espliaのちょっとだけ時代遅れ。

生むは雑感、生きるは過去、ちょっと遅れた感想中心ブログ。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
*
スポンサー広告 ○ Trackback:- ● Comment:-○

今後も何卒よろしくお願いいたします。

MHP3も本日を以って全クエストクリアを達成、読みかけの小説も一通り読み終わり、なかなか良い区切りで新年が迎えられそうです。


最後にもう一つだけ感想を書こうとも思いましたが、熱が入って来年まで持ち越してしまうといろいろと洒落にならないので、つまらない文字のみでの更新で最後を飾らせていただきたいと思います。


えー、あまり身の錆について臭いを嗅がせることは本望ではありませんが、横の記事履歴を見てもらいますと理解いただけるように、1週間に1記事更新をはじめる前は二ヶ月間1記事も書かないような甚だ怠惰な運営状況を続けていました。


いくつかのブログ主様と「ブロとも」として相互リンクさせていただき、それだけでも有り難いにも関わらず、コメントまでしていただいたことにより、最近は良い具合にモチベーションを維持することが出来ました。



ブログ主様方、もちろん友人も、コメントしてくださった全ての方も。
感謝の言葉では足りないほど恩恵を頂き、



本当にありがとうございます。



これからも1月で最低4作。1年で最低48作。漫画、ノベル、ゲームなどなど、様々な人々が作り上げた作品という名の「世界」というものについて拙いながらも紹介させていく所存です


これからも時代遅れの雑感記事にお付き合いいただければ幸いです。





それでは皆様、万事すべからく良き迎春を





読了お疲れ様でした。




PS、まだ未定ですが、『東方守命痕』という東方作品のSSを来年早くには投稿する予定です。東方PROJECT好きの方がいましたら、暇つぶし程度に読んでもらえればありがたいです。


・・・きっと私は還暦迎えてもずっとピコピコ、ゲームをやってるんだろうなぁ。esplia
スポンサーサイト
*

そらのおとしもの、雑感

sorano01.jpg

内容的に、このブログが削除されないか凄まじく心配ですが、今回は水無月すう筆、『そらのおとしもの』についての雑感を綴っていきます。




当初、「戦闘用のアンドロイドと同棲~」、なんていうアニメから仕入れたにわかな知識を土台にしていたせいで、『そらのおとしもの』という作品は、ラブコメ+アクションものという方向性を漠然と抱いていました。


sorano03.jpg


しかし今回、原作を多少齧った時点で、その「印象」、「方向性」、「度合い」がそれぞれ多少違うことに気付かされました。


たしかにシリアスなシーンも、ラブコメも、戦闘シーンもそれなりに目を引く魅力はあります


しかし。


今作の魅力としてあえて一要素、槍玉としてあげるならば、それは間違いなく、主人公「智樹」が及ぼすエロ災害(語弊ありすぎる予感がひしひし)がその筆頭だと断言できるでしょう


顔がイケメンなのは勿論のこと、性格までも「正常」(突っ込み担当だったり)なのが最近の二次元メディア主人公の傾向だ、と信じて疑わなかった私の神話が崩壊するほどに、とにかくこの智樹という男の酷さは凄まじいです

sorano06.jpg

一巻、二巻程度でさえ、主人公としては破格の酷さと思われる展開(下着が空に飛んでいくアレです)を、話が進むごとに更にディープにしていく想像力はもはや脱帽もの

更衣室、プール更衣室あたりまでは、まぁ百歩譲って良しとしても、まさかトイレにまで踏み込む漫画があろうとは・・・。エロや下品を通り越して、いっそこれは飽くなき表現性への追求とさえ言えるかもしれません。(言いません)

正直、ここまで「阿呆な展開」を生み出せるものかと、想像力の「桁の差」を見せつけられた気分にさせられました

sorano02.jpg


一応、私の貧弱な知識を総動員して、似たような作品に『暴走処女』という作品のシリーズが挙げられます。が、『暴走処女』が言わば定型(テンプレート)の形での場面運びをウリとした、狭い範囲での「発想力」を面白さにしているとすれば、今作は無から有を毎回作り出す「想像力」をウリにしていることになり、難度としては、常に新しいものを生み出さなければならない後者に軍配が上がるのではないでしょうか。

雑誌という概念を捨てれば、王道ファンタジーものとして戯画さんの『デュエルセイバー』の主人公「大河」も、智樹と同程度の変態度といえるかもしれませんが、実戦経験の違い(やめろぉ!)や行動の理念を見ると、どれだけ智樹というキャラが異端であるかは言うまでもありませんね


つまり、何が言いたいかというと、


こんな主人公にした筆者の勇気に乾杯!


ということです。




難点を挙げるとすれば、上で散々説明したように、主人公が物語の本筋以外で「ああ」なので、シリアスシーンや、本来ならば感動できるシーンがやや素直に喜び辛いとこがあるのが偽らざる本音です


特に、「ニンフ」、「日和」関係のシリアスシーンやその後の見せ場では、妙に智樹の登場が唐突で、どうしてそうなったのか「過程」に納得がいかない部分が多々あったり、真剣な顔がギャグやっているときとあまり変わらなかったり、今ひとつ感情移入しにくい場面が多い印象を受けました。

sorano05.jpg


他の連載作品とは違い、何週にも渡ってシリアスを描く気が無いのか、妙に綺麗な締めにする割りに駆け足気味という展開の甘さも気になります。日和編はその顕著な例といえるでしょう

終始一貫、確かに日和編の終わり方はハッピーエンド。
それでも、「そこ」に至るまでの伏線やシナリオの重みが読んでいて非常に希薄で、「実は忘れてなかったんだ」、といわれても、疑問や軽い驚きが混じるせいで、どこか薄っぺらな感覚を否めなかった人も多かったのではないでしょうか。

表現についていちいち口にするのは徒労の極みですが。せめて智樹が記憶を消さないためになんらかの努力をしていたり、部長や会長、そはらへの訴えかけをするシーンを彷彿とさせる伏線があったりすれば、なお感動できたように思いました。



シナプスの勢力を一方的に敵とすることで、主人公側は皆々善人。結託して「悪い奴」をこらしめる、というような大義名分を与えることで、安着な対立図にしてしまっているのも残念です。(今後もずっとそのまま、ということはないでしょうが)



唯一、部長が関わる論理的な異世界(夢やシナプスそのもの)への検分、見識への言及は見ていて実に納得が出来る分読んでいて面白いと感じる部分が多かったのが救いといえば救いでしょうか。やっぱり理論や、言葉遊びがあると、結果への重みが違いますね。

特に初めてシナプス側の日和を見たときの部長の「仮説」には手に汗を握りました。

sorano04.jpg


【総評】


今作の見所は、無尽蔵に湧き出る「酷い」ギャグ。このバリエーションを楽しむことこそが唯一無二の魅力といって問題ないでしょう。


その文字通り「想像の上を行く」出来栄えは、下品やお色気といった要素が極端に嫌いな人ならば卒倒すること請け合いです。絶対に手を出さないようにしてください


ちなみに、その下品ささえ極端に気にならなければ(もっと言えば積極的に楽しむ自信があるならば)無条件に慕ってくれる愛らしいキャラに囲まれてのラブコメが好きな人単純なお色気モノが好きな人SF風味の感動的なストーリーが好きな人も、それぞれの要素において十分に楽しめる幅の広い作品ですので、買って損はないと思います


幅が広いだけに部分部分での動向の「浅さ」が気になるところなのは、上で綴った通りですが、それはイコール「話が面白くない」という結論になる、ということは決してありません


むしろ軽く読めるコミックとして、及第点以上の出来栄えだと言えるでしょう。
久々に声に出して笑った漫画ということもあって、私的になかなか印象深い作品になりました



sorano07.jpg




読了お疲れ様でした。(更新が遅くなってしまって申し訳ありません)
*

アカイロ/ロマンス【少女の鞘、少女の刃】、雑感

akaiiro-roma01.jpg


すぐに泣いてしまうほどの気の弱い娘が、お前達の陰湿な暴力に耐えてきた。普通の者が耐えるよりも遥かにつらかったろう。どんな気持ちだったか妾などには想像もつかん。

それなのに吉乃は、復讐も逃避も服従も選択しなかった。お前のように誰かを憎むこともしなかった。



ただじっと忍んできた。 それが、「強さ」でなくて何だというのだ?



電撃文庫さん刊行、藤原祐著『アカイロ/ロマンス【少女の鞘、少女の刃】』の雑感を今回は書いていきます。


Espliaのあらすじ

謎の失踪、という形で姉を失った主人公「霧沢景介(きりさわけいすけ)」は、日々その喪失感に苛まれながらも学生生活を続けていた。
そんなある日。
景介は自身と同じ形で親友を失って以降、塞ぎがちな少女「灰原吉乃」を仲間内の遊びに誘うことを画策するのだが・・・。


今作の読後感を一言で表すならば・・・、ショックです。

フワフワの髪に、制服に着られているようなブカブカ具合、おまけに「灰原」、なんて苗字の時点で、

「ああ、灰被り(シンデレラ)って意味と掛けてるのか!」

などと勝手に薄幸ヒロインを想像して血も肉も踊っていただけに喪失感が半端ないです。


魔法を掛けられて、服装が変わるぐらいまでは許容しますが、首上全部挿げ替えられるのはちょっときついです。
おまけにこのまま恋して情事まで及ぶと(死んでくれ)、

私の体が目当てだったのね!

なんてブラックなギャグが飛び交うのでしょう。


ははは・・・! マジキチよ!マジキチ!





・・・若干、趣旨と脳髄がズレたので、閑話休題。


以下より本文



今作の全体的な印象は、しっかりとした足場を基盤とした「安定感のある伝奇風ファンタジー」という印象が強いです。
しかし、例えば、

1、物語の最初に語られる雪のシーンでの和装の女が誰なのか。
2、姉の失踪は結局『一族』に関与しているのか。
3、いきなりバトルものになっているがその動力源(魔力とか霊力とかそんな感じの理論)はどんなものなのか。

などなど、薄靄(うすもや)に包まれたがごとく、回収されない伏線と思しきものが散りばめられているので、お世辞にも「一冊のみで出来る限りを尽くした」という感じは受けませんでした。次巻が出ることを前提とした、やや甘めの構想が露見した、というところでしょうか。


また上記の例に加え、多々乱用される説明されない単語のオンパレードは、読み手に作者の考える世界観を極力わかりやすく伝えるべき「伝奇のセオリー」から少し外れていて、やや不親切な印象も否定できません。

情報を小出しにして今後のネタの節約をしたい気持ちもわかりますが、どうせ説明しない単語ならば読み難いだけなので使わないでいただきたい、というのが本音です。



ただこの点に関しては、説明がなされない単語が多いといっても、読み手が全く想像すら出来ないモノはそれほどなく、例えば

『白銀りょうげ』=鎌いたちを起こす鉄扇
『つうれん』=なんか凄いらしい宝刀

程度の認識は出来るので、読み手の想像力を掻き立てる、という意味では単純に「悪いもの」と括れるものではないのであしからず。



一方で、本編流れに関しては、書き初めでこそ取り乱しましたが、世界観やキャラクターなどはよく練りこまれていると思います。


特に首を挿げ替えて体を乗っ取る『一族』の性質は、景介の姉や今後登場するキャラクターを物語で使っていくに則し、顔で判断するしかないライトノベルにおいて、常に裏を用意できる幅のあるファクターとして有効なものだと言えるでしょう。
主人公がモテモテ、なんていう「ライトノベルのテンプレート」もこういう形ならば、手放しで喜べないまでも説得力がありますね。


苦言を呈すれば、体と心は灰原吉乃のモノ、といっても素直に恋愛する気が起きるかどうかは怪しいところで、本編でも景介が「彼女の恋を無駄にしないように」、という同情めいた感情が先に立ってしまう虚しさが漂うのが、やはり気になるといえば気になってしまいます。


「枯葉」は、おそらく本編に深く関わってくるメインキャラだということは重々承知で、ビジュアルも著者の意向が強くあることもわかりますが、いじめの末に死亡した挙句、体を奪われる、という惨い演出をするより、精神的な乗っ取りというマイルドな展開にし、後腐れの無いようにしてみても良かったのではないでしょうか
(勿論、それはそれでシナリオの「刺激」が薄くなってしまうのは明白なので、本案そのものも一長一短ですが・・・。)

一応『灼眼のシャナ』で、存在を取って代わられた平井ゆかりも、この範疇に該当しますが、彼女にはバックボーンがなかっただけまだ、読み手に救いがありますからね。(アニメでやや語られますが)



シナリオにおいて、他にも煮え切らないのは、景介の知人の女性ばかりが、やけに『一族』と関わりをもっていることも挙げられます。
扉絵で登場させた人物が本筋で重要なのは当り前ですが、それがほとんど主人公の関係者というのはなかなか違和感が拭えません。

景介の住む町の近くに『一族』の隠れ里があったとしても、絶対数の少ない彼らが、同じクラスで友人で、というのはいささか以上に不自然極まります。
さらに言えばその不自然さは、「不自然だから違うだろうという風に、物語の核心をぼやかす効果を与えるどころか、むしろ関わっていないことが怪しさを呼んでいるところがあり、展開から考えても相当の痛手だと思われます。


正直な話、あの場面で「日崎」を出しておいて、何の挙措も起こしていない「秋津」を不審がらない人というのはまずいないでしょうよ、と


結果、先の展開が読めてしまってだけに結末を純粋に楽しめなかった人もかなりの数いるのではないでしょうか。
扉絵の段階からもうちょっと工夫をして欲しかったところですね。


『一族』の性質と、灰原というキャラに重点をおきすぎて、後半が駆け足気味なのもやや残念なところです



【総評】


全体的に読みやすい文章に、純粋に引き込まれる物語の展開。『一族』の設定や、「枯葉」を筆頭とした個性のあるキャラクターの掛け合いは一読の価値があります。


後半の展開にやや難はあるものの、読み手に(良くも悪くも)ショックを与える「読み物としての面白さ」は勿論のこと、やや控えめながらも、いわくつきの武器を使った伝奇もの特有の戦闘シーンもあり、飽きさせない演出が今作の魅力と言えるでしょう

煙に巻いたような言い回しも、好きな人にはたまらないはず。


ただ上記に記した、苦言を読んでいただければわかるように、読了後の清清しさとは若干無縁です
特に、「灰原吉乃」というキャラに中途半端な思い入れを持ってしまうと、なかなか素直に感動できない部分が多くなってしまい、一見感動的な結末に不満が駄々漏れてしまうかもしれません。

妙な肩入れをせず、あくまで「物語は物語として楽しむ」スタンスを維持できる人ならば、本作に満ちる哀愁そのものを深く、楽しんで味わうことができるかもしれませんね。


ここまでいろいろと書いてきましたが、久々に続編が読みたくなる出来栄えでした




読了お疲れ様でした。
*

銀槌のアレキサンドラ、雑感

gintui01.jpg


電撃文庫さん刊行、上野遊著『銀槌のアレキサンドラ』についての雑感を今回は書いていきます。

今回は印象に残ったセリフは割愛します。(無理やりひねり出してもしようがないので)

Espliaのあらすじ

主人公「高坂光輔」(こうさかこうすけ)は、アルバイト帰りの夜に、公園で黒い狐に襲われた所を、銀色のハンマーを振るう少女――「アレキサンドラ」に助けられる。
食いちぎられた右足を治療するため、数日間を共に過ごすことになった二人だったが・・・。


全体的な印象は王道のファンタジーものでしょうか。
話の顛末も理論も、バケモノ相手に奮闘するバトル要素もどこか見たことのある展開が続きます。読みにくい文章ではないので、そこまで嫌悪感を以って読み進めた感覚こそありませんでしたが、初見で読み進めていくワクワク感は全く無かったといっても過言ではないでしょう


PCゲームの王道展開を指して「安定」と評することはありますが、絵の要素がほとんど無い文章のみの「ノベル」としてみた場合、話の展開が読めてしまうということはそのまま面白みのなさに変わってしまうことは明白で、今作はその意味で言うならば非常に退屈な作品であった、という感想に終始してしまうでしょう。


ただキャラクターそのものや、世界観自体は捨てたモノではなく、むしろありきたりな展開で見せてしまうにはもったいないだけのポテンシャルを有しているように私には見受けられました。

例えば、魔物化してしまった光輔を最後までサンドラの「枷」として使うのではなく、強力な味方として活用してくれれば、読み手との共感性によって話に良い起伏をもたらしたように思います。
光輔の内情を知っている分、やはり邪魔な存在よりは頼れる存在として変えていってもらったほうが後半をより「熱く」できたのではないでしょうか。


また、サンドラの過去からハンマー(銀槌)の所有者がわかるのはともかく、既に死んでいて、それが師匠で~云々のくだりは、くどく語りすぎている印象を受けました。
それを「語る側」の心境を鑑みると、「死にました」と淡々と発言するのは物語の内容にあまり則しておらず微妙に違和感を覚えます。
内容そのものについても、ただ死んで称号を継承した、だけではあまりにも話を展開させ辛いのではないかとも思いますし。

他にも、黒い狐の魔獣が初期状態で9体に分離しているメリットが何一つなかったり、魔石と魂の融合、という大きな問題の解決ポイントや原理が一巻のみではまったく見られないなど、全体的な「消化不良」を拭えません。



しかし先述したように、世界観そのものは面白いもので、本編でサンドラの語る「イクラ丼」理論は読んでいて普通に面白かったですし、光輔と友人の掛け合いが本物の高校生のような雰囲気を持っていたり、サンドラという人物を既存のテンプレキャラ(ツンデレやSなど)で現せるような安いものではなく、一個人の女性として上手く内面を表現できている点など、評価すべきポイントはそれなりに見受けられるのも事実と言えるでしょう。



【総評】


典型的なファンタジーもので、物語の展開や、設定、言動や行動に若干の消化不良と温さを覚えます

銀槌、というタイトルから連想される、打って、殴って、大爆発。というような過激な戦闘シーンなく、バトルものとしては若干温度の低さが目に付きます。全体的にこじんまりとした印象を拭えません。


何より残念なのは、そういった低い温度での戦闘シーンが多い割りに、どうしてそうなるのか、どうして魔法が使えるのか、というような理論や原理への言及(厳密なものではなく超理論的なものも指す)も全く無いという所でしょうか。

魔法円や魔石に関しても、今ひとつ読み手に納得させるだけの力が無いように思いましたし、少なくともバトルものとして今作に期待するのは万が一にもオススメしません

正直な所、世界観やキャラクターなど良かった分、読み手を熱くさせる展開や意外な事実、真相などが全く見られない平坦さや、起承転結の練りの甘さが残念でなりませんでした。


王道を行くなら、盛り上がり「までも」王道にして欲しかった所です。


ただライトノベルという「風味」を味わうには、今作は最適だとは思います。



読了お疲れ様でした。
*

おたくの娘さん、雑感

otakuno-01.jpg

じゃあ、じいちゃん、ばあちゃんは俺が叶えてやる

俺の娘の叶です。


今回は非常にオススメの一品
すたひろ著『おたくの娘さん』についての雑感を綴っていきます。


espliaのあらすじ

9歳の少女、幸村叶(ゆきむらかなう)は一人親である母の借金により、事実上の父親である「はず」の守崎耕太(もりさきこうた)に保護してもらうため、彼の住む「彼岸荘」というアパートを訪れる。
女で一つに育てられた叶は写真でしか知らない父親に淡い期待を寄せながら、ついに邂逅を果たすのだが・・・。

なんと父親、守崎耕太は純然たる「オタク」だったのだ。


otakuno-03.jpg


漫画の内容は、ほのぼのと出来るストーリーに加え「親子のあり方」という軸を据えての父子の交流を描いたものが根底にあります。

部分部分、同じアパートの住人である遥(はるか)や、耕太がアシスタントを勤めている漫画家の先生、「マダム」こと管理人の話や、短編ものなどが入る緩いものが入る場面もあり、一貫した視点、時間軸できっちり進行しないことがかなりありますが、作風そのものが緩いギャグ漫画テイストなので気になることはありませんでした


ただ、一概に「ゆるいギャグテイスト」とは言っても、そこは家族というキーワードの主軸がある本編ですので、「他人から親子になるためには」という非常に重いテーマが描かれることがあります。(特に序盤である1,2,3巻、番外編では7,8巻も)

otakuno-02.jpg


人間関係に対する明白な正解、正しい理念などがもちろん存在するわけもなく、即席で出来上がっていく「脆い親子」の先行きを思えば、気が重く感じられる場面も少なくなくありません。
特に父親の耕太は、実の娘が存在することすら知らなかった人物で、当然娘を持つ親の気持ちがなんたるかを解かっていません。

それ故に、2巻では風邪を引いた叶を放ってエロゲーを買いに行く、という愚行を犯したり、「俺は悪くない」と周りに理解を求めようとしたり、叶が慕ってくれないと解かると逃げ出そうとしたり、とかく父親として失格と思われる行動を繰り返します

otakuno-07.jpg


正直、読んでいて耕太に憤りを感じない人はほとんどいないと言っても良いと思います。


しかし、誰しも最初から完璧には行かないのが世の常です。

まぁ、これが漫画においても適用されるかどうかは意見が分かれるところですが、上記に挙げた「父親」である以前の耕太の人間臭さ、親子になるということの辛さというものを、それなり長い目で見ることができる人ならば、この『おたくの娘さん』という作品を十二分に楽しむことが出来るのではないでしょうか


そういう観点からこの作品を見ると、上記に記した内容の概説の「親子のあり方」という点は父親である耕太の成長物語としての側面が強いとも言えるかもしれません。

散々みっともない姿を読者の前に曝し続け、しかし時節を経るにして、父親として、人間として成長した彼が「俺の娘の叶です」と堂々と宣言した8巻のシーンでは、不覚にも涙目になってしまいました

(画像を入れたかったのですが、やっぱり生で見たほうが感動できますので割愛します)

今まで見たことがないくらい明るい笑み零す叶に万感の思いがこみ上げてきますね。

otakuno-06.jpg


今年も様々な漫画や小説を読んできましたが、感動といえば本作はトップ3には入るでしょう。
本当に良い経験をさせて貰いました。



ちなみに悪い点、というよりは「少し気になった点」は、本編が父親の成長物語と上で語ったように、娘である叶はあまり成長という成長を見ることが出来ません。(無い、というわけではありませんのであしからず)
祭りを「初デート」と称したり、写真の父親を自分好みに妄想したり、九歳という甘えたい盛の感受性を叶は確かにもってはいるのですが、いかんせん大人すぎる印象が拭えません。

otakuno-04.jpg


風邪を引いても「辛い」の一言も無く、大人でさえ目を見張るほど本質をついた質問をしたり、「自分と同じ年くらい幼女をどうこうするエロ本」を見つけても普通に許したり、耕太が落ち込んでいるときに聖母の如き包容力で癒したり、人間臭さが際立つ他の面々と比べて、どうにも出来すぎた感が否めないのが現状です。

せめて父親と同じ程度、娘としての課題があってもいいような気はしました。


ただ本編を読んでいると、年相応の9歳の女の子がこの『オタクの娘さん』という物語を練り上げられる訳かどうか、と尋ねられると非常に微妙な所です。
なので「悪い点」ではなく「気になった点」として挙げてはみましたが、正直な所見当違いの感が拭えません。

本編の面白さとは全く関係のない私の個人的な見解ですので、参考にはされないほうが良いでしょう。(なら書くな、という言ももっともですが)


otakuno-05.jpg
↑こういった些細な成長がぐっときますね。



【総評】

親子をテーマにした漫画は数あれど、この作品は群を抜いて傑作だと思います。


若干クセのある画風ながらも、ころころと変わる耕太や叶の表情は一見の価値があると言えるでしょう。
登場するサブキャラクターの面々も基本的に皆根っからの善人で、人格者でもあるので、見ていて凄まじい安心感があります。

最初こそ駄目な面の目立つ父子が、いろいろな出来事の据えに本当の「家族」になっていくまでを感動的に読み込ませる筆者の技量が垣間見えるこの作品、是非とも一度、読んでみては如何でしょうか。


otakuno-08.jpg

読了お疲れ様でした。



追記

期限を越えて、更新が15日(前記事から三日)になってしまいました。申し訳ございません。
自分で決めたことも守れないとは、本当に不甲斐ない。



*
twitter
ブログに対する掲示板の役割を兼ねておりますので、出来うる限りこちらにも目を通していただけるとありがたいです。

フォローしてくださるお方は「esplia」と検索して頂くと簡単に見つけられると思います。


espliaの生態


esplia

Author:esplia


【読書中小説】
神様のいない日曜日
幕末魔法士
KAGUYA~月の兎の銀の箱舟~
文学少女と死にたがりの道化
中の下!
曲矢さんのエア彼氏


【プレイ中(&予定)ゲーム】
黄昏のシンセミア
elona
グリザイアの果実
はつゆきさくら【済】
穢翼のユースティア【済】


【鑑賞中音楽】
嘆きの音
Dead End
borderland
少年よ我にかえれ
ノルエル
灰色の水曜日


【オススメゲーム】
FLYABLE HEART
永遠のアセリア(なるかな含)
遥かに仰ぎ、麗しの
装甲悪鬼村正
Fate stay night(hollow含)
てのひらを、たいように
月光のカルネヴァーレ
君の名残は静かに揺れて
BALDRシリーズ(戯画)
ひぐらしのなく頃にシリーズ
うみねこのなく頃にシリーズ
東方シリーズ(SLG、文、WS含)
夜明け前より瑠璃色な
CROSS†CHANNEL
リトルバスターズ!
CLANNAD
STEINS;GATE


恒久的に不定期更新ですが、
よろしくお願いします。

週一更新005


当ブログはリンクフリーです。
こちらから打診した場合は了承があるまでリンクには追加いたしません。

ブログ内検索
ブロとも申請フォーム
メールフォーム
相互リンクの申請は、
「ブロとも申請フォーム」
または、
ここにお願いします。

名前:
メール:
件名:
本文:



上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。