感ではあまり標語となるようなセリフは無いのですが、今回の作品ではまさに「これ」と言うべき象徴的なセリフだったので引用させてもらいました。

またED曲の「誓いの言葉」は個人史において、なかなかグッと来る良曲でした。

ちなみにこの「誓いの言葉」の歌詞は、1961年にベル研究所のジョン・ケリーという技術者が史上初めてIBM7094というコンピュータに歌わせたのがこの歌だそうです。もちろん、原文そのままではなく、多少の変更はなされてはいますが。
SFを扱う作品で、こういう「韻」を踏むような小粋な演出はうれしい限りですね。

さて、前置きが長くなりましたが、以下項目別感想に入ります。今回はいつもと違ってネタバレ色が強めですのでご容赦ください。


【キャラクター】

第一の前提として、女性キャラも男性キャラも童話をモチーフとして作品だけあって、かなり「純粋」です。それは言い換えれば、純真無垢。悪く言えば、非常に幼稚な考えが根底にあります

その理由は単純で、本作のヒロインとして登場する、「ヒナギク」、「シロツメグサ」、「ミズバショウ」、「ベニバナ」、「タンポポ」、「コバトムギ」は、チャペックと呼ばれる人間型の「機械」でしかなく、人類全滅という危機に至って、初めて「心」というものを手に入れた、文字通り人生経験の無いモノばかり。

加えて、唯一の「男」で、「人間」で、「主人公」である「イチヒコ」は、冷凍睡眠のカプセルが壊れたことによって記憶障害をきたし、二十歳(実質的には13,4歳と推定)という年齢であっても、知識や言動は5,6歳児という幼児っぷりを発揮しています

このことから必然的に、彼らの恋路というものは、ひたすら無垢な感情のぶつけ合いが大半で、「恋人として付き合う」ことの知識は勿論、「デート」や「告白」の意味さえわかっていない、幼稚園児並みの拙さが垣間見え、読み手をしばしば辟易させることに。


特に主人公であるイチヒコは、ヒロイン達チャペックに比べても非常に言動が幼く、決めるべきところでヘタれ、我侭言ったり、駄々を捏ねたり、とにかく「子供」です。
また、妙に「性」への関心があるせいで、純真ともいえず、読み始めの印象は悪く表現して「ウザったい餓鬼」そのもの。

シナリオごとに、それなりの強弱はあるものの、一度その邪気に当てられれば、本作の評価は大きく変わってしまうでしょう。

ちなみに私はこのイチヒコのおかげで、今作の評価が二段階程度下がりました

『Fate』の士郎、『装甲悪鬼村正』の景明、『あやかしびと』の双七のような、良くも悪くも言動や主張に一本芯の通った主人公が好きな人は、特にこの点を留意してください。

死活問題になりかねません。


【シナリオ】

まず目についたのは、内容云々以前の「一貫性の無さ」があげられます。

例えば、宇宙船内の人類が(イチヒコを除き)絶滅した原因を、タンポポルートでは「ナノマシーンの暴走」としているのに対し、ベニバナルートでは「敵艦の攻撃で戦死」と改変して表記されています。
又、ミズバショウルートで、タンポポルートでは本来食料製造業に生涯従事する罰を受けているはずの「R-タンポポ」達が敵役として普通に登場したり、とあるルートではあっけなく見つかる星が見つからなかったり、ルート毎に真相となるべき事実が全く異なっている点が個人的に非常に残念でした。

またその延長線上として、あるヒロインのルートをやりながら、「ああ、このルートで出てこない誰々は、今ごろ○○してるんだろうなぁ」というような思い出深さが皆無で、総じて一本一本のルートに事実としての「重み」が見受けられないように感じてしまいました。これは本当に致命的な欠陥のように思います。

他にも、PSP版で新たに追加されたグランドエンディングは非常に残念な出来で、上記に記したヒロイン達こそ結果的に報われるものの、どうしても救われないキャラが一人存在することで、読了後の後味が悪いといえるでしょう。

加えて、そのキャラを踏み台にしている、という事実そのものを深く言及せずに呆気なくEDまで行ってしまうこの薄っぺらさは、なんとも筆舌に尽くし難いものを感じます。
個人的には、HAL、コスモス側の言い分が正しいように感じてしまった分、大した理由もなく力ずくで止める暴挙を「感動的な話」として描いているライターの心根を疑いたくなりました。


ベニバナルートで、どうしてああいう駆け落ちじみたことをしなくてはならなかったのかも納得いきませんでしたし。


無論、一方で誉めるべき点も多く、話の本筋、その合間に挟まるセイバーハーゲンの小話や「むかしむかしの未来の話」、マザーグースの詩などは本編のSFと童話を掛け合わせたような不可思議な雰囲気に良く合っていて、読んでいて心地よさを覚えました。
各所に散りばめられたギャグも、突き抜けて笑えるものでこそありませんでしたが、自然と顔が綻ぶ良い塩梅だったと判断できるでしょう。

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また、シナリオはともかく、世界観の根底に眠る、「たった一人の人間」をテーマにした皮肉、切なさを伴う表現、現在の環境や教育に対する暗黙の投げかけは非常に深く、ただ字面を追うだけでは得られない、考察や今後を想像する楽しみがあったことは良い点だと言えるでしょう。


【音楽】

私が今作を最後までプレイできたのは、まさに音楽が良かったからという一点につきます

OPこそパッとしませんが、上記に引用したED曲「誓いの言葉」、戦闘BGM「ヤーチャイカ(わたしはかもめ)」は、一見の価値ならぬ、一聞の価値があるといえるでしょう。

white-lipsのコーラスが独特の神秘的な雰囲気をかもし出していることに加え、本編のSF要素や、シナリオの一部を文字ってつけられた小粋なタイトルが多く、目でも耳でも楽しませてくれる要素が詰まっているといえるでしょう
一部のシナリオでは、歌詞そのものがエンディングと密接に関わっていることもあり、ただ場面場面で流れているもの、としての認識ではなく、ストーリーとの融合を視野に入れた製作人の思惑が見て取れるように思いました。

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【システム】

私はよっぽどのことが無い限りはシステムについて言及しないのですが、今作では多少気になる点があったので以下箇条書きで報告しておこうと思います。

1、スキップ機能がオートではなく、飛ばしている間はずっとボタンを押していなければならないこと。
2、戦闘中のキャラグラフィックが一部、白いまま表示されてしまっている。
3、文字のウィンドウが、場面によって背景と混ざってしまっている部分がある。(夕日の農業区画など)
4、メディアインストールしたデータが読み込まれず、強制終了になることが6度ほどあった。

などがあげられます。正直突然のフリーズは読み手の気力をガリガリと削る、致命的なバグなので、その辺りは製品化にあたってもう少し丁寧な作業をしてもらえればと思いました。


【総評】

とにかく主人公のヘタレっぷり、子供っぽささえ容認できれば、奥深く、神秘的な世界観が楽しめるとは思います。

ただ上記にも書いたように、一貫性のないストーリー構成があったり、どうしてそうなったかのか解かり難い突拍子も無い結末が用意されていたり、安易に「第三の敵」をつくって踏み台にするシナリオをグランドエンディングに持ってくるなど、とかく読んでいて気になる「粗」が多分に目立った気がしました。
またシステムの項目で説明したように、盛り上がる場面でのバグや強制終了などが多く見られ、減点の原因を作っているといえるでしょう。

はっきり言って今作は、音楽や世界観に助けられている部分があるものの、それらを除けば非常に出来の悪い作品で、サウンドノベルの「ノベル」の部分著しく低次元で留まっている、読み物としての精彩を欠く出来栄えである、という評価に終始している、というのが妥当な評でしょう。


せめて主人公の考え方、行動の理念に芯が通っていれば、ここまで嫌悪感を抱かなかっただけに、なぜ「甘えきった子供」を主役として抜擢したのか、その一点だけが残念でなりませんでした。


・・・まぁ、大方「ショタ受け」でも狙ったのでしょうが。



読了お疲れ様でした。

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○2010/12/03○
だって怒りの日のメーカーだし

>4、メディアインストールしたデータが読み込まれず、強制終了になることが6度ほどあった。
「ダンガンロンパ」でこれを何度かくらったなあ。
逆転裁判みたいで面白かったけど。
[ 編集 ]
○2010/12/04○
>だって怒りの日のメーカーだし

あぁ・・・、一回購入者を裏切るとこういう評価が待っている「light」さんって本当に罪作り・・・!

個人的には過去は割り切って上げたいかなぁ、なんて。

最近のPSPソフト、強制終了が多い気がするなぁ。
いや、もしかするとPSP本体の寿命という可能性も・・・。
[ 編集 ]
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