espliaのちょっとだけ時代遅れ。

生むは雑感、生きるは過去、ちょっと遅れた感想中心ブログ。

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夜明け前より瑠璃色なポータブル、雑感

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PCが壊れてから久々のギャルゲー雑感ということで、オーガストさん原版「夜明け前より瑠璃色なポータブル」の感想を今回は書いてきます。

Espliaのあらすじ

地球と月との大規模な戦争の終焉よりおよそ800年。
妹の「麻衣」、そして従姉「さやか」と共に両親の居ない家で擬似的ながらも暮す、主人公「朝霧達哉」は、ある日、さやかから月の姫君「フィーナ」がホームステイという名目の元、朝霧家に数ヶ月滞在することを告げられることになる。



あらすじだけを見ると、一般人と姫の恋物語というファンタジーめいた現実感のなさや、そこはかとない薄っぺらさを感じますが、中身を空けてみればなかなかリアルな政治問題、人間関係、人種問題などが取りざたされていて興味深く読めました

ただ好き合って結ばれるだけではなく、一般人を娶ることの意義、その後のあり方までをきちんと描写している点はさすが名作と謳われるだけはあるなぁ、と感服しました。

以下要素別に細かく感想を。


【キャラクター】

主人公「達哉」については、約1ルートのみ、多作品でありがちな鈍感属性を存分に発揮してイライラさせられましたが、他全部のルートでは好意を抱いた瞬間告白に移行する行動の早さは評価したいところです。根が誠実で、ポーカーフェイスが苦手という朴訥な性格をしている点はテンプレートながら嫌悪感を抱き辛く、万人向けといえるでしょう。

中でも私が気に入ったのは、『fate』のシロウ、『装甲悪鬼村正』の景明のように、どんな状況に置かれてもブレない達観性を以って在らず、怒るときは怒り、苛立つときは苛立つ、曲がりなりにも18歳なりの未熟さというものをキチンと表現している点が挙げられます。

ヒロインは総じて器量よし、お馴染み「べっかんこう氏」が描いていることもあって万人向けの魅力があります。立ち絵も豊富で、CGの塗りも美しく、所々で登場する「のうみそホエホエ」氏のチビキャラもいい味を出しています。

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芯のしっかりとしたメインヒロインの「フィーナ」も捨て難いですが、個人的には「リースリット」「エステル」両名の序盤のとっつきにくい性格が、ただ単純な「ツンデレ」とは違ってリアルな嫌悪感を感じられるところが印象に残りました。

「こいつどうせ俺のこと好きなんだろ?」的な(俗っぽくて申し訳ない)感想を抱かせる、ツンデレヒロインにありがちな、それっぽい演技ではなく、本当に「お前が嫌いなんだ」というオーラをユンユン放ってくるセリフ回しには頭が下がります。

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他男性キャラも、中田譲二演じる「モーリッツ」を筆頭に物語にあった役柄を、それぞれ深みを持って演じているので、総じて不快なキャラが居なかったのは良いと想います。

ただ、女性絵をメインに描いている絵師さんなので、若干男性絵がぎこちなく、作画が安定していないところが残念なポイントでしょう。
とはいえ、恐らく1ルートもすれば「こういう絵柄なんだな」と納得できる範囲での崩れですので、不安要素にはなっても批判ポイントにはなりづらいという点は留意すべきでしょうか。


【シナリオ】

前述したように、ただ好きになった、付き合います。という刹那的なものではなく、それによって変わってしまう人間関係、周囲に与える影響、今後どう付き合っていくか、など「なあなあ」になりがちな部分についての描写が、どのルートにも見られるのが、物語を奥深くしています。

特に今作の肝である「フィーナ」のルートでは、ただ月のお姫さまと付き合う云々に留まらず、そこから周囲にかける迷惑の度合いやその解決方法、一般庶民から王家へ移るにあたっての困難や試練という、元来ならば蓋をされてしまうであろう苦い現実に誠実にぶつかっていく様が描写されている点は今作最大のウリだと想われます。

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しかし言い換えれば、どのルートでも必ず一つは当人たちの思い通りにならない問題が発生する構成になっているので、「甘い告白シーンの後、その余韻を引きずったままエンディングを迎えたい」というライトな趣向を好むユーザーの方は若干の焦燥感や嫌悪感を覚えることは間違いないでしょう


全体的なシナリオの感想としては、日常生活や通学路での会話のバリエーションがそれなりにあって、他の作品では「話をしながら学校に行った」というように、省略されがちな部分もきっちり書き込んであるのが好印象。
色恋、イベント、雑談、猥談などなど、書き手の表現の手広さが感ぜられました

また、「夜明け前より瑠璃色なルート」クリア後に出現するおまけシナリオなどから垣間見えるように、一見真面目一徹な印象を受ける作風のわりにギャグパートが普通に面白いのが印象的で、『つよきす』、『真剣で私に恋しなさい』などで見られる声優、ニコニコ動画や2chのコアなネタ、極度なシモネタや、川上稔著『終わりのクロニクル』シリーズなどで見られる辛辣な毒舌などを使わず、普通の受け答えを上手に使ってここまで面白い掛け合いができるというのは素直に凄いと思いました。

腹を抱えて笑うというものではないにしろ、こういった自然に笑みを零れさせる文章というものはなかなかありません。

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【音楽】

ヴォーカル有りでは、PS2からイメージテーマとなった『brilliant azure』も捨てがたいですが、やはりここぞという場面で流れ、耳に残り易いメロディを持つPC版イメージテーマ『Lapis Lazuli』が今作に最もイメージに合っていると言えるでしょう。

その他ヴォーカル曲も含めてレベルは高いと思います。

BGMでは、エンディング直前に流れる「掌に」(間違っているかもしれません)を筆頭に、荘厳なイメージを持ちながらも、コミカルな格好よさを兼ね備えた曲が多くて私好みでした。

曲数が豊富ながらも、どれも作風の元に統一された一体感があって耳障りなものが一つもなかったのは素直に驚きです。

音楽に関してはまさに文句なしでした。

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【総評】

名作と呼ばれるだけはある作品というのが一貫した感想です。

いっそクドささえ感じられる奥深い心理描写と、ただ甘いだけではすまない恋愛という苦味をしっかり描ききった意欲作と言えるでしょう。

べっかんこう氏のような綺麗どころの絵を用いているにも関わらず、見せる部分はきっちり見せる書き手のこだわりと自信が垣間見えました。
また、どのキャラもしっかりとしたバックボーンがあり、誰のルートに関しても、クリアした後にはしっかりそれぞれの印象を有した後味があり、シナリオそのもののボリュームも相成って非常に満足感がありました。


プレイ時間は8ルート、トゥルールート、おまけ含めて30時間程度といったところでしょうか。選択肢こそそれなりの数がありますが、一周目以降は「お助けナビ」という、どの選択肢が、どのキャラのルートに入るかを視覚的に教えてくれるシステムがあるので、攻略したいキャラのルートに入るまで悩むということはありません。ゆえに、30時間というプレイ時間=未読のシナリオを読み進める時間と考えて問題ありません。


中古でもなかなかの値段(4000円以上)で売られているので手を出しづらい感は拭えませんが、払った金額に見合うだけの感動を味わえる作品だと思いますので、興味のあるかたは是非購入していただければ幸いです。(PC版では2ルート減ですが、その分情事が濃いので(どういう表現だ)、そちらを希望の方はPC版をどうぞ)




読了お疲れ様でした。


追記

お気に入りのキャラ(ルート)は、一位、ミア。二位、エステル。三位、さやかです。(ミアとさやかは人気投票だと5位と6位だそうで・・・、あんなにいい嫁さんなのに・・・。)
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○2010/11/22○
一つだけ・・・・・ごほん

フィーナは俺の嫁!!

すみません(・・;)・・・ww
[ 編集 ]
○2010/11/23○
どうも、お久しぶりです!
この度はコメントありがとうございます。


フィーナはやっぱり人気ですねぇ。人気投票でも麻衣とつばぜり合いながらも堂々一位ですし。

ただ、こうもシナリオ、ビジュアル、設定で優遇されてますと、他のヒロインたちをどうしても推したくなってしまう私なのでした・・・。ミアかわいいよミア。
[ 編集 ]
○2010/11/23○
PC版でやったが全体的にそこそこ面白かったと思う。
ただ、ロリのシナリオにもやっとしたというかスッキリしない終わり方だった記憶が。
次作の「フォーチュンアテリアル」では吸血鬼関係のルート全体でスッキリしなかったというか何故ロリBBAルートが無いのかと失望した。
素材が良かっただけにシナリオの終わらせ方に不満がたらたらだった。
……別に、私がロリコンというわけではない。
[ 編集 ]
○2010/11/23○
リースリットのルートは、PS2、PSPのみのヒロイン「エステル」のルートをやると「フィアッカ」という存在についていろいろと触れられてて、考察を補ってくれるようになってるから、やっぱりPC版だけじゃ説明不足感が開発側からも否めなかったようですなぁ。

もうちょっと、達哉に懐く過程と、甘い恋人のようなシチュエーション、熱いストーリーを用意したほうが確かにいいかも。

ただ、どうしてもリースは「夜明け前より瑠璃色な」ルートの布石としての存在が大きいし、好きあってもフィアッカの意思は絶対に尊重しなくちゃいけないしで、離別確実。だからこそ、あそこまで淡白なストーリー運びになったとも考えることもできるかもしれないけど。


でもやっぱり、「ロリコン」のnako様には物足りないよね!(爆)

もうミア愛でればいいよ。ミアかわいいよミア
[ 編集 ]
○2010/11/23○
お久しぶりです~
いつの間にかブログの感じが変わっててびっくりwww

PSPの「けよりな」は発売日に買った自分ですwww
てか、PC版も持ってたけどなんで買ったかいまだに分からないwww

やっぱり、「けよりな」は麻衣かエステルさんだな~www
あの2人は可愛い~~
フィーナは・・・、自分は意外と低く4位ぐらいですね~
3位はやはり菜月安定だな~
[ 編集 ]
○2010/11/23○
いやぁ、本当にお久しぶりです。今回記事にコメントしていただいてありがとうございます。

ブログのテンプレートを文字主体にして、今まで以上にごちゃごちゃしてしまった感はあります。読みにくかったら申し訳ありません。

麻衣人気も高いですよねぇ。本編での「デスマーチ」が個人的なお気に入りです。日常会話でのつっこみ役が板についている感じも素晴らしい。おまけの「一戸建て庭付き~」の話も面白かったですし。
エステルさんは言わずもがな、犬ッころと戯れている一枚絵が可愛すぎて生きているのがつらい。


PC版ではエステルさんいませんから、発売日にPSP版を買ってしまう気持ちはよぉーくわかります。私もPC版とPSP版両方持ってますから。まぁ、PS2版にもいるんですけどね。
(ちなみにPC版はフィーナ、麻衣をクリアしてsaveが消えてしまったので保留してました)


うーむ、それにしても「ミア」「さやか」好きがあまりいないのが寂しいですね。
ミア、かわいいのにミア。
[ 編集 ]
○2011/07/30○
espliaさん

お疲れ様です☆

私はPCゲームをプレイしています。
PSPでは、新キャラが登場してるんですね!

私は、フィーナ姫が好きですね。
気高いながらも、弱いところもあるんだぞ。ってところが
お気に入りです。
PSPでもあるのかな?カレンがフィーナを叱咤してるシーンが
すごく印象に残ってます。

失礼します(*- -)(*_ _)ペコ
[ 編集 ]
○2011/07/30○
> 私はPCゲームをプレイしています。
> PSPでは、新キャラが登場してるんですね!

PSP版というよりは、PS2版をそのままPSPに移殖したらしいですね。
PC版はアダルトなシーンがそれなりに豊富なので、その分を追加キャラクターに当てているとすれば、実質的なシナリオ量は変わらないかもしれませんね。

とはいえ、PC版にはいなかった二人のヒロインはそれぞれ良い味を出しているので、改めてPSP版を買っても損はしないかもしれませんね。


> 私は、フィーナ姫が好きですね。
> 気高いながらも、弱いところもあるんだぞ。ってところが
> お気に入りです。


どんなにきっちり責務はこなしていても、融通がきかない頑固な性格があり、年相応にナイーブな内面があったりと、一つ屋根の下で生活しているからこそ初めてわかること、というのが上手く描写されていますよね。

醒めた目線でみれば、たかだか短期間のホームステイで惚れた男に何うつつ抜かしているんだ、と思われてしまうことへの恐怖、自信の無さ。そこから一転、この男でなければならないと力強く断言してくれるまでの過程が繊細に描かれていると思います。


> PSPでもあるのかな?カレンがフィーナを叱咤してるシーンが
> すごく印象に残ってます。

ありますね。
たった一回の失敗で全部嫌になってしまうことの傲慢さを指摘し、自分を好きな相手ならなんでも許してくれるんだ、という甘えを含め、共依存している二人を一喝するシーンは胸にくるものがあります。

また王の資質という点について「王より頭の良い人間も武術が出来る人間も山ほどいる」という観点から、最も重要なのは、資質を追い求めていくにたる心の強さをもっているか否かであると宣言してくるシーンも個人的には好きですね。

PSP版ではカレンさんのルートが欲しかったんですけど、さすがに攻略対象としては大人すぎる印象を拭えませんね。
[ 編集 ]
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