espliaのちょっとだけ時代遅れ。

生むは雑感、生きるは過去、ちょっと遅れた感想中心ブログ。

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カレとカノジョと召喚魔法【2巻】、雑感

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他の人を想ってあげられるなら、自分のことも大切にして欲しいです。
それが、わたしからの最後のお願いです。


 espliaのあらすじ

吸血鬼事件を無事解決した、「雪子」と「遊矢」は二ヶ月の夏季休校に入っていた。
しかし学校は休みでも、悪魔リールゥを見つけて遊矢の感情を取り戻す目標は相変わらず。二人は最近町で頻発する「ポルターガイスト事件」について捜査をはじめることになった。



 600年という時間が重みを増すセリフを綴りつつ、今回は電撃文庫さん刊行、前回【1巻】に続き、『カレとカノジョと召喚魔法』2巻の雑感を書いてきます。

 
 前回指摘した、会話文での読みにくさは大分解消されていたように感じました。
 話の展開もきっちりと起承転結が用意されていて、前回と違った読み手を楽しませる工夫が随所に見られたことも評価に値します。

 ただ私個々人の問題として、女性主人公の一人語り文体というものは合わない、ということが今回の作品で理解できた気がしました。


 本書において、地の文の基本はヒロイン兼主人公「雪子」の感情描写、心の機微に比重が傾けられる傾向にあります。加え、その部分に状況描写や行動描写などの「客観性」を混ぜられることもあり、主観と客観をない交ぜにした独特の雰囲気をもっています。
 そしてそれこそが、もっとも私を苦しめた要因でもありました。

 感じ方はそれぞれでしょうが、「男」である私にとって、当然「年頃の子女」である雪子の感情は理解しにくいものがあります。
 特に本書では、1巻の吸血鬼事件から、もう一人の主人公である「遊矢」に対する、雪子の淡い恋煩いが前回以上に直接的な感情で綴られる場面が多々有り、読んでいて理解できないことへの、諦めに似た倦怠感を感じることがしばしば見られました。

 一応男で主人公という、従来の作品では中心人物にあたるであろう遊矢というキャラクターは存在するものの、彼自身の「心情」や「感情」がとある事情からあまり本編で語られないこともあり、結果的に本書で読み手と共感を得るのは、必然的に「女」の雪子となってしまうことは言うまでもないでしょう

年頃の少女の感性を理解することは出来ない、それでも一番詳しい心理描写がかかれているのは雪子しかいない。
はっきり言えば、そのジレンマに私は悩まされたわけです。


 更に付け加えれば、自分と最も共感した主人公が、「男」を好きだ、という点です。これがなかなか精神的にきました。

 先述したように、登場する「男主人公」の遊矢には、心情や心の機微でスポットライトを浴びることが極端に少なく、1,2巻と読みつづけてきた私としてもその性格の全容を掴むだけの情報を得られた自覚はありませんでした。

 つまり、そんな、全容もはっきりとしない男を、主人公である雪子が好きである、ということそのものに、納得し難い感情を抱いてしまったわけです。

 それは一種、「自分がよく知らない男に誑かされている」ような不快感を呼び起こしたわけですね。寝取られ、というほどの直接的なものではありませんが。


 特に終幕間近、本書で悲劇のヒロインとして描かれるとある人物が、その「良く知りもしない男」に胸を押し付けてイチャイチャしている場面を見せ付けて『次巻へ続く』という展開も正直首を傾げざるを得ない、という感想を拭えませんでした。

 まぁ、この辺りは性別や感受性の相違で180度見方の変わる問題ですから本書の価値を下げる要因になるものではない、あくまでこの文体に対する感想は、「主観的な評価」だということを留意してください。


 一応の客観的な批判としては、物語単品の質ではなく、「組み方」に問題があるように思いました。

 例えば、本編での謎である「律乃と幽霊の関係性」について、本編では後半の中盤程度にそれが語られるシーンがあります。
しかしそれは、あくまで登場する人物達が理解した、という「くだり」だけで、具体的な内容が一切綴られない、いわゆる「解答はCMの後に!」的なお預けを食らうわけですね。


 正直イラっとしました


 これは、「これから私は面白いことを言います」、と前置いてギャグをやるような薄ら寒さがあり、通念として、読み手(聞き手)が期待した質以上のものでも以下でも、素直に喜びづらいものがありました。

 そんな前置きをせずに、言うべきことは言って欲しいし、そんな「なんだかよくわからない心情」を後半まで持っていっても、純粋に物語が楽しると本当に思っているのでしょうか。

 
 確かに、綾辻行人著『迷路館の殺人』などでは、推理モノとしての体裁として、さんざんもったいぶった後に、「これが真相だ」ということが鼻高々に語られます。

 それでも不快に思わないのは、その前に書かれた膨大な文章のほとんどが伏線としての機能を果たすに足るクオリティのものであり、大筋でいえば「探偵モノ」という意識があるからこそ。

 その点でいえば、『カレとカノジョと召喚魔法』は『GOSICK』のような「探偵モノのライトノベル」ですらなく、真相が語られる前の文章だけをどれだけ丁寧に読み込んでも真相に結びつきづらい「ファンタジー性」を持っているからこその、「この歯痒さ」なのだと推測できるでしょう。

 謎を提示し、その解答に自信を持つのは、間違いなく筆者としての熱意としてありがたいものではありますが、こういった文章の組み方をしてしまったことで、逆に不快感を与える形になってしまっているのかもしれません


 他にも、本編にて初登場する、天使「セーレウス」。
 
 雪子に対して何度か物理的な支援はするものの、物語の主軸たる「ポルターガイスト事件」への関りが非常に薄く、謎の解明にそれほど役立つわけでもなく、どうしてこの物語に必要だったのかがいまいちわかりづらかったことがあげられます。

 セーレウスの悩みそのものも、一見すれば確かにこの作品の肝の一つといえるでしょう。
 しかし、大局でみれば結局のところ、遊矢の一言を聞いて個人の力のみで解決してしまった感が強く、雪子の右足や遊矢の感情の話など、『一巻』で語られた要素への言及はあっても、『一巻』以上の新しい情報を与えてくれるわけでもありません。

 無論、次巻への布石、という要素が全く考えられないわけではありませんが、会話やイラストでここまで登場させておきながら終始活躍しないということには、肩透かしを食らうほかない、というのが現状です。


【総評】

 一巻の頃から比べて読みやすさや、物語の作りこみへの熱意は感じられましたが、どこか「から回り」している印象を拭えませんでした。

 特に現世を600年も渡り歩いた天使「セーレウス」というキャラクターを、作者の腕次第でいくらでも良いシナリオを作れる「幅広さ」を持っていたにも関らず、ほとんど本編と関らない部分、おまけに相当淡白な形で使い潰してしまったことが大いに悔やまれます。
 
 ビジュアル、性格ともに、今後第二のヒロインとして活躍させてもいいレベルだと、思ってしまった分失意はかなりのものでした。


 また、先述したように物語の組み立て方も課題点が多いように感じました。
あくまで真相を「推理」させようとするならば、例えば遊矢が雪子に、律乃のことを尋ねるシーンで、ここが重要そうだ、と思わせるポイントを面倒臭がらずにきっちり描写すれば、真相に対する評価も少し変わったのではないでしょうか。

 最初の辺りに綴った、女性主観の物語ということも含めて、読み進めるのに多大な労力が必要、という感想に終始せざるを得ないでしょう。



 読了お疲れ様でした。

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それでも町は廻っている、雑感

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 めいど!

 というわけで、最近アニメ化され(見てませんが)話題になったほのぼの系漫画、「それでも町は廻っている」についての雑感を今回は書いてきます。

 友人から貸してもらってから、読み始め、一巻を読了したときに私は思いました。

「ああ、思ってたほど面白くないな」

 と。

 なんせ、ヒロインの「歩鳥」は別になんてことはない普通の女子高生で、真面目でもなければ不真面目でもなく、馬鹿と呼ばれても最低限の知識や小賢しさはあるし、誰からも愛される愛玩動物的な愛らしさもあんまりない。

 メイド喫茶を舞台にしていても、事実上は「メイド服を着たウエイトレスのいる喫茶店」以上でも以下でもなく、それが取りざたされてネタになるわけでもない。(一部ありましたが)

 とにかく本当に「普通」なんですよね。日常系の漫画にありがちな、女の子ばっかりでキャッキャウフフという要素もあんまり無いですし、『よつばと!』のように子供の無垢な感性を愛でる要素があるわけでもない。

 むしろ、歩鳥の「探偵病」しかり、屁理屈しかり、不快感を覚えることのほうが多かったぐらいでしょう。

 人間臭い人間が集まって、ちょっと不思議な話を絡めたり、日常生活をピックアップしただけの作品。というのが妥当なあたりでしょう。

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 これだけ見れば食指の動く人がどれだけいるかわかりませんが、私の場合は、もしこの作品のエロ同人誌があっても買わないレベルです。(どんな例えだ)


 しかし惰性で2巻、3巻と読んでいて、思ってきました。


「ああ、この人間臭さがいいなぁ」


 と。

 特に2巻の『それでも町は廻っている』という、副題の話が私の価値観を変えました。

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 交通事故にあって死んでしまった歩鳥が、「あの世」で回想する今までのこと。

 人を小馬鹿にして、バイトもいい加減、日常生活をのんびりまったりゴロゴロ過ごし、将来の夢は探偵で、好きな人は自分の好きな小説家にそっくりの数学の先生。
 そんななんでもない生活を振り返り、「もう、これからなんてないんだ」と言って涙を零すシーンでは胸が熱くなりました。

 客観的に見てどんなにつまらない毎日でも、当人からすれば愛すべきもの。そんな当り前のことを、「当り前の日常を描く作品」でもってくるとは憎い演出です。

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 個人的には、歩鳥の親父が賽銭箱に有り金全部突っ込んで「あいつはまだ16しか生きてねぇーんだ!」と叫ぶシーンに思わず涙腺が緩みました。


 1巻ではイマイチに感じたギャグも、2巻後半からそのクオリティが増し、ギャグ漫画としての体裁も整った感じがしました。極度のシモネタもあまりなく、あくまで活字と突拍子もない行動だけで笑わせられる作者の技量が伺えるといえるでしょう。

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 寂しがり屋の不良もどき「紺先輩」との友情話も見逃せないポイントです。

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【総評】

 一貫しておもしろい作品に出会ったことはそれなりにありますが、一巻と二巻でこれほど見方を変えさせられたモノは初めてでした。

 絵柄は、昨今氾濫する「萌え絵」からは遠く、ほとんどの話は人間臭い日常生活をベースしたなんでもないことばかり。それでも、この作品でしか味わえない、言葉にし難い感動というものが確かにこの作品にはありました。

ただのギャグ漫画として楽しむにも十分、声高にオススメと銘打っても構わないだけのクオリティは保証します。

 日々の生活の「有り難さ」、「面白み」を忘れてしまった大人の人にこそ読んで欲しい作品です。


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 読了お疲れ様でした。(今回、熱意の分だけ画像多めですいません)



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 追記 一冊で一回出るかないかの、歩鳥の「お色気シーン」もなかなか必見です。(え)

 おーう、いろいろ台無しだぁ。 *

夜明け前より瑠璃色なポータブル、雑感

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PCが壊れてから久々のギャルゲー雑感ということで、オーガストさん原版「夜明け前より瑠璃色なポータブル」の感想を今回は書いてきます。

Espliaのあらすじ

地球と月との大規模な戦争の終焉よりおよそ800年。
妹の「麻衣」、そして従姉「さやか」と共に両親の居ない家で擬似的ながらも暮す、主人公「朝霧達哉」は、ある日、さやかから月の姫君「フィーナ」がホームステイという名目の元、朝霧家に数ヶ月滞在することを告げられることになる。



あらすじだけを見ると、一般人と姫の恋物語というファンタジーめいた現実感のなさや、そこはかとない薄っぺらさを感じますが、中身を空けてみればなかなかリアルな政治問題、人間関係、人種問題などが取りざたされていて興味深く読めました

ただ好き合って結ばれるだけではなく、一般人を娶ることの意義、その後のあり方までをきちんと描写している点はさすが名作と謳われるだけはあるなぁ、と感服しました。

以下要素別に細かく感想を。


【キャラクター】

主人公「達哉」については、約1ルートのみ、多作品でありがちな鈍感属性を存分に発揮してイライラさせられましたが、他全部のルートでは好意を抱いた瞬間告白に移行する行動の早さは評価したいところです。根が誠実で、ポーカーフェイスが苦手という朴訥な性格をしている点はテンプレートながら嫌悪感を抱き辛く、万人向けといえるでしょう。

中でも私が気に入ったのは、『fate』のシロウ、『装甲悪鬼村正』の景明のように、どんな状況に置かれてもブレない達観性を以って在らず、怒るときは怒り、苛立つときは苛立つ、曲がりなりにも18歳なりの未熟さというものをキチンと表現している点が挙げられます。

ヒロインは総じて器量よし、お馴染み「べっかんこう氏」が描いていることもあって万人向けの魅力があります。立ち絵も豊富で、CGの塗りも美しく、所々で登場する「のうみそホエホエ」氏のチビキャラもいい味を出しています。

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芯のしっかりとしたメインヒロインの「フィーナ」も捨て難いですが、個人的には「リースリット」「エステル」両名の序盤のとっつきにくい性格が、ただ単純な「ツンデレ」とは違ってリアルな嫌悪感を感じられるところが印象に残りました。

「こいつどうせ俺のこと好きなんだろ?」的な(俗っぽくて申し訳ない)感想を抱かせる、ツンデレヒロインにありがちな、それっぽい演技ではなく、本当に「お前が嫌いなんだ」というオーラをユンユン放ってくるセリフ回しには頭が下がります。

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他男性キャラも、中田譲二演じる「モーリッツ」を筆頭に物語にあった役柄を、それぞれ深みを持って演じているので、総じて不快なキャラが居なかったのは良いと想います。

ただ、女性絵をメインに描いている絵師さんなので、若干男性絵がぎこちなく、作画が安定していないところが残念なポイントでしょう。
とはいえ、恐らく1ルートもすれば「こういう絵柄なんだな」と納得できる範囲での崩れですので、不安要素にはなっても批判ポイントにはなりづらいという点は留意すべきでしょうか。


【シナリオ】

前述したように、ただ好きになった、付き合います。という刹那的なものではなく、それによって変わってしまう人間関係、周囲に与える影響、今後どう付き合っていくか、など「なあなあ」になりがちな部分についての描写が、どのルートにも見られるのが、物語を奥深くしています。

特に今作の肝である「フィーナ」のルートでは、ただ月のお姫さまと付き合う云々に留まらず、そこから周囲にかける迷惑の度合いやその解決方法、一般庶民から王家へ移るにあたっての困難や試練という、元来ならば蓋をされてしまうであろう苦い現実に誠実にぶつかっていく様が描写されている点は今作最大のウリだと想われます。

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しかし言い換えれば、どのルートでも必ず一つは当人たちの思い通りにならない問題が発生する構成になっているので、「甘い告白シーンの後、その余韻を引きずったままエンディングを迎えたい」というライトな趣向を好むユーザーの方は若干の焦燥感や嫌悪感を覚えることは間違いないでしょう


全体的なシナリオの感想としては、日常生活や通学路での会話のバリエーションがそれなりにあって、他の作品では「話をしながら学校に行った」というように、省略されがちな部分もきっちり書き込んであるのが好印象。
色恋、イベント、雑談、猥談などなど、書き手の表現の手広さが感ぜられました

また、「夜明け前より瑠璃色なルート」クリア後に出現するおまけシナリオなどから垣間見えるように、一見真面目一徹な印象を受ける作風のわりにギャグパートが普通に面白いのが印象的で、『つよきす』、『真剣で私に恋しなさい』などで見られる声優、ニコニコ動画や2chのコアなネタ、極度なシモネタや、川上稔著『終わりのクロニクル』シリーズなどで見られる辛辣な毒舌などを使わず、普通の受け答えを上手に使ってここまで面白い掛け合いができるというのは素直に凄いと思いました。

腹を抱えて笑うというものではないにしろ、こういった自然に笑みを零れさせる文章というものはなかなかありません。

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【音楽】

ヴォーカル有りでは、PS2からイメージテーマとなった『brilliant azure』も捨てがたいですが、やはりここぞという場面で流れ、耳に残り易いメロディを持つPC版イメージテーマ『Lapis Lazuli』が今作に最もイメージに合っていると言えるでしょう。

その他ヴォーカル曲も含めてレベルは高いと思います。

BGMでは、エンディング直前に流れる「掌に」(間違っているかもしれません)を筆頭に、荘厳なイメージを持ちながらも、コミカルな格好よさを兼ね備えた曲が多くて私好みでした。

曲数が豊富ながらも、どれも作風の元に統一された一体感があって耳障りなものが一つもなかったのは素直に驚きです。

音楽に関してはまさに文句なしでした。

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【総評】

名作と呼ばれるだけはある作品というのが一貫した感想です。

いっそクドささえ感じられる奥深い心理描写と、ただ甘いだけではすまない恋愛という苦味をしっかり描ききった意欲作と言えるでしょう。

べっかんこう氏のような綺麗どころの絵を用いているにも関わらず、見せる部分はきっちり見せる書き手のこだわりと自信が垣間見えました。
また、どのキャラもしっかりとしたバックボーンがあり、誰のルートに関しても、クリアした後にはしっかりそれぞれの印象を有した後味があり、シナリオそのもののボリュームも相成って非常に満足感がありました。


プレイ時間は8ルート、トゥルールート、おまけ含めて30時間程度といったところでしょうか。選択肢こそそれなりの数がありますが、一周目以降は「お助けナビ」という、どの選択肢が、どのキャラのルートに入るかを視覚的に教えてくれるシステムがあるので、攻略したいキャラのルートに入るまで悩むということはありません。ゆえに、30時間というプレイ時間=未読のシナリオを読み進める時間と考えて問題ありません。


中古でもなかなかの値段(4000円以上)で売られているので手を出しづらい感は拭えませんが、払った金額に見合うだけの感動を味わえる作品だと思いますので、興味のあるかたは是非購入していただければ幸いです。(PC版では2ルート減ですが、その分情事が濃いので(どういう表現だ)、そちらを希望の方はPC版をどうぞ)




読了お疲れ様でした。


追記

お気に入りのキャラ(ルート)は、一位、ミア。二位、エステル。三位、さやかです。(ミアとさやかは人気投票だと5位と6位だそうで・・・、あんなにいい嫁さんなのに・・・。)
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武蔵野線の姉妹、雑感

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ライトノベルの雑感ばかり潤いがないので、今回は、漫画『武蔵野線の姉妹』の雑感を書いていきます。

・・・ブログ最初の漫画記事の題材がこの漫画というのも残念極まりない感じですが。


最初に読んでいたときは、これでもメイド喫茶を舞台としたドタバタ劇、という印象を抱いていたのですが、ストーリーに混ぜ込まれる主人公、「ラン」、「パンドラ」のヲタク向けの毒舌を見ていると、この漫画の肝は著者の考えた毒舌公開所というような側面にあるのではないかと思えてきました。

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「ラン」に、ニートだけど元大学主席、マネーゲームで大勝して金持ちという属性(本編では言及されませんが顔も並以上)を持たせ、いわゆる「勝ち組み」要素を設けながらも、どこか孤独な生き様を見せていく側面を持ちながら、『N・H・Kにようこそ!』『絶望先生』などとは別の切り口でヲタクを対象とした中傷紛いの発言多数を多数繰り返す内容は、当然人を選びます。

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正直ストーリーなんていうものは無いも同然で、いきなり作者が意味不明なセリフを吐きながら本編に入り込んだり、「漫画じゃなかったら~」「漫画ですから」などというようなメタ発言繰り返したり、どこか本気でストーリーを作るということを軽んじているような所がまま見受けられます。

おまけシナリオやあとがきは良いにしても、本編でこういうことを繰り返しやっていいものかどうか。


また『よつばと』『ひだまりスケッチ』『がんばれ!消えるな!色素薄子さん』のようにほのぼのとした日常ものとして見ても、微笑を誘われるような面白さとは無縁で、ひたすら筆者が「今思いついた」かのような味わいのない毒舌を書き連ねていくだけ。

キャラ同士の掛け合いも、誰に貧乏くじを押し付けるかを模索していたり、威圧したり、小馬鹿にするものがほとんどで正直「そこまでヒネなくてもいいだろ」という突っ込みをしたくなるレベルでした。

まぁ、自称ネットアイドルの風邪の回だけは読んでいて「ほっこり」できたので、引き立たせ役としての毒舌ならば許容は出来そうですが。なにぶん比重が傾きすぎでしょう。

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【総評】


筆者が露骨に批判していた、「萌え絵」だけで売れているような作品というのがまさにこの作品を評する妥当なものといえるでしょう。
ええ、「絵」はうまいと思いますよ。

気に入らないのは、ランにしても筆者にしても、「私はクズ人間だから」「この漫画は絶対に面白くないから」と、自分で自分を最底辺に貶めることで、これ以上貶められないための逃げの防壁を築いていることが挙げられるでしょう。

これはパンドラの変わりに「嫌われるのは私だけでいい」と毒舌を吐いたり、「となりの芝が青すぎる」と卑屈になったり、抱き枕を作ったら予想に反して一人売れ残ったりするランを、あえて貶しつつもメインヒロインとして扱っていることにも起因していると思われます。

ようは読者に、かわいそうな姿をアピールして、「そんなことないよ!」という同情評を貰おうというわけですねぇ。病弱だったり、口下手だったり、肉体、精神に弱点のあるヒロインを読者が好きになるのは、「助けてあげたい」という保護欲の延長線上に存在する見下しにある、ということをわかっているからなのでしょう。
漫画『N・H・Kにようこそ!』にも書いてあった概念ですね。


ランだか「タン」なんだか知りませんが24歳のヒロインなんて誰が好きになるんでしょうかね?


無論、それを踏まえ、私のお気に入りのキャラは、

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ランです。



・・・・・・アレ


今まで話していたのはなんだったんでしょうかねぇ。
まぁ一概に否定できるほど魅力がまったくない訳ではない、というわけで、今回は結論を保留しておきましょう。



読了お疲れ様でした

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カレとカノジョと召喚魔法【第一巻】、雑感

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記憶がなくなってもね、心には色んなものが残るんだよ。
思い出が全部なくなっても、心はそのとき感じたことを忘れない。



電撃文庫さん刊行、上月司著、『カレとカノジョと召喚魔法』について、今回は書いていきます。

Espliaのあらすじ

小学生の頃、事故で右足の機能を失った「白銀雪子(しろがねゆきこ)」のため、悪魔「リールゥ」を召喚した「水瀬遊矢(みなせゆうや)」は、彼女の治癒の代償に、一つの条件を付け加えた上で『恐怖』『緊張』という感情を渡してしまう。
自分のせいで奪われた遊矢の感情を奪い返すため、雪子はリールゥの提示した一つの条件、「かくれんぼ」に身を投じる決意をする。


まず読んでいて気になったのが、文章の構造。
例えば、P259の、

初めから○○(人物名)が怪しいなんて言われていたら過剰に注意しちゃってボロは出さなかっただろうから


という文章があります。発言者は『雪子』です。

これを最初に見たときは、「ボロを出さないなら問題ないじゃないか?」と意味がよくわからなかったのですが、あとあと、これが「過剰に注意しちゃって」という対象が雪子、「ボロを出さなかった」という対象が○○だと気付いたことで理解が得られました。

このように、本書では会話文に「5w1h」の「who(誰が)」が致命的なまでに省かれているという傾向がありました。これは素直に読みにくかったといえるでしょう。

特に先述した文章は、

私が)過剰に注意しちゃって(、警戒した○○が)ボロを出さなかっただろうからね


このように多少文字を増やしても、「誰が」を入れることで読み手の理解は数段早く及ぶ形に変えられます。

もちろん私の読解力の無さ、というは常に付きまとう現実ではありますが、他の著書を読んでいて、ここまで「通行止め」を食らう文章は久しぶりで印象に残りましたし、少なくとも句読点くらいは打つべきではないでしょうか。不親切さが垣間見えます。

読み手がせっかく物語に入り込み、次々と文章を読み進めていくにあたって、中途で出てくるこれら難解な文章は毒にはなっても、薬にはなりえません。


他にも主人公達の通う校舎の内部構造を延々長く書いたり、謎を明かす行程をやけにじれったく伸ばした上で、その合間に関係の無いキャラの心情を挟んで長々と綴ってみたり、説明の例がわかりにくかったり、今回の事件を起こした犯人の思想がとても脳内補完できるレベルを逸脱していたり、・・・なかなか残念な部分が目に付いた印象が拭えません。

また、推理段階で、裏口の位置から正面門は隣接していないとか、保健室がどこにあるか、などの立地条件を用いて解法を導くのは良いのですが、はっきりいって解かり難いです。
そもそも大きな学園という前提が、小さな学校にしか通ったことのない私にとっては、全容を理解するなんてことは元より、どんなものかを想像すらことすら出来ませんでした。

なので、裏口がどうとか、保健室がどうとか、推理に地形を絡めるならば、綾辻行人著、通称「館シリーズ」新装改訂版に附随しているような『図解』及び『マップ』のようなものがあれば、一層理解がしやすくなったのではないでしょうか。

「絵」と「文章」。その集合体である「ライトノベル」という地盤を筆者がうまく生かしきれていないと指摘できるでしょう。雪子たちが警備ルートを決める際に出せば違和感もなかったですし。

断言、とまでは行きませんが、恐らく本書は、筆者自身の中では「当り前」のことであっても読者はそれを理解していない、という前提を忘却しているように思えました。


他にも・・・・・・、あー、追い討ちのようで恐々としますが、序盤の雪子の一人で考えて、一人で葛藤して、一人で完結してしまう、言わば「独り相撲」状態の行動。
「~だった」「~思っていた」が連続するような動きのない、さながら殻に閉じこもった亀を愛でているような平坦な文章。
説明口調が延々と続く学校案内パンフレットを読んでいるかのような躍動感の無さなど、読んでいて溜め息を付かされる場面が多くあったのが事実です。


一方で、誉めるところもそれなりにあります。
例えば、雪子の右足を直す代償に「恐怖」と「緊張」という感情を悪魔に奪われた遊矢、というくだりは、今後の展開に期待の出来うる、非常に面白い出足だと思いました。

キャラクターの扱いにしても、雪子こそ読み始めからの印象どおりでしたが、他の女性キャラにデレデレしていたり、幼馴染の雪子相手に容赦ない客観的な意見を言ったりしていて、どうにも好きになれなかった遊矢を中盤から最後に掛け、格好よく仕上げている点は読んでいて久々に胸が躍りました。本書で最大の見所といえるでしょう。


一方で、過去の吸血鬼退治をあっさりとした思い出でしてしか説明がないことを筆頭に、物語がほぼ雪子の視点でのみ語られるため、どうしてこんなに無茶をするのか、相手をどう思っているのか、というような登場人物に対する親近感や理解を深める描写が少なかったのはやや残念でしたが


【総評】

出足の奇抜さと、物語の設定は非常に興味深いものを感じました。登場するキャラクターも一部を覗いて非常に万人向けなブレのない個性を有しているのも良いポイントです。
特に主人公の一人である遊矢を好きになれれば、本書の面白さは格段にあがると思われます。


留意すべきは、今回登場する事件の主犯の思想が、常人の理解が及ばぬほどに突飛で、「これで納得しろ」というのが酷なレベルに終始していたり、さっき散々書き散らしたように、読み手を躓かせる「小石」が本文のいたる所に配置されていたりする点が挙げられます。

これらははっきり言って、本書を最後まで読みきるだけのモチベーションをぐんぐん引き下げていくだけの効果しかなく、ほとんどの人が面白い作品を読んで感じる「一気に読んでしまう」という爽快な感覚とは180度違う感想を抱く人が多いと思います。

単純な推理ものとして楽しむにも至らず、キャラクターの掛け合いだけを楽しむにも至らず、どこか満足感のない残念な作品、というのが率直な感想です。



読了お疲れ様でした。


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